第100回(2024年)箱根予選 戦力分析 ~日本体育大学~
続いては前回の箱根で17位だった日本体育大学について、箱根予選の戦力分析を行っていきます。箱根予選で私が重視しているエース力、選手層、予選会力、持ちタイムの4項目を中心に見ていきます。
エース力は前回の箱根出場校でも下位であることは否めないかな。箱根1区9位の山崎、3区10位の漆畑がダブルエースとして君臨していますが、安定感という点ではちょっと物足りなさも感じてしまいますし…ともに稼ぐ役割は担ってくれるでしょうが、大量の貯金は見込みにくい。
そして続く3番手が誰になるのかも悩ましいところです。箱根予選の走りでは大森が続いており、ハーフでも62分39秒と山崎に次ぐ2番手のタイムを持っていますが、箱根では10区14位…箱根で山崎、漆畑とともに往路の平地区間に起用されたのは分須ですが4区最下位、3大駅伝・予選会で好走と呼べる走りは1度も見せられていませんからね。エース力不足というのは今年度の日体大における大きな課題の1つです。
選手層は着実に厚みを増してきました。これまでに名前が挙がったのが4人、さらに箱根予選で2桁順位で走った田中、田島、平島、山下らは今年度も十分に計算出来そう。ここに関東インカレハーフで入賞した浦上、山口を含めればもう10人揃います。持ちタイムではともに1万で28分台のベストをもつ高濱、住原に全日本予選に出場した杉本、富永、溝上、箱根で6区10位で走っている内山らもメンバー争いに絡んでくるはず。ハーフの距離で結果を残している選手が10人以上いるというのはチームにとっても大きいですし、12人の出場争いも激しくなりそう。
予選会力は…全大学でNo.1だと思っています。戦力が苦しいと思われても中位で通過する圧倒的な予選会力、箱根予選におけるチーム戦略も戦略通りに遂行する実行力もありますし、その一方で状況に応じて柔軟に対応する走りも出来ていますからね。前回の箱根予選で10人ゴールするのが最も速かったのがこの日体大でした。あそこまで集団走が崩れないのは素晴らしいですね。しっかりと終盤にペースアップも出来ていましたし、日体大の予選会における強さを改めて感じました。
持ちタイムは24大学中5千が16位、1万が17位、ハーフが15位と平均16位で±1しか変わらないですね。箱根予選だと6番手喰らいということになり、持ちタイム通りの戦力という印象かなあ。ハーフは62分台が山崎、大森の2人いるものんお、63分台が4人しかいないですからね。主力級以外は記録が狙えるハーフを走っていませんし、まだまだタイムを伸ばせそうな選手は多いのですが。
箱根予選に向けては、先述の通り予選会に合わせる力、予選会での強さを考えると通過は問題無いでしょう。前年度、エースを含む主力を欠きながら5位通過した時点でもう日体大が箱根予選落ちするところは想像出来ません。唯一あるとすれば、選手も感じていた連続箱根出場への圧倒的なプレッシャーでしょうか。初出場から75大会連続出場を続けており、初出場からの連続出場は全大学最多です。
そして「初」に限らない連続出場も中央の連続出場が2016年度に止まったため、日体大がこのまま連続出場を続けていけば近いうちに最多記録を更新することになります。この箱根連続出場は止まったら最速でも更新出来るのは、80年以上先になるわけですから…歴史の重みを感じます。中央はむしろ連続出場が止まってから再び強さを取り戻しましたが…日体大も過度なプレッシャーを感じずに箱根予選に臨み、いつも通りの予選会の安定感を発揮し、過去4大会で3度17位と苦戦が続く本戦での好結果に繋げていってくれれば。