2023年度 トラックシーズンにおけるベスト更新&ルーキー活躍状況 ~國學院大學~

続いては國學院大學について、トラックシーズンの結果をトップ10でベスト更新した選手及びルーキーの走りを振り返ります。トラックシーズンで最も活躍した大学にもルーキーが最も活躍した大学にも國學院の名前は挙がってくることでしょう。4~6月は新戦力が台頭、7月はエースが快走ともう國學院が走るたびに3大駅伝優勝が近づいているようにさえ感じられます。そのくらい充実のトラックシーズンとなりました。

順位名前学年5千ベスト更新日
1位國學院大學 山本 歩夢313:34.8523/07/08
2位國學院大學 伊地知 賢造413:40.5123/07/16
3位國學院大學 青木 瑠郁213:48.6122/07/18
4位國學院大學 平林 清澄313:55.3021/05/04
5位國學院大學 上原 琉翔213:56.8421/04/25
6位國學院大學 辻原 輝113:56.9223/04/23
7位國學院大學 田中 登馬213:57.1423/05/20
8位國學院大學 三潟 憲人313:59.3322/07/16
9位國學院大學 原 秀寿314:00.0222/04/24
10位國學院大學 板垣 俊佑314:00.9323/05/20
5000m:16点(1、2、6、7、10位)  ※前年:19点、2年前:14点

エースの1人である山本が13分34秒でベストを12秒更新、國學院記録でチームトップに浮上しています。さらに伊地知が13分40秒と従来のベストを29秒も更新し、チーム2番手となりました。伊地知の5千は走力に全く追いついていませんでしたが、ようやく見合うタイムとなってきましたね。さらにルーキーの辻原が13分56秒と高校ベストから22秒も大学で更新し6番手。


田中登が13分57秒とベストを12秒更新してチーム7番手と13分台ランナーも8人まで増えてきました。これでもまだ國學院の走力を考えると少なく感じてしまいますよね。板垣も14分0秒でベストを18秒更新、3年世代からまた1人楽しみな選手が台頭してきました。トップ10のうち5人がベストを更新、そして9人が3年生以下というのが来年度への期待をさらに高めるんですよね。過去2年を見てもずっと安定してトラックシーズンはベストを更新していることが分かります。

順位名前学年1万ベスト更新日
1位國學院大學 平林 清澄327:55.1523/07/08
2位國學院大學 山本 歩夢328:16.9223/07/16
3位國學院大學 伊地知 賢造428:29.9522/07/18
4位國學院大學 青木 瑠郁228:32.9023/07/16
5位國學院大學 上原 琉翔228:36.4423/04/22
6位國學院大學 高山 豪起228:43.5123/07/16
7位國學院大學 板垣 俊佑328:51.6123/07/16
8位國學院大學 後村 光星128:52.4623/07/16
9位國學院大學 嘉数 純平228:58.4422/07/18
10位國學院大學 鶴 元太329:07.5321/10/24
10000m:24点(1、2、4~8位 ) ※前年:16点、2年前:19点

平林が27分55秒とベストを17秒も更新、5千の山本に続いて1万で平林が國學院記録保持者に。まだまだ余裕がありそうな力強い走りでした。山本も28分16秒でベストを25秒も更新、チーム2番手となっています。5千も1万もハイレベルなタイムをマークしています。さらにエースの1人となった青木が28分32秒でチーム4番手、上原が28分36秒でチーム5番手と3年生のエースコンビに続いて2年生のエースコンビも好タイム&高順位に。


さらに箱根を走った高山が28分43秒、板垣が28分51秒と5千につづいてトップ10でのベスト更新、ルーキーの後村が28分52秒でチーム6~8番手でのベスト更新と5千以上に大盛況な自己ベストラッシュとなりました。5千同様に1万もトップ10のうち4年生は伊地知のみ、1年も1人だけということで2,3年生の充実ぶりが分かります。過去2年はいずれも16点以上と悪くないのですが、それを遥かに上回る24点、トップ10のうち7人が自己ベストを叩き出してきました。

ルーキー

國學院のルーキーは楽しみな選手は揃っていたものの、そこまで評価は高くなかったと思うのですが…都大路で快走している後村は1万で28分台のベストをマークと大学でも存在感を示し、吉田も29分9秒のベストを初の1万で叩き出しています。14分3秒とこの学年トップのタイムを持つ田中愛はやや出遅れていましたが、1万でこれまた29分9秒をマークしていますし、1万ではこの3人が存在感を示しました。


5千では1万でもタイムを伸ばした後村が14分1秒をマークしているほか、辻原が13分56秒と学年トップタイムをマーク、野中が14分2秒と13分台や14分1桁でベストをマークする選手が多かったですね。5千で14分10秒切り、1万で29分10秒切りのベストをマークした選手が6人もいるのは頼もしすぎます。関東インカレでも悪くない走りを見せていますし、國學院の3大駅伝優勝に1年目から欠かせない学年となりそう。

総評

23大学中、5千の16点は単独8位、1万の24点は堂々の単独1位、合計の40点は単独3位となっています。網走夏季記録挑戦会で國學院の自己ベストラッシュは圧巻でしたからね。持ちタイムに合わないタイムを持っていた実力者は一通り好タイムをマークしたことで、5千も1万もトップ5は伊地知、平林、山本、青木瑠、上原の5人が占めることに。今年度の國學院は3本柱(伊地知、平林、山本)や4本柱(+青木瑠)と呼ばれることが多いですが、上原も主要区間で快走すれば5本柱と呼ばれているかも…


4月→現時点における上位10人の平均タイムで見てみると、5千では13分59→13分53秒と6秒ベストを更新し、12→10位と2つ上げてトップ10に入ってきました。1万は29分0⇒28分38秒と22秒もタイムを更新、順位も12→5位と7つも上げています。最も順位を上げたのも國學院ということになりますね。少なくとも1万の持ちタイムはある程度戦力を反映してきたかな。


関東インカレでは1500mで鈴木が3位と表彰台に上がり、5千で青木瑠が5位に入ったのはさすがの走りでしたが、辻原、野中のルーキーコンビもしっかりと決勝に進んだのが良かったですね。ハーフでは高山が5位入賞を果たしていますし、エース級が欠場の中で青木瑠と高山が特に存在感を示しました。勝負レースでも記録会でも國學院の強さをしっかりと見せたトラックシーズンだったと言えるのでは無いでしょうか。


3大駅伝に向けてはもう3位以内を狙うチームでは無いでしょう。優勝候補筆頭では無いかもしれませんが、その一角を担う大学であり、3大駅伝の1つは優勝したいと監督も話していましたからね。最も優勝する可能性が高いとしたら、エース力とスピードの求められる出雲よりも、山が大事になる箱根よりも全日本になるのかなあ。


来年度は3大駅伝で優勝候補筆頭になるでしょうし、勝つことが求められると思いますが……勝負の年に勝つのが大変なことはここ数年の大学長距離界を見ていれば良く分かります。前年度は出雲、全日本で2位、箱根で4位と3大駅伝で最も好結果を残した1年となりました。戦力充実の今年度も優勝するチャンスは十分にあるでしょうし、前年度を上回る走りで2019年の出雲で優勝して以来の3大駅伝優勝、期待したいです!!

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