青山学院大学における2019年度と2023年度の共通点について

はじめに

今年度の青学を語る際、4年前、2019年度と状況が似ていると何度か書いてきました。具体的にどのような共通点があるのかを述べていきます。ちなみに2019年度は近藤・岸本世代が1年時であり、出雲、全日本は優勝を逃したものの、箱根では2年ぶり5度目の優勝を果たした年度です。

卒業生の穴の大きさ

2019年度、卒業したのは全日本、箱根ともに走った5人で森田、橋詰、小野田、林、梶谷となっています。森田、小野田は箱根で区間新記録をマークしており、林も2年連続の区間賞、チームの中心学年として活躍していました。この学年が抜けたことで青学の戦力ダウンは大きいのではと言われていました。4年の鈴木、竹石、3年の吉田圭、岩見、2年の飯田らが残りましたが竹石、岩見は箱根で苦しい走りだったこともあって、なおさら卒業生の大きさを感じていたはず…


2023年度、卒業したのは近藤・岸本世代、全日本では8区間中6人、箱根では10区間中7人といずれも同学年の出場人数としては少なくとも青学が箱根復帰して以来最多となります。目片、近藤、横田、脇田、西川、岸本、中倉の箱根出場メンバーに全日本に出場した中村、宮坂も含めて4年時に3大駅伝を走った9人が揃って抜けました。この穴の大きさは2019年度以上だと思いますが…上級生となってからチームを支えてきた世代が卒業したという共通点があります。

前年度の箱根


2018年度は、出雲・全日本を制して箱根5連覇&3冠がかかっていた箱根でした。前評判では圧倒的な優勝候補で、正直優勝争いに加わる大学は青学以外にないと思っていたのですが…その青学を止めたのが黄金世代が3年時だった東海大学、青学が4区,5区で苦戦する一方で1区間もブレーキなく、区間賞が1つも区間2位が5区間もあり、青学は復路の区間賞3つ、区間2位が2つで復路で追い上げるも及ばずに2位となりました。



2022年度は、近藤・岸本世代が4年時であり箱根連覇がかかっていました。圧倒的な強さで前回の箱根を制していたこともあって出雲までは箱根連覇は極めて可能性が高いと思われていましたが…体調不良の影響もあって5,6区で大苦戦、7区以降で巻き返したものの、総合3位となっています。一方で駒澤は3年生世代を中心に区間賞は1つですが、区間2位が3つ、区間3位が3つを含む全区間5位以内という抜群の安定感で3冠を達成しました。


前年度の箱根では力のある4年生を中心に優勝候補筆頭だったものの優勝を逃していること、優勝を果たしたのは3年生が中心の大学であり、引き続き優勝候補として君臨していたことが共通点として挙げられます。

4年生

2019年度の4年生は鈴木、竹石らが結果を残していましたが、箱根に3年時までに出場したのは2人だけ、3年の出雲では生方が5区2位、全日本では吉田祐が5区区間賞で走っていますし、決して弱くは無かったですが、生方も吉田祐も3年までの3大駅伝出場は1度だけ、少なくともチームを牽引するような世代では無かったです。


2023年度の4年生は佐藤一世が現状抜けている状況、志貴は2年時の箱根で1区5位と快走を見せたものの3年以降は奮わず…もう1人の3大駅伝経験者である山内は1年の全日本が唯一の出場で以降は3大駅伝の出場がありません。前年度の全日本、箱根も出場したのは一世のみで卒業生の影に隠れていた状況…今年度もチームの中心と目されているのは太田、若林、鶴川らを擁する3年生世代です。


4年生の3大駅伝での実績が一部の選手を除いて乏しい、特に箱根経験者は3年時までに2人しかいないという共通点があります。2023年度がどうなるかはまだ分かりませんが…2019年度の箱根を牽引したのは4年生でした。全日本でもチーム最多となる3人が出場、そして箱根では3区4位の鈴木、4区区間賞&区間新の吉田祐、6区3位の谷野、7区4位の中村とこれまた最多となる4人が出場して全員が区間4位以内の快走を見せました。


特に吉田祐の走りは大きく優勝を手繰り寄せるものでしたし、谷野、中村も差を詰めたい東海との差を最小限に留めて優勝に貢献しました。箱根初出場の4年生3人がここまでの走りを見せるとは箱根まで思ってもいませんでしたし、この再現を今年度の青学が見せるのでは?と怯えているんですよね。3大駅伝未出場の選手には倉本、小原、佐々木、松並など4年生になって結果を残している選手もいますし、最初で最後の箱根で爆発する選手がまた出てくる可能性も十分あるかなあと。

トラックシーズン

2019年度のトラックシーズンは奮いませんでしたが…それはもう監督としてもチームとしても想定内で、普段ならばスピード練習をしているような時期にも長い距離を中心に走り込んでいて、もうずっと箱根だけを見据えていたという話をしていました。結果として出雲や全日本にチームとしては合わせきれませんでしたが、箱根だけは完璧に合わせてきて優勝を奪還しました。


2023年度のトラックシーズンは1500mや3000m障害では活躍を見せましたが、5千や1万で活躍を見せたのは鶴川、一世の2人くらいでした。自己ベストを更新した選手も優勝候補と言われる大学に比べて少なかったですし、記録が狙えるレースの出場も少なかったです。関東インカレハーフが奮わなかったのはやや気になるところですが、今年度も3大駅伝全てを狙いに行くよりも、箱根だけに標準を絞っているのでは無いかなあと。前年度と比べてトラックシーズンに活躍を出来ていないというのも共通点なのかなあと。それが逆に不気味なんですよね。

さいごに

こうして見てみると、やはり似ている点は多いですよね。ただ、似ているからといって箱根での快走まで再現出来るのかは分かりませんが…前評判の高くない青山学院が弱かったことなんて無いですからね…箱根で初優勝して以降、2年連続で優勝を逃したことが無いというのは未だに続いています。それが今年度も続くのであれば、2年ぶり7度目の優勝を果たすことに。


単純に考えれば、あれだけ強かった世代がいたのに最終学年で勝てなかった、その抜けた穴はまだ埋められていないと選手たちも話している状況、新入生が1年目から出場する可能性は低いと監督も語っていて即戦力となるのは厳しそう。一方で駒澤、中央、國學院ら優勝を狙う大学は戦力ダウンがいずれも青学より小さく、トラックシーズンも好調…そんな状況で箱根優勝なんて現実的に狙える目標ではないはずなのですが…それでも箱根の青山学院は決して侮ってはいけない存在だと警告するのが、今年度と共通点の多い2019年度のチームが箱根で見せた圧倒的な強さなのです。

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