第98回(2022年)箱根駅伝 駒澤大学 区間配置予想 ~足並みが揃いつつある中、2年連続の2冠を目指して~
本日は駒澤大学について、区間配置予想及び戦力分析をしていきます。前回の箱根では往路を3位、復路はずっと2位を走り続けると10区で3分19秒差を大逆転しての優勝を果たしました。今年はなかなかベストメンバーを組めずにいましたが、それが響いて出雲では5位、全日本では6区以降巻き返して青学とのアンカー勝負を制し、連覇を果たすという対象的なレースとなりました。エントリーメンバー、箱根成績(直近5年)はこのようになっています。
4年生:佃 康平、新矢 連士
3年生:田澤 廉、山野 力、東山 静也、大坪 幸太
2年生:鈴木 芽吹、唐澤 拓海、白鳥 哲汰、青柿 響、
花尾 恭輔、安原 太陽、金子 伊吹、赤星 雄斗
1年生:佐藤 条二、篠原 倖太朗
出雲、全日本を走った選手からは、出雲5区10位だった赤津が外れています。直近で1万で28分30秒台のセカンドベストをマークしていただけに、エントリー漏れは残念。前回の箱根6区区間賞の花崎も予想はされていましたが、エントリー漏れとなっています。その一方で故障者が無事にエントリーを果たしたのは大きいです。いずれも11月には練習に戻って箱根には間に合いそうという話でしたが、前回5区を走っているエース鈴木に9区を走っている山野、出雲で1区を担った篠原らが揃いました。
チームの中心は2年生で最多の8人がエントリーされています。その中でやや意外だったのは金子、激坂王ではまずまずの走りを見せていましたので5区候補でしょうか。同じく激坂王でチームトップだった3年の大坪もエントリーされています。4年生では新矢が最後の箱根で3大駅伝初エントリーとなりました。出雲、全日本に比べるとだいぶ戦力は整ってきましたね。そんな駒澤大学の区間配置予想は以下の通りです。
唐澤②ー田澤③ー鈴木②ー花尾②ー安原②
東山③ー佐藤①ー佃④ー山野③ー赤星②
1区は唐澤、前回経験者の白鳥ももちろんいるのですが…前回は苦しい走りでしたし、ルーキーに今の箱根1区は難しすぎると思うんですよね。ならば出雲こそ苦しみましたがエース格の1人である唐澤に託すのが良さそう。徐々に調子も取り戻しているようですし、トラックシーズンのような活躍を見せてほしい。
2区は田澤、本来は芽吹が2区の方が良いと思うのですが、故障明けの選手に2区を任せるのはさすがにリスクが高すぎるかと…ならば前回も走っているエースの田澤しかいないかなあと。前回よりも徐々に上りは苦にしなくなってきたという話でしたし、チームとしてもエースに2区を任せる可能性が高そう。
3区は芽吹、主要区間でありながら下り基調で比較的走りやすく、故障明けの選手が起用されることもチラホラ見受けられます。本人も2~4区での出場を希望しているようですし、その中では最も負担が少ない3区を任せるのが良いのでは。箱根には問題なく間に合うという話ですし、往路を走ってくれるとチームとしても大きいです。
4区は花尾、全日本では見事な走りでアンカー勝負を制しました。長い距離になるほど強い選手ですから、復路の9区あたりも選択肢の1つかと思いますが…今の箱根は往路から全力を注ぐ必要がありますし、主力の1人となった花尾を復路に残す余裕は無さそう。となると、アップダウンもあって準エース区間である4区を託すのが良いのでは。
5区は安原、前回走っている芽吹の5区は正直2区以上に無いでしょうし、激坂王に出場した大坪や金子の可能性ももちろんありますがハーフの距離も3大駅伝での走りも未知数…5区希望の佃は全日本の走りを見ると正直5区は怖い…ならば5区候補と言われ、全日本で素晴らしい走りを見せた安原に任せるのが最もリスクが少なそうかなあ。
6区は東山、前回区間賞の花崎がいないのは痛すぎますが…今回エントリーされた16人で唯一6区を力が発揮出来る区間としていたので…監督は秘密兵器がいるという話でしたが、さすがに前回の花崎のような走りを期待するのは厳しいですし、耐える区間となるのかなあ。東山だとすれば、全日本に出場し初1万で28分台をマークしたのは自信になったのでは。
7区は佐藤、全日本の走りを見る限りは箱根にも出場する可能性が高そうですし、1区でなければ復路ということになるかなあと。前回もルーキーだった花尾が走った7区としました。スピードもある佐藤が長い距離でも問題ないとなれば十分に期待出来ますよね。それだけ全日本の1区区間賞は素晴らしかったです。
8区は佃、前回も区間4位で走っている選手ですし、5区でなければ8区を任せることになるのでは無いでしょうか。一度経験しているのは大きいですし、前回は終盤にやや苦しい走りとなってしまいましたが、今回も8区ならば遊行寺の坂を攻略してほしいところ。
9区は山野、コンディションに問題ないのであれば長い距離にも不安の無い山野は復路を走ってほしいですよね。前回は9区を走ってトップと一気に差をつけられる非常に苦しい走りとなってしまいましたが、全日本も箱根も経験しているのは大きいです。
10区は赤星、全日本では4区4位と見事な走りを見せていましたし、全日本で好走した選手は長い距離や調子に不安が無ければ起用される可能性が高そう。本人は7区希望ということでしたが、ルーキーの佐藤を7区予想、8,9区は経験者予想としたのである意味消去法での10区となりました。10区をルーキーに任せることはほとんどしないですし。全日本のような走りを見せてくれれば
チーム戦略に大きく影響しそうなのは1区と5区かなあ。1区候補、1区希望者は多いですし、今回は唐澤としましたが他の選手に任せられるのであれば唐澤を3,4区あたりに回すことも出来て復路の層が厚くなりますし、5区を佃、大坪あたりに任せられれば同様に安原を平地におけるメリットがあります。ただ、監督は1区で出遅れは避けたいという話をしていましたし、5区は最も差がつく区間ですからね。今回その両区間でギャンブル的な配置はしてこなそうというのが私の予想です。
今回は外して予想した選手の中には前回1区を走っている白鳥、出雲で1区を走った篠原、全日本で2区を走った青柿らがいますし、コンディション次第ではいずれも出場してもおかしくない選手たちです。主力が戻ってきたことで繋ぎ区間はある程度調子の良い選手を選ぶことが出来るようになってきたかなあ。圧倒的な選手層があるわけではないですが、16人中13人が5千で13分台のベストというスピードがあります。
箱根では優勝候補の一角に名を連ねることになります。前回の経験者は結局4人が外れることとなってしまいましたが、2年生世代を中心に新戦力の台頭があり、上級生からも叩き上げの選手が複数出てきました。監督や選手たちも話していましたが、ベストメンバーが組めなかった全日本で優勝を果たしたのはチームにとっても大きな自信となったでしょう。
箱根で勝つチャンスに勝っておかないと、再び優勝候補として箱根に臨みさらに勝ち切るのがいかに大変かということは前回13年ぶりの箱根優勝を果たした駒澤が一番分かっているはず。今回の箱根も優勝を狙える可能性の高い大学の1校ですし、箱根に向けて戦力も揃ってきました。2年連続の2冠というのはこの20年を見ても箱根4連覇を達成した駒澤、青学がそれぞれ1度だけあるのみ(青学は2冠&3冠を達成)ですし、大きな目標に向かって突き進んでほしいです!!
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コメント一覧
記事の導入部分、「本日は『中央大学』…」になっています。駒澤大学についての記事ですよね。
しゅうせいしました