第100回(2024年)箱根駅伝 駒澤大学 区間配置予想 ~史上初2年連続の3冠へ~

本日は駒澤大学について、区間配置予想及び戦力分析をしていきます。前回の箱根は4区終了時にトップに立つと、復路は中央とのデッドヒートを制して悲願の3冠を達成、全区間5位以内という抜群の安定感を見せました。今年度は出雲、全日本ともに1区から1度も先頭を譲らずに2冠を達成、全区間3位以内、半分の区間で区間賞という前年度を上回る強さを見せました。エントリーメンバー箱根成績(直近5年)はこのようになっています。

4年生:鈴木 芽吹、白鳥 哲汰、花尾 恭輔、赤津 勇進
    安原 太陽、金子 伊吹、赤星 雄斗

3年生:篠原 倖太朗、小牧 波亜斗、吉本 真啓、庭瀬 俊輝

2年生:佐藤 圭汰、伊藤 蒼唯、帰山 侑大、山川 拓馬

1年生:小山 翔也

出雲、全日本に出場した8人は順当にエントリー、あとは世田谷ハーフ、上尾ハーフで結果を残した選手、そして山候補の選手で揃っています。監督も現時点で調子の良い順と語っており、連覇に向けて盤石のエントリーと言えるでしょう。その一方で2年前の箱根で1区2位だった唐澤、前回の箱根で10区2位だった青柿の2人を欠くこととなりました。


前回の箱根以降姿を見せていない青柿は仕方ないと思っていましたが、唐澤も残念ながら間に合わず…1区唐澤、10区青柿を起用出来れば完璧な区間配置が組めたはずですが、2人の穴をどのように埋めるのかというのが駒澤にとっての課題となります。それでも箱根で優勝するために必要な3つと言われるエース力、山、選手層のいずれも全大学でトップクラス、優勝候補筆頭なのは間違いありません。そんな駒澤大学の区間配置予想は以下の通りです。

区間配置予想

太陽④ー芽吹④ー圭汰②ー篠原③ー山川②
伊藤②ー庭瀬③ー赤星④ー花尾④ー赤津④

~往路~

1区は太陽、ここが最も悩ましいところですね。今回はハイペースになる可能性もあり、全日本時点でチーム8番手以降だった赤津、庭瀬、白鳥の起用は正直怖いんですよね…かといってエースの篠原を1区は出遅れる心配がほぼなくなりますが出雲のように後続を引き離せるかは分からず、無駄遣いのリスクもある。それならば個人でも2年連続3冠を唯一狙う太陽というのはどうかなあと。スタミナもついてきましたし、経験も豊富、ラストの切れ味もありますから。


2区は芽吹、ここは篠原との2択でしょうが監督も芽吹が2区の予定という話を以前していましたし、八王子LDで芽吹が篠原を上回ったというのも後押しになったのでは。4区でも5区でも好走していてアップダウン、特に上りが得意なのも2区に合っていますからね。


3区は圭汰、本人も2区はまだ自信が無いという話をしていましたが、前半突っ込んで後半粘る圭汰の走りに合っているのは3区でしょうし、前回も万全であれば3区を走っていたはず。長い距離は監督も本人も心配いらないと話していますし、その圧倒的なスピードを箱根でも見せてくれれば。


4区は篠原、1区で多少のリスクを背負ってでも篠原は4区が良いと思っています。今回は4区にエース級を起用出来る大学は多く無さそうなんですよね。準エース区間に篠原を起用出来るのは平地で最大のアドバンテージとなる可能性を秘めていますし、リスクに見合うリターンはあるかと。


5区は山川、最低でも区間新記録を出さないと区間賞は厳しいと言われるほどに過去最高レベルの争いとなりそうな5区、そんな5区で区間賞を争えるのが山川なのでは無いかなと。出雲、全日本では他の日本人選手を寄せ付けない走力を見せていますし、1年の全日本以降唯一の失敗レースが上りが奮わなかった前回の箱根だと思っています。上りでも下りでも力を発揮出来れば十分区間賞も狙えるかと。

