区間歴代トップ5の遷移(2014→2022) ~箱根駅伝8区~

久しぶりになりますが、続いては箱根8区の区間歴代トップ5の遷移を見ていきます。8年間でトップ5のうち3人が入れ替わっています。長らく山梨学院の古田が区間記録保持者として君臨していましたが、22年ぶりにその記録が破られることとなりました。8区も64分台を出せればトップクラスという区間でしたが、区間記録は63分台に突入し、64分前半で走る選手も増えてきました。2014年の記事はこちら

順位タイム氏名大学学年
1位1時間03分49秒小松陽平東海大学3年2019年
2位1時間03分59秒大保海士明治大学4年2021年
3位1時間04分05秒古田哲弘山梨学院大学1年1997年
4位1時間04分12秒大津顕杜東洋大学2年2012年
5位1時間04分15秒野口英希東洋大学4年2021年
2022年時点
順位タイム氏名大学学年
1位1時間04分05秒古田哲弘山梨学院大学1年1997年
2位1時間04分12秒大津顕杜東洋大学2年2012年
3位1時間04分26秒奥田実中央大学2年2005年
4位1時間04分35秒髙久龍東洋大学3年2014年
5位1時間04分37秒奥田真一郎順天堂大学2年2000年
2014年時点 ※参考
歴代1位

区間記録保持者は東海の小松、2019年に1時間3分49秒を叩き出して従来の区間記録を16秒も更新しました。最古の区間記録を更新してくるのが、まさか小松とは正直思いませんでした。。。持ちタイムこそ良かったですが、3大駅伝初出場でしたからね。しかも優勝争いを繰り広げている状況の中でこの区間記録の走りで一気に東洋を突き放し、後ろからとんでもないスピードで追ってくる青山学院を再び突き放し、優勝に多大な貢献をする走りだったのも評価が高いです。


22年ぶりの区間記録更新というのもどんどん区間記録が更新されている現状を考えると、なかなか無さそうですよね。不滅の記録となった箱根3区がいつ更新されるのか?くらいでしょうか。翌年も箱根8区で区間賞を獲得しており、3大駅伝では高いレベルで安定した走りを続けました。その中でも3年時の区間新記録は大学ベストレースだったでしょう。

歴代2位

歴代2位は明治の大保、2021年に1時間3分59秒をマーク、区間記録に10秒及ばなかったものの区間賞を獲得、2人目の1時間3分台で走った選手となりました。1年の全日本に出場して以降、3大駅伝に出場どころかエントリーされることさえありませんでしたが、4年の全日本で6区2位の快走を見せると、箱根では7区終了時で2分4秒もシードから離される状況の中、圧巻の走りを披露して一気に1分8秒差にまで縮めました。その走りに感動したファンの方も多かったのではないでしょうか。


正直3年の箱根予選に出場してチーム最下位の305位だったときにはもう3大駅伝出場は無いかと思いましたが…そこからの大復活ですからね。4年時に大躍進を果たす選手はこれまでも何人もいましたが、1年時から3大駅伝に出場し、2,3年はエントリーさえない状況から4年時に復活どころか大幅に成長を見せた選手というのはほとんどいないのではないでしょうか。最初で最後の箱根で最高の走りを見せてくれました。

歴代3位

歴代3位は山梨学院の古田、1997年にマークした1時間4分5秒というタイムは長く更新されることはありませんでした。そもそも、8区はチーム10番手の選手が走ることも多い区間ですからね。そこにルーキーとはいえ高校時代トップクラスだったエース級の選手が起用されたことで、22年も続く区間記録をマークすることとなりました。2019年に区間記録が更新されるまでは、1時間4分30秒を切った選手さえ2人しかいませんでしたし、8区という区間特性もあって更新するのが困難な記録となりました。

歴代4位

歴代4位は2012年に東洋の大津顕杜がマークした1時間4分12秒、区間記録に7秒に迫る走りでした。3大駅伝初出場での快走、2012年は東洋史上最強チームと言われる柏原4年時、2位の駒澤に9分2秒もの大差をつけて優勝を果たしました。そんな最強チームの一員として大津の走りも圧倒的でチーム5連続区間賞の走り、東洋の箱根での強さを改めて感じるレースでした。4年時には10区で区間賞を獲得、優勝のゴールテープを切っています。

歴代5位

歴代5位は2021年に東洋の野口がマークした1時間4分15秒、大保が区間賞だったため、歴代トップ5の中では唯一区間2位でのランクインということになります。小松、大津、野口と3大駅伝初出場の選手がトップ5に名を連ねていますね。大保も箱根は初出場ですし…野口は5千で15分台のベストながら1年時に箱根にエントリーされたことで注目されました。しかし、1年時も再びメンバー入りを果たした2年時も走れず…


それでも4年時に3度目の箱根メンバー入りを果たすと、8区で区間2位の素晴らしい走り、チームを総合3位に浮上させ、前年度10位に沈んだチームが再び総合3位に返り咲く中で大きな役割を果たしました。下級生から活躍する選手も多いですが、こういう4年時に花開く選手も東洋の強さを支えています。