第54回(2022年)全日本予選結果  ~神大がトップ通過、創価が初出場~

本日、関東インカレと並ぶトラックシーズンの大きなレースである全日本予選が行われました。7校しか出場出来ないという狭き門の中、熱いレースが繰り広げられました。レース結果(PDF)はこのようになっております。各大学を個別に振り返るのは明日以降として、今日は全大学を簡単に振り返ります。前回出場校が4校(法政、帝京、拓殖、日体)も予選落ちとなる中、トップ通過だった神奈川、初出場を3位で決めた創価、箱根から遠ざかっていた大東大、日大の活躍が目立ちました。

1位:神奈川大学

強かったですね。前年度は1組からあまり見せ場が無かったのですが、今回は1組から危ない場面が全くなくトップ通過候補と言われた大学を全て抑えてのトップ通過は価値があります。1組のルーキー宮本の快走から始まり、3組までずっと10位以内に2人が入る抜群の安定感を誇りました。最終組も32分台のベストを持つ山崎が28分台をマークしていましたし、強かったです。これでも佐々木や小林政など主力を複数欠いているわけですし…全日本も俄然楽しみになってきました。

2位:東洋大学

きっちりと通過は果たしたのですが、ちょっとほころびも見えたレースだったかなあ。1~4組まで集団を引っ張る選手が多かったですが…そのまま上位で走り切ったのは2組の熊崎、九嶋だけで1組の木本、3組の及川らが苦しい走りになってしまったのも気になるところ。その一方で最終組でエースの松山が組トップ、緒方も粘れていたのは良かったです。全日本に向けてまたチームを仕上げていってくれれば。

3位:創価大学

全日本予選に泣かされ続けてきた創価がついに初出場を勝ち取りました。1組の横山、2組の石丸など各組で良い走りを見せていましたが、決め手になったのは3組だったかなあ。ここがベストメンバーを組めなかった弊害を最も受けると思った中で桑田、野村がともに一桁順位の快走、出場を大きく近づけました。最終組もムルワが順当にトップでの3位通過、初めての全日本でどんな走りを見せてくれるのか楽しみです。

4位:東海大学

1組の吉田が28分台の大逃げで2位に46秒もの大差をつけるトップ、箱根5区2位の実績を誇る吉田が別格の走りを見せました。2,3組も危なげないレースでしたし、最終組で竹村が早い段階出遅れたのはちょっと不安になりましたが、そこで梶谷が組7位と素晴らしい走りでチームを救いましたね。やや不安もありましたが、まずはしっかりと通過を出来たのは良かったのではないでしょうか。

5位:大東文化大学

3年間3大駅伝に出場出来ていなかった大東大がついに全日本出場を勝ち取りました。前回苦しんだワンジルを自信回復も込めて2組への起用が当たりましたね。ここで2位に41秒差をつけるダントツの走りで通過圏内に戻してくると、3組でも大野が連続組トップの走りにはびっくりしました。最終組も久保田が日本人2位の素晴らしい走り、ベストメンバーを組めずに1組39位に沈んだ時は厳しいと思いましたが、そこからよくぞ巻き返してきました。

6位:中央学院大学

武川、小島らを欠いて厳しいかと思いましたが、粘りましたね。3組までは大きく稼ぐ選手もいませんでしたが、逆に崩れる選手が誰もいなかったのが大きかったです。現実的に通過を狙える位置でレースを進めていきました。となれば最終組にはエースの吉田がいますからね。8位に入る走りはさすがでしたが、伊藤が17位で粘ったのが非常に大きかったです。今回のメンバーで連続出場を勝ち取ったのはチームとしても自信になったのでは。

7位:日本大学

箱根予選で2年連続惨敗していた日大が最後の椅子を勝ち取りました。1組の西村、2組の若山らが粘りの走りで通過を狙える位置をキープ、30位以下に沈む崩れる選手がいなかったのも良かったですね。3組も松岡がエースの走りで4位と好走、あとは最終組に全てを託すこととなりましたが、ドゥングも樋口もよく粘ったと思います。このメンバーで通過出来なかったら仕方ないというほどにベストな布陣を組めたのがまず良かったですし、全日本返り咲きは大きいですね。

8位:城西大学

1組から崩れる選手がいない一方で大きく稼ぐ選手もいない状況…特に3組の野村、山本唯は8位、12位と決して悪くは無いのですがスローペースで力のある2人がタイムを稼げなかったのが辛かったですね。最終組に抜擢されたルーキーのキムタイ、斎藤は良く走ったと思いますがルーキーに最終組を託すしかなかったチーム状況がやはり厳しかったかなあ。それでも、箱根返り咲きに向けて8位という結果は決して悪くはないかと。

9位:帝京大学

シード落ちから1年で予選落ちとなってしまいました。戦力的に厳しいと思っていましたが、1組11位の藤本、2組4位の末次などよく走ったと思います。しかし、3,4組でともに30位以下が出てしまってはさすがに厳しいですね。良かった選手と悪かった選手の差が大きかったかなあ。それでも、新戦力の台頭が見られたのは良かったですし、3大駅伝に向けて戦力を高めていってくれれば。

