箱根終了後に考える出雲駅伝(2023年度)の展望

状況

箱根予選に続いては、10月に行われる出雲における現段階での展望を述べていきます。全日本も同様ですが関東勢を見ていきます。関東からは前回の出雲成績により、箱根でシードを獲得した10校(駒澤、中央、青学、國學院、順天、早稲田、法政、創価、城西、東洋)が出場することになります。


6区間と最も区間数が少なく距離も短い出雲駅伝、1,3,6区の主要区間を任せられる3本柱がいる大学が強いですし、留学生を含め大エースがいるチームは6区で大逆転ということもあり、さらに有利となります。つなぎ区間である2,4,5区は6km前後のため、ルーキーや長い距離は得意でなくともスピードのあるランナーが起用されることが多いです。

駒澤大学

前回王者である駒澤、田澤、山野と2人が抜けることとなりますが、エースの1人である篠原は欠場だったため1区間はすぐに埋まります。芽吹、花尾、圭汰、篠原と4人が主要区間を任せられるでしょうし、1区花尾、6区芽吹と前回と一緒ならば圭汰、篠原を2,3区に起用出来ます。残る区間は前回補員だった山川、伊藤の山コンビでも赤星、青柿ら箱根好走コンビでも新入生の海晴、小山、工藤らもいますし、主力を欠くことが無ければつなぎ区間は何も不安はありません。


大エースの田澤が抜けた影響は非常に大きいですが、それでも前回6区間全てで区間2位以内という完璧な走りを見せていますし、連覇を達成できるかはもちろん分からないですが、優勝候補の一角であるのは間違いないでしょう。

中央大学

今回の出雲は東国大のヴィンセントのような圧倒的な留学生はいません…となると、箱根2区区間賞の大エースを擁する中央が有利であることは間違いありません。前回は大和が万全では無かったですが…本来であれば箱根往路を走った5人がそのまま2年連続で出雲出場する可能性が高く、1区に駿恭か溜池、3,6区に大和、中野という布陣が最強でしょう。つなぎ区間も駿恭か溜池、阿部がいるわけで残るは1区間。


ここは箱根を走った湯浅に山平、東海林ら2年生、新入生も柴田、鈴木、本間ら13分台トリオを筆頭に楽しみな選手がズラッと揃いますので、調子のよい選手を起用することが可能です。前回、あの区間配置で3位に入っていることをかんがえても、ベストメンバー、ベストコンディションで臨むことが出来れば、優勝候補筆頭はこの中央となるかも。箱根で最多となる14勝を誇りながら出雲、全日本はまだ未勝利ですが初優勝なるでしょうか。

青山学院大学

前回経験者は志貴、田中しかおらず、いずれも区間6位ということで前回の経験者というのはあまり参考にはならず…万全であれば太田、一世、若林、鶴川らが主要区間を担ってくるか。経験者が少なすぎて正直どんな布陣になるかは予想しづらいです。1年も荒巻、塩出らが箱根後に快走していて黒田を含めこの3人は来年度大きな戦力となりそう。ベストメンバーが組めれば面白そうではあるのですが、未知数な部分も多く、来年度は箱根に絞ってくると思うので…現時点での印象としては前回と同じ4位前後というところかなあと。

國學院大學

前回2位に入っており、1,3,6区の主要区間を走った青木、平林、伊地知が残っているのは大きいです。ただ、前回2位に入った最大の要因は4区区間賞だった中西大の走りですからね。区間2位に19秒をつける走りは6区間で最大のタイム差でしたし…抜ける影響は大きいです。前回経験者の4人に2人入るとすれば、箱根で好走した上原、佐藤あたりがまず候補になってくるか。1年は他にも嘉数の評価が高いですし、新入生も田中ら楽しみな選手が加わります。2年連続で3位以内に入ってくる可能性も十分ありそう。

順天堂大学

前回5位だったメンバーから4人が抜けることとなり、三浦と油谷しか前回経験者がいません。勝負レースでの実績が豊富な石井、箱根で快走を見せた浅井もまず入ってきそう。1,3,6区も4年生でしたし、新戦力をある程度試す場となるかもしれません。そこでやはり楽しみなのは新入生ですね。吉岡、大野を筆頭に全大学トップクラスの選手たちが加入します。吉岡はいきなり主要区間への抜擢が予想されますし、大野もスピードが抜群なだけに2区とかも面白そう。例えば三浦1区、吉岡3区、石井が6区なんて布陣もありそうか。新戦力が楽しみではありますが、勝負という点では前回と同じ5位ならば上出来と言ったところかな。

