第98回(2022年)箱根駅伝 8区振り返り ~区間賞:津田 将希(順大)~
続いては8区における各選手の走りを振り返っていきます。8区結果はこのようになっております。この区間は何といっても順大の津田の区間賞の走りが素晴らしかったですね。前回の箱根は5区13位と苦しみ、今回は四釜に5区を譲ることとなりましたが、最後の箱根で最高の走りを見せました。この走りで順大の総合2位が大きく近づきました。
その一方で一緒に走っていた駒澤の芽吹は15kmで故障のアクシデント…疲労骨折の部位とは違うという話でしたが、大きくペースダウンしてしまって区間18位、総合でも6位に下がることとなりました。故障の影響が心配されるところです…無理をせずにしっかりと完治させ、またトラックシーズンで見せたような圧倒的な走りを見せてくれれば。
トップの青学は佐藤が区間2位の走り、万全では無かったようですがそれでも駅伝で全く外さない佐藤の強さは健在でした。8区に佐藤を起用出来る選手層が恐ろしすぎますね。ただ、佐藤には今後も主要区間で他大のエースたちと勝負してほしいなあ。
上位争いではここで区間3位と素晴らしい走りを見せた中央の中澤が総合でも3位に浮上、7区でやや苦戦した中でこの8区の走りは大きかった。中央は二桁順位が3度ありましたが、2区間連続で二桁は一度も無かったんですよね。それがチームの上位進出につながりました。東京国際は村松が区間6位の走りで総合4位に浮上、往路がやや苦戦していただけに、冨永に続いて村松の走りが際立ちました。1,3年生に比べてやや苦戦気味だった2年生が好走したのも大きいです。
創価もルーキーの吉田凌が区間8位の走りで総合5位に浮上、創価も往路では1,3,5区で苦戦していましたが、復路で順位を上げられたのは大きいですね。東京国際同様にエースに頼らずに総合力が徐々についてきたように思えます。ルーキーが一桁で走ったのも今後に向けて大きいです。帝京はエース格の橋本が区間16位…2区予定だった選手が8区の時点で万全では無いことは明らかでしたが、やはり苦しい走りとなってしまいました。総合でも7位に後退し、徐々にシード争いに巻き込まれていくことに…
シード争いでは、東海の入田が区間9位でまとめて総合8位をキープ、苦しんだ往路から復路は3連続一桁順位で走っていますね。エース級が不安な一方でやはり選手層の厚さがあります。東洋は蝦夷森が区間4位の素晴らしい走り、総合順位こそ9位と変わりませんでしたがシード争いというよりも、前との差をグッと縮めて上位争いに加わる走りでした。2年の箱根以降故障続きで最後の箱根は厳しいかと思っていましたが、間に合わせただけではなく区間上位で走って有終の美を飾ってくれました。
シード争いに巻き込まれた國學院は石川が区間7位と上々の走り、最初で最後の3大駅伝出場となりましたが一桁順位で走ってくれました。國學院は4年生の箱根が3大駅伝初出場の選手が何度も粘りの走りを見せてくれますね。こういう選手たちの存在が國學院の強さを支えています。
早稲田は千明が区間5位の走り、トラックシーズンの大活躍から駅伝シーズンは故障がありましたが最後の箱根では2年連続の8区5位となりました。総合11位に浮上してシード権とは44秒差と復路では最も迫ることに。ただ、一方で鈴木&千明を起用してもシード圏内に入れなかったのは痛かった。。。
法政は稲毛が区間13位と粘りの走りも10位とは50秒差の12位まで離されてしまいました。ずっとシード争いには加わっていましたが、8区で離された時点ではちょっと厳しいかなあという気も…稲毛も3大駅伝初出場で箱根予選も今年度は出場していなかったことを考えるとよく走ってくれたのですが。8区は選手層が問われる区間なだけあり、区間一桁で走ったのは全て総合11位以内の大学、圏外だったのは故障明けのエースを起用した駒澤と帝京だけでした。
そんな中、区間10位は神奈川の大泉、今年度躍進した大泉が箱根予選に続いて箱根でも上々の走り、実績豊富な他の2年生に負けない走りを見せてくれました。こういった選手が出てくると神奈川の選手層も厚くなりますね。明治の櫛田は区間11位、主力の1人ですが故障明けだったこともあって仕方ないかなあ。8区は故障明けの選手が起用されることも多いですね。櫛田も区間中位で走るのが現状だと精一杯だったか…
区間12位に中央学院の馬場、13位相当に関東学連の大野と続きました。馬場は3年の箱根予選でちはチーム最下位で今年度はエントリーも無かったことで箱根も厳しいかと思いましたが…最初で最後の箱根出場を勝ち取り、チーム中位で走ってくれました。大野もまずまずの走りと言ってよいのでは。大東大も箱根はあと一歩届きませんでしたが…大野を含めて来年度の箱根予選はかなり期待できそう。