10位:国士館大学

1組は綱島が6位と好スタート、川勝の14位も上出来でした。2組までは粘れていたのですが、3組でともに30位前後と苦しい走りになってしまいましたね。最終組もカマウが3位でしたが山本龍は34位…苦戦が予想されたカマウ以外の後半の組でやはり厳しい結果となってしまいました。それでも収穫もあったレースでしたし、遠入や中島が予選会を経験出来たのも良かったです。箱根予選に繋げていって欲しい。

11位:立教大学

これは上出来といって良いのではないでしょうか。前回は出場するのが目標だったと思いますが、今回は11位まで順位を上げてきており、箱根出場を目指す大学の1つの目安となる12位を上回ってきました(全日本シード8校+12位で20校が箱根出場)特に30位以下となったのが最終組で30位だったルーキーの國安だけというのが良かったですよね。積極的な走りで3組7位だった林の走りも光りました。前年度の駿河台に続いて立教も全日本予選の好走⇒箱根出場と繋げられるでしょうか。

12位:山梨学院大学

全体的には大きな見せ場なく終わってしまったかなあ。1組から土器屋が36位と沈んでしまったことで苦しいレースに…2組14位だった北村がずっと集団を引っ張ってペースを安定させる走りは見事でしたが、3組も順位を下げる苦しい展開に…4組でムルアが2位に入ったのは完全復活を印象付けて良かったですが、木山は27位止まりでしたし、主力の苦戦も目立つ結果に…箱根予選に向けてちょっと不安になる結果でした。

13位:駿河台大学

前回ほどの結果とはならなかったですが、期待のルーキー東泉が1組8位と好走したのはさすがでしたし、3組14位の新山も良かったですね。ゴッドフリーの4組4位もさすがの走りでしたが、今年度のチームを牽引するはずの清野、町田がともに下位に沈んでしまったのは残念でした。課題も収穫も多かったレースとなったかなあ。

14位:法政大学

通過有力かと思っていた法政大学ですが、2組でアクシデントが…緒方が最後ふらふらとなってしまって最下位、39位にも2分差をつけられる結果となってしまったことで通過は絶望的となってしまいました。そうしますと、どうしても3組以降は力を発揮するのは難しいですよね。そんな中、3組13位だった中園、4組16位だった内田は良く走ったのではないでしょうか。3大駅伝フル出場とはなりませんでしたが、出雲、箱根に向けて楽しみなチームであることには変わりありません。

15位:日本体育大学

前回出場校の中でも非常に苦しい走りとなってしまいました。全くと言っていいほど見せ場が無かったんですよね。一番順位が良かったのが1組20位の松永で30位台の選手も多く、最終組の分須、名村も揃って30位台でしたし…藤本がいなかったとはいえこの結果は非常に危機感を覚えるものではないでしょうか?今のままでは得意の箱根予選も大丈夫?と心配になります。ここからどれだけチーム力を高めていけるか。

16位:専修大学

今回も爪痕を残すことは出来なかったかなあ…2組の木村は最初から集団を抜けだす積極的な走りを見せましたが、追いつかれてからはずるずると順位を落として35位ですからね…さすがに無理をしすぎたのでは…高瀬が4組13位だったのが収穫だったくらいかなあ。今回も下位に沈む選手が多くなってしまいました。専修の場合は箱根予選には合わせてくれると思いますが、全日本予選はずっと奮わないですね。

17位:上武大学

1組をルーキーコンビに託しましたが、前原が33位、関本が最下位と洗礼を受ける結果となりました。そんな中で3組11位で海村が走ったのは数少ない収穫でしたかねえ。唯一心配ないと思っていた最終組はパトリックが23位、村上は38位と大きく崩れてしまったのは心配です。ダブルエースの活躍は箱根予選でも必須ですからね…

18位:拓殖大学

前回出場校では最も悪い順位となったのが拓殖、エースのラジニがいない時点で厳しいとは思っていましたが、まさかここまで下位に沈むとは思いませんでした。揃って遅れてしまっているシーンが多かったですもんね。最も良かったのが4組28位の江口で他の選手は30位台ばかり…3組の小山は最下位と大惨敗と言ってよい結果となりました。これでは箱根予選も通過は大丈夫なのかと不安になってしまいますよね。。。ほとんど収穫の無いレースになってしまったのでは。

19位:東京農業大学

ダブルエースである高槻、並木がいない時点でどうしようもないとは思っていましたが、予想通り厳しい結果となりました。最も良かったのが2組28位だった田中で他は30位以下というのは拓殖と同じ感じですね。。。38位が1人、39位が2人と30位台でもさらに下位に沈む選手が多かったです。元々戦力的に厳しいのにエースが2人いなければこの結果もやむなしです。

20位:日本薬科大学

エースのキプリモが途中棄権となってしまうまさかの事態…足を痛めたのか途中で明らかに苦しそうでした。それでも日本人エースの中山が4組18位、3組も中野が20位、白石が25位と後半の組でいずれも日本人選手が戦えたのは良かったのではないでしょうか。組順位トップ3が3,4組ですからね。記録なしとなってしまったのは残念ですが、見せ場は作ってくれたと思います。

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