第98回(2022年)箱根駅伝 9区振り返り ~区間賞:中村 唯翔(青山学院)~

大学ごと

続いては9区における各選手の走りを振り返っていきます。9区結果はこのようになっております。9区の区間記録は中央学院の篠藤が保持しており、道中で迫っても届かないというパターンがこれまでだったのですが・・・青学の中村が1時間7分15秒という従来の区間記録を46秒も更新する圧倒的な走りを見せてくれました。前回の箱根2区も全日本2区も苦戦しましたが、やはり力はありますよね。圧巻でした。


今回は9,10区は好タイムをマークした選手は多く、68分台が4人も出ました。國學院のルーキー平林が区間2位、従来の区間記録に6秒遅れただけの走りで10→5位に浮上し、シード争いから抜け出しました。本当にすでに恐ろしすぎるルーキーですね。来年度はもう國學院のエースとしてエース区間で勝負し続けてほしい。


区間上位で最も驚いたのは3位だった中央の湯浅でした。期待の選手ではありますが箱根予選では74位、3大駅伝初出場でこの走りを見せるとは…総合3位を堅守し、今後にますます期待を抱かせる走りでしたね。2年生は吉居が1人抜けていたところに、中野や湯浅とどんどん選手が出てきています。中央の今後もますます楽しみです。


区間4位に駒澤の山野、8区でアクシデントがあった中で9区ですぐに立て直せたのは大きかった。6→4位と2つ順位を上げてきましたし、故障で全日本も回避していましたが2年連続の9区で良い走りを見せてくれました。やはり、安定している山野のような存在は2年生が中心だったチームにおいても重要です。


区間5位に東洋の前田、前回往路を走った前田が9区?と思いましたがここで8区に続いての好走で9→7位に浮上、前との差も詰めてきてさらに上位を狙える位置にまで持ってきましたからね。主要区間を安心して任せられる頼りになる選手です。


シード争いでは、國學院が抜け出したことでボーダーとなったのが帝京、森田が区間12位で走っており決して悪い走りでは無かったのですが、後続の選手たちが良かったこともあって7→10位と3つ順位を下げてしまい、11位とは32秒差で10区につなぐこととなりました。


ここで差を詰めてきたのが法政の清家、区間7位と2年前と同区間、同順位で走ったことで10区逆転でのシード獲得が現実味を帯びてきました。清家を9区に残せたチームの選手層も大きかったです。一方で早稲田は佐藤が区間14位の走りで総合12位に後退、さらに10位とは1分46秒もの差がついてしまい、実質ここでシード争いからは脱落となってしまったかな。チームとしてなかなかかみ合わないままとなってしまいました。


創価は中武が区間16位とやや苦しい走りとなってしまい、5→9位と4つ順位を落として再びシード争いにまで下がってしまいました。とはいえ、11位とは1分4秒もの差がありましたからかなり有利な位置だったのには違いないですね。3大駅伝はエントリーも初ですし、ある程度仕方ない部分もあるかなあ。


青学が復路記録ペースで走ったことで気になるのが繰り上げでしたが…8区の時点で繰り上げとなってしまった日体大はどうしようもなく、大内がここで区間19位…これで4区間連続での区間19位以下となってしまいました。28分台ランナーをズラッと揃え、さらに箱根予選でも結果を残しているだけに、もどかしすぎます。


山梨学院はここで石部が区間最下位、さらに区間19位とも3分近い差がついてしまったことで、繰り上げとなってしまっただけではなく、総合でも18位に下がってしまいました。最近はずっと下位争いに巻き込まれてしまっています。駿河台は田尻が区間18位だったものの、6~9区まで大崩れする区間は無かったですし、特に6区の貯金が非常に大きく初出場で繰り上げを回避することとなりました。今回の展開での繰り上げ回避は素晴らしい結果と言ってよいでしょう。


専修は服部が区間15位で走ってこちらも繰り上げは回避、前回はもうずっと往路から最下位の単独走となってしまいましたが、今回は随所に見せ場を作っていますし、繰り上げとならなかったのも良かったのでは。服部はチーム内で唯一、2年連続区間15位以内で走っている選手です。


区間6位相当では関東学連の竹井が走っています。関東学連も往路・復路ともに安定した走りを見せてくれました。今回のチームは本当に力のある選手が揃っていましたが、竹井ももちろんその1人です。箱根にはしっかりと合わせてきたのもさすがです。


区間6位に国士館の綱島が走ってきたのは正直びっくりだったかなあ。持ちタイムは着実に伸ばしてきていますが、3年連続出場している箱根予選では二桁順位で走ったことは無かったですからね。それが大事な9区で素晴らしい走り、総合でも15→14位と1つ順位を上げてきました。4年生に主力が揃うチームですが、この走りは来年にもつながりそう。


区間8位に東海の竹村、全日本の8区は苦しみましたが箱根では2年連続の1桁順位でまとめてきました。これで復路は6区からずっと一桁順位で総合8位をキープ、安定していましたよね。今回は前回と違って往路よりも復路の方が安心感はありましたが、5区で一気にシード圏内に入ってきたのを上手く活かしました。


区間9位タイで神奈川の小林篤と東京国際の宗像が走っています。小林篤も箱根初出場で一桁で走った走りは自信になったのでは。小林政も良かったですし、小林の2年生コンビは今後チームの中心となっていくかも。宗像も4→6位と2つ順位こそ下げましたが安定の走り、出雲優勝メンバーの1人ですし、全日本で8区を任されるなど長い距離に信頼があるだけのことはあります。丹所や山谷が目立ちますが宗像の存在も3年生において光ります。


区間11位に明治の加藤、13位で順大の野村と実力者が入ることに。加藤もそこまで悪くは無かったのですが、14→15位と1つ順位を下げてしまったこと、箱根予選では日本人2位で走っていたという実績を考えるとやはり物足りなく感じてしまったか。順大の野村は9区の時点では万全で無かったということでしょうし、そう考えると最低限ではまとめてくれたかなあ。本来であればエース区間を走るべき選手ですし、来年度は3大駅伝全てでエース区間での走りを見たいです。


中央学院の吉田光が区間17位、全日本ではエース区間の7区で良い走りを見せ、希望していた9区を任されただけに期待はしていたのですが…総合では17→16位と1つ上げたものの、区間順位としてはもう一歩となってしまったかなあ。

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