区間14位に国士館の山本龍、15位に駿河台の出仙が入ることに。山本龍も今年度は故障に苦しみましたから、それを考えればよく走ってくれたかなあ。ただ、前年度は1区を走っている選手ですし、来年度は往路の主要区間を再び担ってくれれば。出仙は箱根予選ではチーム11番手の230位だったことを考えると15位は上出来と言ってよいでしょう。区間15位以内で走れる選手というのは下位からの脱却に向けて1つ大事になってきますからね。
区間17位に専修の岩間、3大駅伝・予選会の出場はおろかエントリーさえも無かった選手なのですが、最初で最後のエントリーで見事に出場までつかみ取りました。2,3年生が中心のチームですが、こういう4年生の存在が箱根では大事になってきます。
区間19位に日体大の九嶋、最下位に山梨学院の橘田となっています。日体大はこれで3区間連続の19位以下…総合でも18位にまで下がってきました。箱根予選で3位通過にも関わらず、復路でこの走りはさすがに辛すぎます。本戦となるとここまで力を発揮できないとは…橘田も故障明けで直近の走りを見ても箱根は厳しいと思っていましたが、出場したもののやはり万全とは程遠く…2年連続でチームとして故障者が多く箱根に合わせられない状況は何とかしないと下位に沈む区間が多くなってしまいます。
ディスカッション
コメント一覧
早稲田ファンです。8区終了時点で絶望を感じました。6区は置いといても7区8区でここまで上がってこれないとは思いませんでした。一度はシード権内に入れるとは思ってませんでした。絶望を感じた8区終了時点ですが9区を山口にしておけばもう少し面白かったのかと、9区の法政が清家である以上ここで絶望を感じました。
7,8区でシード圏内に入っておかないと厳しかったですよね。
山口もそこまで調子は良くなさそうですし、どちらにしろ厳しかったかと。
選手層が薄い中で主力を複数欠いたのが痛すぎました
津田選手の区間賞は驚きました。出雲も全日本も走っていませんでしたし、昨年も5区13位と苦労していましたし。芽吹選手とほぼ同時のスタートとなり走りやすかったという幸運もあったのでしょうが、最後に大きな仕事をやってのけました。
その芽吹選手は残念でした。11月中旬から練習に戻っていたという記事もありましたし、もう不安はないと思っていたのですけどね。怪我をした部分を気にしすぎて別の部位を痛めるというパターンでしょうか。春に間に合うと良いですけど、今は復帰目標を定めず確実に治すことを優先して欲しいです。
蝦夷森選手の復活も良かったですね。珍しい名字のインパクトもあって2年生の頃から期待していたのですが、三大駅伝は結局2回だけで卒業となるのが惜しいです。鈴木選手も1年生のときだけとなってしまいましたし、東洋の4年生は宮下選手以外、故障で苦しみました。
津田の走りはびっくりしましたね。最後に大仕事をやってのけました。
芽吹はトラックシーズンは無理せずゆっくりと直してくれれば。
蝦夷森も復活の走りでしたね。正直箱根も厳しいと思っていたので、
最後に出場して結果を残してくれたのは良かったです~
なんといっても東洋の蝦夷森君がよい走りをしてくれて前と距離を縮めてくれて、最後の箱根で悔いの無い走りができたのてはないでしょうか。私も嬉しかったです。
蝦夷森が最後の箱根に出場できただけでも良かったのに、好走してくれたのは嬉しいですよねー
津田は今回区間賞を獲得した選手の中で一番驚きました。
正直平地で強い印象がなかったので、5区を走らないのであれば出走はないと失礼ながら思っていたのですが…区間賞、それも64分30秒を切ってくるとは素晴らしいです。入学時14分40秒台の選手がここまで走れるとは津田の頑張りも素晴らしいですし、順大の育成力の高さも凄まじいです。
個人的に石川の走りはグッときました。木付の苦しい走りをすぐさまカバーしたわけですが、これまで木付らが4年生の中で目立っていた中で、最後に勝ち取った石川が苦しんだ4年生をカバーしていて、改めて4年生が頼りになるチームだったんだなと感じました。
津田がここまで力があるとは思っていませんでした。
前回の箱根5区以降を見てもそこまで目立っていなかったので余計にびっくりです。
國學院も箱根初出場の4年生が毎年結果を残してきますよね。
石川もエントリーされ続けながら最後に走れてよかったです。