神奈川大学 2017年 出雲&全日本結果 考察

続いては神奈川大学について、出雲、全日本の結果を振り返りつつ、箱根への展望も書いていきます。出雲・全日本結果はこのようになっております。自己ベスト連発で前評判の高かった出雲、エース鈴木健を温存した中で出雲は山藤以外の主力は奮わず総合6位、一方でアンカーに鈴木健を残した全日本は誰一人崩れることの無い走りで見事に20年ぶりの栄冠を勝ち取りました。

 

出雲では1区山藤が区間賞こそ逃したもののトップと2秒差の2位と絶好のスタート、2区荻野も区間5位ながら何とか総合2位を死守したまでは良かったのですが…3区を任された主力の一人である鈴木祐が区間10位、関東インカレ5000m日本人トップなど強豪相手にも結果を残してきましたが、初の主要区間はほろ苦い走りとなりました。

 

4区以降も4区越川が7位、5区の宗が9位、アンカーの大塚も9位と揃って奮いませんでした。13分台~14分1桁のベストを持つ選手をズラッと揃え、全日本予選やその他勝負レースで結果を残していただけに前評判も高かったのですが…出雲ではちょっと噛み合わなかった印象です。

 

逆に全てが噛み合ったのが全日本。出雲に続いて1区を任された山藤がやはり最後まで先頭集団でレースを進め、トップと5秒差の4位と絶好の位置でタスキを繫ぎました。8区のスーパーエース鈴木健が他の日本人選手相手なら1分差はひっくり返せるだろうという計算が立ち、それまででいかに青学や東海と差を付けられないかが大事になってきます。

 

そんな中、トップのタイム差もさることながら、東海と30秒、青学と1分17秒差をつけたのは大きかったですね。出雲に続き主要区間を任された2区の大塚はトップと52秒差の区間7位とまずまずの走り、総合でも3位と1つ順位を上げました。最短区間である3区を任された荻野も出雲に続いて区間5位と上々の走りを見せました。トラックでの安定感、ロードでも見せていますね。

 

4区を任された鈴木祐も区間5位で総合4位をキープ、2位の東海とも12秒差と好位置をキープしました。このあたりから、神奈川の全日本制覇が現実味を帯びてくることに。そんな中、優勝の立役者と個人的に思っているのが越川、東海の湊谷、青学の下田相手では苦戦も予想された中、チーム唯一の区間賞となる会心の走り、区間2位の湊谷とも21秒差をつけて単独2位に浮上、トップとの差も11秒と一気に縮めてきました。

 

3大駅伝のデビュー戦となった安田も区間4位と上々の走り、トップにたった東海との差もわずかに1秒、先頭集団でタスキを渡しました。4年生に次ぐ戦力を誇る2年生ですが、3人がいずれも好走を見せてくれました。こうなってくると、7区を走る大川の役目はいかに先頭との差を最小限に抑えるかということ。ここで区間4位、東海とは差をつけられましたが、それでもわずかに17秒差ですからね。十分な走りだったと思います。

 

そして迎えた最終区、絶対的エースの鈴木健は3km前にはもう先頭に追いつき、前に出て引き離す圧巻の走り、追い風だったとはいえ、57分24秒で走ってしまうのはやはりレベルが違いますね。区間賞のニャイロともわずかに18秒差、区間3位の川端とは1分35秒の差をつけてきました。総合でも大会歴代2位の好タイムで優勝、エースも主力も中堅どころも揃ってその力を発揮してくれました。

 

青学と東海の間に割って入ってきた神奈川大学、箱根では3強の一角として数えられることになるでしょう。箱根では前回同様に1区山藤、2区鈴木健となりますかね。こうなれば、2区終了時に前回同様トップに立っている可能性は高いですね。それも前回以上の差をつけて…1区を山藤以外で凌げれば、さらに戦力を温存出来て面白そうですが、リスクも高いですね。

 

往路の主要区間は前回走っている越川、大野に出雲、全日本の主要区間を任された鈴木祐、大塚あたりが候補になってきますかね。6区は鈴木祐が前回走っていますが、2年連続で任せるのはさすがにもったいないですし…選手層では青学や東海にはまだ及ばない状況なだけに、大事になってくるのはまずベストメンバーを揃えること、そして出雲、全日本に出場していない選手からどれだけ底上げ出来るかですね。

 

まずは主力を投入してくるえあろう往路で往路優勝、そして勢いそのままに復路でもトップの位置を守っての総合優勝というのが理想的なシナリオですかね。全日本の走りを見ていると、箱根でもひょっとして…という期待が高まりますし、ライバルたちも手強いですが、箱根でも全日本のような走りを披露し、神奈川大の強さを見せてくれれば!!

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