第55回(2023年)全日本大学駅伝 戦力分析&区間配置予想 ~早稲田大学~

続いては、前回の全日本で6位、出雲でも6位だった早稲田大学の全日本大学駅伝における戦力分析と区間配置予想を行っていきます。エントリー一覧過去5年成績はこのようになっております。出雲は3年生以下で臨み、ルーキー2人を試しながらも、もはや定位置となっている6位をキープ、全日本に向けても期待の持てる結果となりました。

4年生

1年の全日本で1区6位と好走、それ以来の3大駅伝出場を狙う辻、前回の全日本では6区15位、関東インカレ3000m障害では3連覇を達成している菖蒲、全日本は3度目のエントリー、前回の箱根では6区3位と快走している北村、前回の箱根では8区5位と好走、マラソンでも優勝するなど長い距離で結果を残している佐藤、1年の全日本では6区8位、5千で14分2秒のベストをマークし1年の箱根以来の3大駅伝出場を狙う諸冨、関東インカレ1500mでは7位入賞、2年の箱根では6区19位で走っている柳本の6人。

3年生

前回の全日本で3区3位、出雲で3区7位で走っているエースの石塚、前回の全日本で7区5位、出雲では1区4位といずれも快走しているエースの伊藤、前回の箱根で10区10位、レガシーハーフで63分18秒で走っている菅野、前回の箱根で8区10位、レガシーハーフでは63分1秒で走っている伊福の4人。

2年生

前回の全日本では4区3位、出雲でも2区3位と3大駅伝では全て区間3位以内で走っているエースの山口、前回の全日本では1区11位、出雲では5区5位で走っている間瀬田、レガシーハーフで63分29秒のベスト、箱根に続いてエントリーを果たした宮岡の3人。

1年生

5千で13分50秒のベストを持ち、出雲に続いてのエントリーとなった山崎、5千で13分56秒、1万で28分31秒のベストを持ち、出雲では4区10位で走っている工藤、ハーフで64分29秒のベストを持ち、出雲では6区6位と好走している長屋の3人。

現状のベストなエントリーと言って良いでしょう。純粋にこれまでの実績や持ちタイムをベースに16人を選んだ場合、今回のメンバーになる気がします。故障者もいないという話でしたし、全日本に向けても期待が高まります。ただ戦力差は大きく、出雲に出場した選手と4年生が全日本でも中心となってくるかな。そんな早稲田大学の区間配置予想は以下のとおりです。

区間配置予想

菖蒲④ー山口②ー石塚③ー工藤①
間瀬田②ー長屋①ー伊藤③ー佐藤④

1区は菖蒲、早稲田の全日本1区と言えばルーキーで5大会連続で1区を起用しているのですが…工藤も長屋も1区タイプでは無いと思うんですよね。前回1区を走った間瀬田もいますが、2年時の出雲で1区2位で走っている菖蒲を1区で見てみたいかなあ。ラストの切れ味も抜群ですし。


2区は山口、3年連続で井川が担っていた区間、早稲田は2区を比較的重視していますし、スピードもあってエース格の山口としました。出雲でもしっかりと走れていましたし、前半から先手を取っていきたいですからね。


3区は石塚、前回も区間3位で走っている実力者、出雲はちょっと奮わなかったですが、全日本にはしっかりと合わせてきてくれることでしょう。長距離区間への起用も十分あり得ますが、前回好走した選手も残っていますし、3区に石塚がいる安心感もありますからね。


4区は工藤、出雲は区間順位こそもう一歩でしたがそこまで悪い走りでは無かった…4区は前回山口が走るなど期待のルーキーが起用されることも多い区間ですし、アップダウンもあるこの区間が工藤には合っていそう。

5区は間瀬田、出雲では区間5位と上々の走りを見せてくれましたし、全日本でも起用が有力視されます。1区で無ければ5区あたりかなあと。4,6区にルーキー予想なので、その間は実力者に任せたいというのもあります。ルーキーを並べるのはリスクも高いですし。


6区は長屋、出雲では見事な走りで一気に評価を高めました。元々高2まではトップクラスの実力者、3年時は故障で苦労しましたが大学1年目では見事に復活しましたね。長い距離ですでに強さを発揮していますし、3番目に長くスタミナ勝負にもなる6区が合っていそう。


7区は伊藤、前回区間5位で走っていますし、出雲でも見事な走りを見せていたことを考えると、この区間をあえて変える必要は無さそうかな。2年以降はスピードにスタミナも安定感も身に着けてきましたし、エース区間も安心して任せられます。


8区は佐藤、こちらも前回は区間5位で走っている実力者、長い距離での強さにはさらに磨きがかかっていますし、マラソンでも活躍するなど距離は何も心配いりません。最長区間を任せるにふさわしい実力者です。

展望

基本的には出雲を走った6人+補員だった菖蒲、佐藤がそのまま走るというのが理想なのかなと思っています。新戦力を試すのであれば、他の起用もあるかもしれませんが…区間配置も前回3,7,8区という主要区間を好走した選手が揃っているのが安心感がありますね。気になるのは1区くらいかなあ…5年連続でルーキーが走っていますが、耐える1区ではなく攻める1区にしていきたいところ。そうすれば3区終了時で好位置につけることも可能ですし。


長い距離で期待される選手は伊福、菅野、宮岡など多いですが全日本の距離となるとなかなか8人に入ってくるのは難しそうで…状態が上がっていれば辻や山崎がメンバー争いに入ってくるかも…というくらいかなあ。ある程度メンバーは固定されそうです。それは早稲田の強みでもあり不安要素でもありますが…ルーキーが早速複数人戦力となっているのは大きいです。出雲では関東勢で起用されたルーキーはわずかに5人、2人起用したのは早稲田だけですし。


全日本に向けての現実的な順位目標は前回の6位を最低限として、3~6位あたりが目安になるかなあ。早稲田は出雲で苦戦することが多い一方で全日本ではしっかりと合わせてくる傾向があります。早稲田が3大駅伝に安定して出場出来るようになった2007年度以降、出雲よりも全日本の区間順位が悪かったのは2018年度の1回しかありません。この時はルーキーを4人起用するなど、かなり戦力的に厳しかった時で出雲10位、全日本15位、箱根12位とこの15年で最も苦しんだ年度でしたからね。


それ以外は悪くても出雲と同じ順位で走っていることを考えても6位以内では入ってくるのではという期待感はありますよね。実際、山口や石塚あたりはそこまで出雲で状態が上がっていなかったようですし、全日本ではこれまで同様にグッと状態を上げてきてくれることでしょう。早稲田は3大駅伝で6位というのが近年は定位置になっていますが…戦力が揃う今年度の全日本ではそこを上に脱却する走りを見せて欲しいです。

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