東京五輪 10000m振り返り ~相澤が17位、伊藤が22位~
続いては、オリンピック10000mの結果を日本人選手を中心に振り返ります。レース結果はこのようになっております。一言で言えば、世界の恐ろしさを改めて見せつけられたレースと言えるでしょうか。日本歴代1,2位のタイムを持ち、前年度の日本選手権覇者と今年度の日本選手権覇者、最強の2人が世界に挑みましたが、それでも17位が最高順位という結果でした。
前半の5千は14分10秒ほどのスローペース、世界陸上やオリンピックはペースの上げ下げが激しく、スローペースになることもちらほらありますね。19時半とはいえ、蒸し暑いことも影響したでしょう。そんな中でも伊藤は早い段階で遅れてしまうことに。今年の日本選手権では別格の強さを見せていますが、今回の厳しいコンディションの影響もあり、その後もどんどん先頭集団とは差を広げられてしまい、最終的には周回遅れとなってしまい、29分1秒で22位という結果に終わりました。
今回出場した選手が25人、完走した選手が23人中22位ですから結果だけを見れば厳しいですよね。それでもラストの走りは印象的でしたし、最下位は0.61秒差で回避しています。まだまだ若い選手ですし、さらに力をつけて再び世界の舞台で戦ってくれれば。
相澤は5000m通過後も先頭集団の最後尾でなんとか粘っていましたが、終盤に向けて徐々に先頭とは離されていくことに。28分18秒で総合17位、前半がスローペースだったとはいえ、後半もペースダウンしていることなくまとめているんですよね。今回のレース展開・コンディションにおいて、ある程度力は出し切ったと言って良いでしょう。それでも、トップと35秒離されての17位というところからも、世界のペースアップの凄まじさが分かります。
優勝したエチオピアのバレガはラスト1000mが2分25秒、ラスト1周が54秒という凄まじいペースで27分43秒で優勝を果たしました。ラスト1000mも凄まじいですが、1周54秒で走ってしまうのが恐ろしいですよね。普段だと5000mでラスト1周を60秒を切れれば十分早いという印象ですが、1万mのラスト1周であのスピードは日本人ではまず見られないですよね。。。
さらに、2位のチェプテゲイ、3位にキプリモも27分43秒台で走っていてトップと1秒差無い状況、6番手でも27分47秒とバレガが一人抜け出ているわけではなく、全体として非常にハイレベルです。三浦が3000m障害で予選突破したときには1万mも…と期待しましたが世界の壁はやはり厚かったです。相澤も伊藤も今回の貴重な経験を今後につなげていって欲しいです!!
ディスカッション
コメント一覧
世界トップの選手の背中はまだまだ遠いと感じました。。。
せめてラスト1周まで集団に残っていたとかならば良かったのですが
その前に脱落してしまい…日本選手が入賞以上を手にするのはまだ無理そうです。
それでも2人とも大舞台で堂々と戦ってくれました。
今の日本長距離界はマラソン重視感がありますので、
トラックにも強化の手を伸ばしていかないと差は縮まらないかと思います。
マラソン選手の育成として駅伝が生まれたわけですし、世界で戦えるトラック選手を作れるような
大会や仕組みが必要になってくるのかな、と考えさせられるレースでした。
そうですね、よく走ってくれたと思いますが、それ以上に世界との差を感じました。
マラソン重視なのは間違いないですし、現状の差が埋まるとも思えない状況ですね。。。