第35回(2023年)出雲駅伝に向けて ~箱根優勝:駒澤大学~

続いては前回の箱根で優勝した駒澤大学についてです。過去5年の出雲結果はこのようになっております。前回は1区花尾が2位と好スタートを切ると、2区圭汰で首位に浮上、その後も安定した走りで区間賞3つ、区間2位3つで後続の追随を許さず、9年ぶり4度目の優勝を果たしました。

~区間配置~

駒澤の区間配置で最も気になるのは圭汰を起用出来るかですね。杭州アジア大会5000mに出場、しかも日程は10/4の夜です。時差が1時間しか無いのは救いですが、10/5に日本に戻ってきたとして10/9に行われる出雲に出場出来るかというとかなり厳しそうな気が…万全の状態で出場となれば前回走った2区、状況によっては走る可能性のあった3区あたりになるはずですが…出場しても2区か出場しない可能性の方が高そうです。


となると3,6区は篠原、芽吹の2人に任せるのが無難かなあ。前回芽吹が6区だったので2年連続となれば篠原が3区か…どちらにしても非常に強力な布陣となります。1区はいくつかパターンがありそうですが…前回1区2位で走っている花尾か3大駅伝全てで1区を希望している復活を遂げた唐澤の2人がまず候補となってくるかな。花尾はトラックシーズン故障で姿をあまり見せなかったのが気になりますが、駅伝での安定感は抜群ですし唐澤もトラックレースでは強さを見せていました。


他には太陽という選択肢もあったりするのかな?これまでは主要区間は厳しいかなという印象だったのですが、今年度はユニバ5000mなど安定して強さを発揮していますし、ラストの切れ味は抜群です。出遅れ厳禁の1区に誰を起用するのか…複数人候補はいますし、調子の良い選手を起用出来れば。つなぎ区間も候補は多いですが…仮に唐澤、篠原、芽吹が主要区間を担う&圭汰を起用出来ないとなると…2区は安原が良いかなあ。2年前に走っていますし、スピードを活かせますし。


残るつなぎ区間は先述の花尾であったり、箱根優勝メンバーである山川、伊藤らがまず候補となってくるか。個人的には島根出身の伊藤が出雲を走るというのも見てみたい気がします。関東インカレに出場し、5千でベストを更新した白鳥、赤津といった4年生もメンバー争いに絡んでくるか。基本的に出雲のメンバー争いはエース級を除くと関東インカレに出場した選手が中心となってきそうです。

~展望~

優勝候補の一角を担うのは間違い無いでしょう。圭汰を起用出来なかったとしても、他に主力で故障や不調者がいなければ、主要区間もつなぎ区間も非常に強力なメンバーを組むことが出来ます。理想は前回のように1区でトップ付近でタスキを繋ぎ、2,3区あたりで先頭に抜け出してそのまま逃げ切るという展開でしょう。それを実現可能なだけの選手は揃っていますし、十分に出雲2連覇、3大駅伝4連勝も狙えます。


その一方で個人的には不安要素もいくつかあるんですよね。まず駒澤は出雲を苦手としていること、それも優勝候補と言われているときの方が勝てていない気がします。前回の優勝時も優勝候補筆頭では無かったですし、2013年に出雲を勝ったときも設楽兄弟、田口、服部兄弟を擁する東洋の方が強いと言われていました。逆に駒澤が優勝候補と言われた時に何度も前半区間で出遅れてそのまま敗れるということがこの15年で何度もありました。


また、大エースの田澤が卒業したというのも影響は大きいです。1年時から3大駅伝フル出場&その全てでエース区間を担い、チームを何度も優勝に導きましたからね。田澤抜きで3大駅伝優勝したのは2014年の全日本まで遡りますし、エースが卒業して最初の3大駅伝で優勝するのは容易では無いかなあと。もちろん、卒業後も頼れるエースたちは揃っていますが、田澤がいるということによる精神的な安心感はやはり違いますからね。


前年度3冠を達成したことによって、駒澤が特にマークされるというのもあります。前年度は出雲の東国大、全日本の駒澤、箱根の青学と前年度優勝校が優勝候補と言われていましたが、今年度は中央や國學院、青学など3大駅伝優勝を狙う大学からも真っ先に駒澤の名前が3挙がりますし、それだけマークされる中で大きなプレッシャーがある中で勝つというのもまた難しいんですよね。


優勝候補筆頭は中央かなと個人的に思っていますし、駒澤が最も勝つ可能性が低いのは間違いなく出雲でしょう。それだけ出雲に向けては不安な点が多いです。それでも前人未踏の2年連続3冠に挑むためにも絶対に負けられないですし、前年度のような強さを再び見せて欲しいです。

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