第53回(2021年)全日本予選結果 ~1位:東京国際大学~
最後はトップ通過を果たした東京国際大学の全日本予選結果を見ていきます。組配置を見る限りは3組までかなり厳しいのでは?と思いましたが、特に2組が素晴らしかったですね。最終組はやはり盤石でしたが、新戦力の台頭も見せてくれました。ただ、エース級という点ではヴィンセントと丹所が抜けてしまい、3大駅伝に向けてはエース級の台頭も待たれるところです。レース結果はこのようになっております。
宗像が28位と苦しい走り、前年度は全日本、箱根ともに出場して中位でまとめていただけに、ちょっと力を発揮しきれなかった感じですかね。タイムも30分21秒でしたし…一方の生田も30位と下位に沈むことに…こちらはまだ3大駅伝・予選会で初エントリーでしたし、仕方ないところもあるかもしれませんがほろ苦いデビュー戦となってしまいました。1組で大きく出遅れてしまうことに。。。
しかし、2組では堀畑が6位、冨永が7位と二人揃って1桁順位で走り、一気に出場圏内にまで浮上しました。2年時に全日本に出場し、今年も5千で14分2秒と好タイムをマークしていますが、勝負レースでも結果を残してきました。冨永は高校時代から実績のある期待のルーキーの1人、ただ大学ではまだ目立った走りを見せられていないだけに、未知数な部分がありましたが早速結果を残してくれたのは大きいです。
野澤が9位と素晴らしい走り、3大駅伝・予選会に初エントリーの4年生、4年生は芳賀以外はなかなか出てこなかっただけに、野澤の台頭は大きいですね。タイムも29分26秒でベストを26秒も更新していますからね。初出場となる勝負レースで最高の走りを見せてくれました。3大駅伝も楽しみになってきますね。一方の村松は26位とまずまずかなあ。5千で14分1秒のベストではありますが、3大駅伝・予選会に初出場ですし、1万のベストが29分37秒に対して今回は5秒遅れの29分42秒というセカンドベストで走っていますから。2組で戻し、3組も凌いだことで通過はほぼ確実となりました。
ヴィンセントが最後まで他の留学生についてこられたのは意外でしたが、最後はしっかりと突き放して組トップの走り、27分50秒と好タイムで走っていますが、これでも物足りないと思ってしまうほどの圧倒的な力があります。全日本は3年連続ムセンビが走るのか、ヴィンセントが初めて出場するのかは分かりませんが、ヴィンセント起用となるとシード争いをしている大学は最後まで気が抜けませんね。。。
丹所も28分39秒で8位、日本人2位という素晴らしい走りを披露、関東インカレでも好走していましたが、もう他大の日本人エースと遜色のない走りを見せています。この圧倒的な成長具合は五輪代表を決めた先輩の伊藤を感じさせますね…在学中にどこまで近づけるでしょうか?そのくらい、今後が楽しみな選手です。ダブルエースの活躍で一気に上位校を逆転し、2年前と同様にトップ通過を決めました。
留学生はムセンビでもヴィンセントでも8区に起用することはほぼ確実でしょうから、丹所の起用区間が鍵になってきますね。理想は2番目に距離が長い7区まで温存したいのですが、そこまで残すには前半を中位で凌げる選手が複数必要になってきます。山谷や芳賀が完全復活を果たせば可能かもしれませんが、現実的には丹所は3区までの前半区間に起用されることになりそうかなあ。他の選手は今回の全日本予選に起用された選手がやや予想外だったこともあって予想しづらいですね…
少なくとも、全日本予選で好走した野澤、堀畑、冨永の3人はそのまま全日本でも見てみたいですね。特に4年生の野澤は個人的にはかなり期待しています。芳賀とともに最上級生がチームを盛り上げてほしい。前回走った3年生は丹所以外にも山谷、堀畑、宗像らがおり、今年度もチームの中心となることは間違いないでしょう。留学生も含めて何人起用されるかも注目です。
また、ルーキーも早速冨永が結果を残しましたが、持ちタイムでは上回る佐藤や白井、倉掛といった実力者たちも揃っています。全日本予選でエントリーされたのは白井だけでしたが、秋以降に誰が台頭してくるのかも楽しみ。東国大史上最もスカウトに成功した学年ですし、即戦力となってくれることが必須ではないですが、早い段階で戦力になってくれるに越したことは無いですからね。
2年生も村松、生田が苦戦したとはいえ全日本予選を経験できたのは大きいですし、持ちタイムでは川畑や林らが1万でタイムを伸ばしています。1,3年生が強いだけになかなか存在感を示すのが難しいかもしれませんが、この学年が力をつけていけばますますチームの総合力も上がってきますし、1人でも多く全日本を走って欲しいです。
前年度と比べても総合力は上回ると思いますが、シードを獲得できるかというと険しい道ではありそうかなあ。前回のシードを獲得した8校は強力ですし、そこに割って入る力があるであろう國學院や中央らも含めて8位以内に入らないといけないわけですからね。ただ、今回も組配置ではそれほど評価が高くなかったはずが終わってみればしっかりとトップ通過を決めていますし、全日本でも勝負強さを見せてのシード獲得もあり得そうかなあ。
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コメント一覧
東京国際としては、1位通過できた上に、中間層の底上げを結果に残せたのが大きいですね。新興勢力、強力な留学生がタイムを稼いでいる、失礼ながら大学自体の知名度が低い、と中長期的には不安が大きいわけで、勢いのある今のうちに日本人選手の育成力を向上し、それを中高生にアピールしたいはずですから。丹所選手や卒業した伊藤選手のようなエースはもちろん、中間層の育成方法を確立して欲しいです。
そんな中で気になるのは山谷選手ですね。関東インカレに出て、先日のホクレンにも出ていますけど、持ちタイムを考えると物足りないですよね。全日本予選を回避したというのも、勝負できる調子では無いということでしょう。中大の森凪選手のように、何かを抱えているんじゃないかと不安になります。
結果としてはそうですね、スカウトも良くなっていますし、
チームとしても良い方向に進んでいるようです。
山谷はちょっと復活は難しそうかなあと心配しています。