第55回(2023年)全日本大学駅伝 戦力分析&区間配置予想 ~東京農業大学~
続いては、全日本予選を5位通過で14年ぶりに全日本出場を決め、箱根予選でも11位で10年ぶりの箱根出場と今最も勢いのある東京農業大学の全日本大学駅伝における戦力分析と区間配置予想を行っていきます。エントリー一覧はこのようになっております。
箱根予選では4年連続でチーム2番手、全日本予選で4組18位、箱根予選では30位で走っている並木、1~3年時はいずれもチームトップの走り、全日本予選で3組2位、箱根予選ではチーム4番手の67位だった高槻、全日本予選では2組25位、箱根予選では10番手の195位で走っている長谷部、2年時の箱根予選ではチーム7番手、今回は8番手の183位で走った田中。
5千で14分29秒、1万で30分28秒のベストを持ち、2年の箱根予選で362位で走っている浅海、全日本予選では1組25位、箱根予選ではチーム最下位の304位と苦しい走りになった松本、箱根予選には3年連続の出場、7番手の175位と過去最高順位で走った吉村颯の7人。
箱根予選には3年連続で出場、チーム11番手の227位で走った高山、全日本予選では2組20位、箱根予選でも9番手の189位で走っている実井、1年の箱根予選ではチーム8番手、今回はチーム5番手の155位と上々の走りを見せた田岡の3人。
全日本予選で1組22位、箱根予選ではチーム6番手の166位で走っている深堀、全日本予選で3組31位、箱根予選ではチーム3番手の61位で走っている原田、箱根予選は未エントリーも1万で29分32秒のベストを持ち、1年時にはチーム5番手で走っている圓谷、1万で29分49秒のベストを今年度マーク、1年時の全日本予選で2組38位で走っている吉村智の4人。
全日本予選では4組3位、28分3秒と圧倒的な走りを披露で日本人トップ、箱根予選でも日本人トップ9位、東農大を全日本、箱根に導いた最強ルーキーの前田、高校時代に5千で14分14秒、ハーフでは64分55秒をマークしている植月の2人。
全日本予選、箱根予選に出場した選手は全員エントリーされていますので、順当と言って良いでしょう。箱根予選では改めて前田が強さを見せつけましたが、続く選手たちもよく走りましたよね。並木、高槻のダブルエースだった前年度までから前田がNo.1エースとなり、原田も加わって4本柱となってきたのも大きいですし、チームの底上げも進みました。そんな東京農業大学の区間配置予想は以下のとおりです。
並木④ー前田①ー高槻④ー深堀②
実井③ー田岡③ー原田②ー長谷部④
1区は並木、前半からエース級を並べていくのが良いでしょうし、箱根予選で2番手だった並木で好スタートを狙うのが良さそう。箱根でも1区候補の1人ですし、まずはスターターを全日本で経験しておくことも含めて。
2区は前田、長距離区間への起用もあり得ますが、6区終了時ではさすがにチームは下位にいるであろうことを考えると、他大のエースと競り合う可能性が最も高い2区が良いかなと。箱根も2区が有力ですし、まずはスピードのあるエースが揃う2区でその力を存分に発揮して欲しいところ。このオーダーならば2区終了時で先頭付近にいてもおかしくないですし。
3区は高槻、主要区間の1つですし3本柱を惜しみなく1区から投入していくのが駅伝を経験するという点でも良さそう。箱根予選は万全の状態では無かったようですが、そこから3週間空けばある程度状態は上げていけるのでは。3本柱がどれだけ全日本出場校相手に渡り合えるのかが楽しみです。
4区は深堀、3本柱を前半に投入するのであれば基本的に4区以降は耐える区間となるはずですが…深堀は1年時から全日本予選で最終組を担うほどの選手ですし、今年度も勝負レースで結果を残していますから、大きく離されることも無いのでは。
5区は実井、箱根予選は9番手でしたが5番手ともあまり差は無いですし、全日本予選で2組20位で走っているのも高評価です。全日本予選で活躍した選手が全日本も出場して欲しいというのもあります。箱根予選がもう一歩だったのも踏まえて負担の少ない5区としました。
6区は田岡、箱根予選では5番手と上々の走り、トラックのタイムは他の選手に比べると劣るということもあり、長距離区間に次いで3番目に長い6区の方が力を発揮出来そうかなということで6区としました。
7区は原田、前半にエースを起用といっても長距離区間に7,8番手の選手を起用となるとさすがに苦しくなってしまうので…せめて箱根予選で快走した原田くらいは残しておきたいかなあ。来年度は前田とともにチームを牽引していく立場になりますし、ここでエース区間を経験させておくのも良さそう。
8区は長谷部、最長区間は最上級生に任せる可能性が高そうということと、全日本予選でも2組25位と崩れることなくまとめた実績も踏まえて長谷部としました。箱根予選は10番手というのはやや気になりますが、長い距離で粘ってくれれば。
全日本予選は5位通過、関東勢だと13番手とうい位置になりますし、実際にチーム力としてもその位だとは思うのですが…シード校にも負けないエースを擁しているというのが東農大の大きな魅力です。予選会で日本人選手に負けなしのエース前田が優勝候補のエースたち相手にどれだけ戦えるのかと考えるだけでワクワクします。そのためにも、前田は前半区間を走って欲しいですしい位置で繋いでほしいんですよね。
最も良い順位を狙うのであれば7,8区に3本柱を残すのが可能性が高いでしょうが、そうすると関東最下位付近をずっと走ることになりそうですし…戦力的に劣る大学は前半から主力を起用してくることが多いので、東農大も同じような区間配置と予想しました。久しぶりの3大駅伝出場ですし、全日本予選や箱根予選の走りを見れば13位以内ならば上出来といったところかなあ。14年ぶりの全日本出場ですし。
前年度までは増枠があっても箱根予選通過は難しいだろうという状況だったのが、スーパールーキーの加入で一気に全日本、箱根両方の出場を果たしてしまうのですから、この1年間での劇的な変化が分かります。スーパールーキーに感化されてチーム状況が一気に上向くというのが他大学でも見られることですし、この勢いを今後にも繋げていって欲しいですよね。特に前半は大いに伊勢路を盛り上げてくれそうなチームですし、まずは久しぶりの3大駅伝を楽しみつつ1つでも上の順位を目指して欲しいです。