箱根終了後に考える出雲駅伝(2022年度)の展望

状況

箱根予選に続いては、10月に行われる出雲における現段階での展望を述べていきます。全日本も同様ですが関東勢に限定して見ていきます。出雲の上位10校、全日本の上位15校に関東勢以外が割って入ることもここ数年はほぼない状況ですし…関東からは箱根でシードを獲得した10校(青学、順天、駒澤、東洋、東国、中央、創価、國學院、帝京、法政)が出場することになります。


3大駅伝で最も区間も距離も短いのが出雲駅伝、1,3,6区の主要区間を走れる3本柱がいる大学が強いです。つなぎ区間は5km前後のため、ルーキーや長い距離は得意でなくともスピードのあるランナーが起用されることが多いのも特徴です。また、6区が最長距離でありアンカーでの大逆転が最も起こる駅伝でもあります。大エース、特に強力な留学生がいる大学が強いですね。

展望

今年度は東京国際が優勝候補の筆頭だと思っていましたが…来年度は大本命でしょう。圧倒的な力を誇った1区山谷、3区丹所、6区ヴィンセントが来年度も健在、そもそも丹所に勝てる可能性のある選手が他大学を見ても数えるほどしかいないわけで…さらに6区にヴィンセントがいることを考えると他大は大きなリードを奪わないといけない…しかし、今年度は東京国際がトップで6区に繋いでいるわけで、ベストメンバーが組めればまず2連覇は確実なのでは?と思うほどの圧倒的な戦力です。


対抗として名前が挙がるとすれば全日本王者の駒澤でしょうか。芽吹が完全復活を果たし、田澤、唐澤と3本柱を形成出来れば、主要区間で大差をつけられずに渡り合える可能性はあります。つなぎ区間もスピードのある選手が揃っていますし、新入生の圭汰も楽しみな存在。ただ、そもそも出雲を駒澤は苦手としていますし、5区終了時でヴィンセントから逃げ切れるだけの差をつけられるとも思えず、良くて2位かなとは思います…


箱根王者の青学は圧倒的な選手層を誇りますが、出雲となると大エースがいるチームの方が有利かなあ。近藤に佐藤、岸本らがおり、若林、太田と1年生も大活躍であり、つなぎ区間では全大学No.1の戦力となるでしょうが主要区間で東京国際に渡り合えるかというと…山谷、丹所を1,3区で上回るのも容易ではないかと…駒澤同様に良くて今年度と同じ2位かなあ。


前回の出雲で3位に入った東洋は前回経験者が残っており、エースの松山は出場していないです。松山、石田を主要区間に起用出来れば楽しみですし、箱根で好走した佐藤も未出場。前回好走した九嶋もいますし、緒方ら新入生も楽しみです。ミスの無い駅伝を再び見せることが出来れば、また上位に入ってきてもおかしくないですよね。


前回の4位の國學院は島崎、木付、藤木と1~3区経験者がごっそり抜けるのは痛いです。ただ、伊地知、平林、中西大という前回経験者に山本も含めた布陣は非常に強力、ここにスピードのある下級生がつなぎ区間を担うことになりそうかな。新入生も新2年生も楽しみな選手が揃っていますからね。ただ、経験不足は否めず、再びの4位に入るのも容易では無さそう。


箱根2位の順天堂もベストメンバーが組めれば出雲に何の不安も無いですね。前回は2区間で崩れてしまいましたが…三浦、伊豫田、野村、四釜と1,3,6区を任せられる選手が4人いて1人はつなぎ区間に回せます。さらに箱根で好走した石井、出雲で好走した平で6区間があっさりと埋まってしまいますからね。箱根で好走した西澤やスピードのある服部、新入生も村尾らがいますし、順大もハマれば2位争いに加わってきてもおかしくないかと。


箱根6位の中央は大エースの大和に中野翔、阿部あたりが主要区間を担うことになりそうかなあ。長い距離で好走した若林、中澤、湯浅らは出雲よりは全日本以降で活躍しそうなので、スピードのある選手を出雲は起用してくるかも。新入生の駿恭、溜池も即戦力として期待されますし、久しぶりの出雲で経験を積ませることも重視してくる可能性もありますね。主要区間は大和以外やや不安がありますが、スピードのある選手が揃うのは楽しみ。


箱根7位の創価はまたムルワを3区に配置して上位を伺う戦略が良さそうです。復活した葛西に新家、濱野らさらにスピードを身に着けてた選手が主要区間を担う形が良いかなあ。前回出場した緒方、桑田ももちろん楽しみな選手ですし、吉田凌、松本ら箱根復路で好走した選手にも期待したくなります。出雲は箱根に比べると得意とは言えないですし、前回と同じ7位くらいが一つのターゲットとなるかなあ。


箱根9位の帝京はかなり厳しい戦いになりそうですね。前回の出雲経験者が6人中4人いなくなるわけで、残る経験者の小野、西脇が主要区間を走ることになるかなあ。3年生は箱根6区を走った北野以外は現状では厳しそうで、ならば1年の福島、小林といった3大駅伝出場者の方が出雲も可能性はありそう。これからどれだけ力をつけてくるか次第ですが、現状だと関東勢では最下位の可能性が高そうかと。


箱根10位の法政は内田、小泉、河田という箱根往路を走った3人がそのまま1,3,6区を担うのが順当かなあ。起用のされ方を見ると1区内田、3区小泉、6区河田がしっくりときそう。ここに復活すれば主要区間を任せられる松本に川上、細迫、稲毛、中園、武田と箱根出場者がつなぎ区間を固めることになるかなあ。新入生も大島ら楽しみですし、箱根出場者に割って入ってくる選手がいればさらに選手層に厚みが増しそう。


正直、現時点ではよほどのことがない限りは東京国際が負けるイメージは湧かないです。つなぎ区間も選手層の厚さを活かして崩れる可能性は低いですし、1,3、6区は全大学中最強ですからね。2位争いは非常に面白そうで箱根上位である青学、順天、駒澤、東洋あたりがそのまま争うことになりそうかなあ。中央、創価、國學院、法政がその後ろで帝京が最も厳しそう。駅伝は1強よりも最後まで分からない優勝争いの方が圧倒的に面白いですし、東京国際と勝負できる大学が出てきてほしいですね!!