早稲田大学

2年ぶりの出雲出場となる早稲田、菖蒲、石塚、伊藤と3人の経験者がいますが…この3人がそのまま主要区間を担ってもおかしくないですね。1区菖蒲、3区石塚、6区伊藤というように…特に石塚、伊藤は今年度は主要区間を担っていますし。さらにスピードのある山口、間瀬田といった1年生も出場する可能性が高いですし、3,6区に長い距離に強い佐藤を起用するのもありそう。


そして新入生も楽しみな選手がいますから、2年前のように複数のルーキーが起用されてもおかしくなりません。選手を見ると楽しみではあるのですが、早稲田は出雲を3大駅伝で最も苦手としていますからね。この10年で最も良い順位は2年前もマークした6位ですし、5位以内に入れれば上出来かなあ。

法政大学

前回は5区終了時で5位に浮上しての総合7位、松本、内田、扇と好走した選手が3人抜けることとなりますが…松永は箱根での快走も含めエースへと成長、1区を安心して任せられますし、万全であれば小泉も主要区間を担うことになるでしょう。箱根で好走した宗像、武田はトラックでのスピードもありますし、ある程度戦力は揃いそう。他にも細迫、宮岡、高須賀らがいますがいずれも長い距離の方が強い印象かなあ。それならばスピードのある選手や期待のルーキーである星野、野田らの起用もあるかも。今年度と同様に過去最高順位である7位を超えることが現実的な目標か。

創価大学

前回は4年生を1~3区、6区と4区間に起用しての6位、悪くない走りを見せた石丸、石井らはいますがメンバーは必然的にガラッと変わることになります。カミナが3区を走るとすると、1区と6区をどうするか…まずは箱根でも結果を残した山森に桑田、野沢らが候補になってくるかな。1区桑田、6区山森とかもあるかも。他にも吉田凌、小暮らもいますし、家入、山下ら楽しみな1年生もいますからね。来年度の出雲は新戦力もある程度試してくるのでは。関東勢で下位になる可能性の方が高そう。

城西大学

5年ぶりの出雲出場となる城西、主要区間はキムタイ、斎藤、山本唯であっさりと埋まるんですよね。1区斎藤、3区キムタイ、6区山本唯とかがありそう。他にも1区で好走した野村に林、平林、山中らもいますしスピードのある選手で6区間揃えることが可能です。1万で28分台が6人はすでに揃いますからね。城西の出雲における過去最高順位は5年前の8位ですが、その順位を超える過去最高順位もあるかも。

東洋大学

前回の出雲では9位だった東洋、それまでは2→3→3位と3大会連続3位以内だったのですが、1区から出遅れると巻き返すことが出来ませんでした。3大駅伝フル出場ながら苦戦が続く石田、3大駅伝全て欠場した松山の2人が完全復活しないことには、浮上は無さそう。箱根往路を走った小林、9区で好走した梅崎らが主要区間を担うことになりそう。箱根出場予定だった九嶋、熊崎もいますし、佐藤も本来ならば主力となって欲しい選手。


1年も西村、緒方ら実力者がいて、新入生も田中ら楽しみな選手が揃うことを考えると、戦力としては何も問題無いはず。今年度は主力を欠きすぎたのもありますし、主力が戻ってくればもっと上位に入ってくると思いますが、それでも3位以内に入るまで戻ってくるのはまだ難しそうかな。

まとめ

出雲は正直どこまでチームが合わせてくるかによっても違いますし、シードも無いので優勝以外はあまり価値が無いのも、各大学の臨み方が難しいです。経験を積ませることを重視する大学もあるでしょうからね。現時点では、箱根で1,2位だった駒澤、中央がまず優勝争いの中心、2強となってきそうかなあ。そこに國學院、青山学院が続くという箱根での上位4校、前回の出雲上位4校がそのまま上位争いをしそうな気がします。


他の大学はどこも抜け出しているところは無さそうかなあ。もちろん、4位以内に入ってくる大学も出ては来るでしょうが、優勝争いに絡んでくるのは難しそう。最高順位が7位の法政、8位の城西あたりが過去最高を超えてくるかにも注目かなあ。特に箱根メンバーが全員揃う城西は楽しみ。ちなみに、前回の展望を見てみると…東国大が大本命で駒澤がギリギリ対抗、青学、順天、東洋が続くというものでしたが、やはり全然当たらないものですね。。。


6区間全て3年生以下で2位に2分以上の大差をつけて優勝をしたら、連覇はまず固いと思ってしまう…出雲は全日本、箱根と比べると遥かに前評判があてにならない駅伝でもありますからね。気象条件にも大きく左右されますし、1区間の遅れが致命的になりますし…現時点で3冠を狙うと明言しているのは駒澤と中央の2校か?ともに優勝候補であることは間違いないでしょうし、まずはどこが3冠の挑戦権を得ることが出来るのか、楽しみです♪

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