~復路~

6区は伊藤、優勝を狙う大学は6区に経験者がいない中で前回区間賞を獲得している伊藤がいるのは駒澤の大きなアドバンテージ、ここを手放す必要は無いですよね。山川や伊藤を平地に起用しなければいけないほど、選手層が薄いわけでも無いですし。


7区は庭瀬、上尾ハーフで良かった白鳥か庭瀬のどちらかは最低でも起用されると思うのですが…今年度はずっとハーフの距離で安定していて、上尾ハーフでは軽い故障や転倒がありながらも好走した庭瀬になるのかなと。ほぼ変わらないのであれば3年以下が起用されるべきというのもあります。


8区は赤星、前回も区間4位で走っている区間、今年度の活躍ぶりを見れば4区や9区を任されてもおかしくないかなと思いますが、近年は8区のレベルが上がっていていますし、ここに赤星を起用出来るというのも駒澤の強みですし、2年連続で任せるのが良さそう。


9区は花尾、上尾ハーフで復活の走りを見せた実力者、往路を走ってもおかしくは無いですが本人も復路希望ということですし、長い距離も抜群の強さを誇るだけに復路のエース区間である9区を担うのがチームにとっても安心かなあ。7~9区のどこを走ってもおかしくないかと。


10区は赤津、全日本では1区区間賞と見事な走りを見せた一方で上尾ハーフでチーム最下位となったことで評価が難しいところですが…全日本から合わせるのが難しかったことや腹痛のアクシデントがあったようですし、そこまで心配しなくても良いのかな。全日本の走りからすれば箱根1区もありだと思いますが、復路の23km区間を任せるという選択肢もあるのでは。

~展望~

1区がとにかく悩ましいんですよね。唐澤がいない状況、篠原、赤津、白鳥と言った1区経験者に庭瀬も1区を力が発揮出来る区間としています。赤津、白鳥、庭瀬らを起用して多少凌ぐ1区にするのかそれとも篠原を1区にして出遅れを防ぐのかの選手起用は悩ましいところ。私は準エース級を起用するのがバランスが良いと考えています。


篠原が1区なのであれば、リスクを取るのは5区ではなく4区にすべきだと考えています。5,6区に山川、伊藤という前回好走&今年度さらに力をつけている2人がいることが駒澤の箱根における最も有利な点だと思っているので。例えば4区に山川ではなく花尾や赤星を起用するという戦略ならば1区篠原もありかなあと。


白鳥は出場する可能性は十分あるのですが、復路だとすると7区以降の暑さがやや気になること、さらに2度出場していずれも2桁順位と苦戦しているのが気になります。帰山、小牧は6区候補だと思いますが、先述の通りリスクを背負う必要は少なくとも今回の箱根ではありません。来年度を見据える可能性もゼロでは無いですが、2年連続3冠の可能性を少しでも減らす戦略は取らないのでは。


花尾も状態は上がってきているようですし、金子も5区や復路を任せられるだけの力がありますからね。選手層の厚いチーム状況を考えても復路は任せられる選手は多く心配はいらなそう。優勝を狙う全ての大学がマークしてくるであろう状況で、往路をどんな布陣で来るのか、どんな走りを見せてくれるでしょうか。


優勝争いの中心にいる大学であることは間違いなく、2年連続3冠を狙う中でプレッシャーも非常に大きいでしょう。優勝候補筆頭と言われるチームがそのまま箱根で勝ち切ることがどれだけ難しいかはこれまでの箱根を見ていても良く分かります。それでも芽吹ら有力選手が揃った最強世代が最終学年となる今年度は新たな歴史を作る千載一遇のチャンスですし、3大駅伝の歴史上どの大学も達成していない2年連続の3冠、3大駅伝6連勝を是非とも達成して欲しいです。

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