第100回(2024年)箱根駅伝 早稲田大学 区間配置予想 ~全日本から立て直し、前回3秒届かなかった5位へ~

本日は早稲田大学について、区間配置予想及び戦力分析をしていきます。前回の箱根はやや出遅れるも3区井川の快走で総合5位に浮上、その後は一度も総合7位以下に下がることはなく往路5位、総合でも6位と1区間も崩れない安定した走りで2年ぶりのシード獲得を果たしました。今年度の出雲では2区終了時で3位と好スタートを切るもその後は苦戦して総合6位、全日本では3区終了時で3位も4区以降で苦しい走り、8区でアクシデントもあり総合10位でシード落ちとなってしまいました。エントリーメンバー箱根成績(直近5年)はこのようになっています。

4年生:辻 文哉、菖蒲 敦司、北村 光
    栁本 匡哉、佐藤 航希、諸冨 湧

3年生:石塚 陽士、伊福 陽太、菅野 雄太、伊藤 大志

2年生:間瀬田 純平、山口 智規、宮岡 凜太

1年生:工藤 慎作、長屋 匡起、山崎 一吹

順当なメンバーとなりました。出雲・全日本を回避した佐藤も上尾ハーフで好走して戻ってきましたし、出雲で好走&全日本を回避したルーキーの長屋も入っていますし、全日本でアクシデントのあった伊福も1万で28分台をマークして復活と個人的に気になっていた選手がしっかりとメンバー入りを果たしましたからね。正直、15人までは故障や不調が無ければほぼ間違いないと思っていて16番手争いが気になっていましたが…


柳本が入ってきましたね。前回16人に入った須山や6区候補の1人で1万でもタイムを出した藤本らと争ったかと思いますが…2年前に6区を走っていて5千でも好走した柳本が勝ち取りました。最上級生が多い一方で全学年が3人以上揃うということで、学年バランスも良くなってきました。全日本後には1万やハーフでタイムを伸ばす選手も出てきており、チーム状態は上がっているように思えます。そんな早稲田大学の区間配置予想は以下の通りです。

区間配置予想

間瀬田②ー山口②ー石塚③ー佐藤④ー伊藤③
北村④ー伊福③ー工藤①ー菖蒲④ー菅野③

~往路~

1区は間瀬田、前回は区間14位でしたが全日本では1秒差の1区2位と快走を見せ、一気に期待が高まってきました。あの走りを見たら箱根の1区も2年連続で間瀬田に任せたくなりますよね。前回は正直繋ぐ1区でしたが、今回は攻める1区にしてほしいところ。


2区は山口、前回経験者の石塚の状態がなかなか上がらない一方で山口は全日本に上尾ハーフに結果を残しています。本人もエースとして勝負したいという話をしていましたし、エース区間の2区を任せるに今最も相応しいのは山口なのでは。


3区は石塚、駅伝シーズンはやや苦戦していますが27分台のベストを持つ実力者、状態が上がっていればもちろん2区を走ってもおかしくありません。ただ2区を山口に託すのであれば3区石塚と並べての起用が強力そう。


4区は佐藤、ここが悩ましいところで新戦力の抜擢も見てみたいのですが…上尾ハーフを見ても復活してきており、前回区間6位で走っている佐藤を復路に回してまで起用されそうな選手はいなそうということで2年連続の佐藤としました。


5区は伊藤、最もタイム差がつく最重要区間、ここを他の選手に任せるのはリスクが大きいですよね。前回も区間6位で走っていて、今年度はさらに力をつけています。前回以上の走りは十分期待出来ますし、最も計算出来る区間の1つです。

~復路~

6区は北村、こちらは10区間で最も鉄板でしょう。北村に何かしら問題が無い限り、前回区間3位で走っている選手を外すことは考えられません。前回も早稲田は6区で3位に浮上して勢いづきましたし、復路のスタートに北村がいることによる安心感は計り知れません。


7区は伊福、全日本ではアクシデントがありましたが、その後は28分台をマークして問題無いことを示しました。前回も8区10位で走っていてさらに走力はアップしていますし、重要度の高い7区も今の伊福なら任せられるかなと。


8区は工藤、出雲・全日本とらしくない走りが続いていますが、トラックシーズンまでは世代トップクラスの活躍を見せていました。調子も上がっているという話でしたし、箱根でも10人に入る可能性は高そう。期待のルーキーを早稲田はこれまでも8区に起用することが多かったので、今回も8区としています。


9区は菖蒲、前回は区間9位と良い走りを見せてくれました。早稲田は9区にスピードタイプを起用するのを好む傾向がありますし、仮に9区でシード争いに巻き込まれていたとしても、菖蒲が控えてくれれば安心ですし、上位争いならばそこで競り勝つ走りを期待して9区としました。


10区は菅野、全日本は6区11位と苦戦しましたが、これはレガシーハーフを走っていたことも影響していたでしょうし、これまでもずっと安定した走りを見せてきた選手、今年度は3部門全てで持ちタイムを伸ばしていますし、2年連続で10区を任せるにふさわしい選手です。

~展望~

8~10番手の争いが熾烈で悩ましいですよね。長屋も復活していれば当然10人に入ってくるのでしょうが…長屋も工藤も4区はさすがに怖いですし、9,10区という長距離区間は考えにくい。7,8区と連続でルーキーを起用することは早稲田はこれまでもずっとしてきていないですし、どちらかは外れると予想しました。他にも宮岡はハーフで好走していますし、辻も4年になって復活の走りを見せています。復路はギリギリまで調子を見極めることになるのでは。


往路は基本的に前回の経験者+山口が起用されると思っていますが、そこに割って入るような選手が出てくればチームにとっても大きいです。佐藤を復路の9区に残せるのが理想な気もしますし…山が伊藤、北村と何の不安も無いのも大きいですね。今回の箱根では5区、6区のどちらかに好走経験者を有している大学は多いですが両方となると早稲田と駒澤くらいですから。


全日本の苦戦でちょっと評価が下がっているように思える早稲田ですが、個人的にはそれほど心配はいらないと思っているんですよね。早稲田は今のチーム状況だと全日本はあまり合っていないと思っていましたし、さらにベストメンバーを組めなかったので…往路も山も揃っていますし、主力を欠くようなことが無ければシード争いに巻き込まれることもないかと。ハマれば前回の6位を上回ってもおかしくないと期待しています。稼ぐべき区間で稼ぎ、全区間で崩れることのない安定した前回のような走り、見せて欲しいです。