第５５回（２０２３年)全日本予選結果　～失格：中央学院大学～

近田が１０位と好スタート、関東インカレハーフでも５位入賞を果たしている実力者ですが、トラックでも力のあるところを見せてくれました。一方の工藤は２６位ということでもう一歩だったかなあ…１年の箱根で６区４位と快走して以降、１万で２８分台をマークしたりはしているものの、なかなか勝負レースで結果を残せていないのは気になるところかなあ…近田とも３０秒近く離されていますからね。

ルーキーの前原が８位と見事な走り、すでに１万で２９分２３秒を持つ期待のルーキーですが、１年目からこの走りは素晴らしいですね。１年目から即戦力として活躍を見せてくれそう。柴田も１８位、前原とは１１秒差ですしこちらもまずまずかなあ。すでに１万で２８分台のベストをもっているものの、３大駅伝・予選会はエントリー自体初めてでしたからね。初めての舞台でしっかりと走ってくれました。

最も合計順位が良かったのがこの３組、飯塚は前回３組１５位で走っていますが、今回は４位で走っているのも素晴らしいです。持ちタイムを着実に伸ばしていますが、安定感も増してきましたよね。主力の１人としてチームを牽引する存在です。ルーキーの稲見も飯塚と７秒差の９位ですから快走と言って良いでしょう。２８分５３秒を初１万で叩き出している実力者、復活を目指すチームにおいて稲見＆前原というルーキーコンビの存在は頼もしい限りです。

２年連続の最終組となった伊藤は２２位と前回の１７位からは５つ順位を下げたものの、２９分１４秒で走っていますし、悪くない走りでしたよね。あまり姿を見せていなかった伊藤が復活してきたのはチームにとっても非常に大きいです。１万で２７分５８秒を持つエースの吉田は熱中症でふらふらになってしまい、コースの内側に足を踏み入れたとして失格となってしまいました。


これはチームとしての戦略ミスだったと私は思っています。３組終了時で５位と通過圏内、最終組は吉田＆伊藤という２年連続のエースコンビ、何も無理する必要は無かったのに留学生の先頭集団に喰らいついていきましたからね。熱中症はさておき、失速するリスクは当然上がりますし、無理せずに日本人集団でレースを進めるべきだったと。結果として全日本出場は１０年連続で途絶えてしまうことになりました。

全日本出場を逃したことで残る３大駅伝出場のチャンスは前回逃した箱根のみ。中央学院の戦力を考えれば１３校と増枠になった今回の箱根予選通過は何も問題無いはずですが…そんなに甘いものではないことは選手が一番分かっているでしょう。トップ通過候補の１校にも挙げられた３年前、通過有力と思われた前回、この３年間で２度箱根出場を逃していますからね。近年は箱根予選で苦戦が続いています。


ベストメンバーで臨めていないのも苦戦している理由の１つ、前回も伊藤は出場出来ていませんし今回は稼ぐ役割を期待したいところ。エースの吉田は前回失速してしまいましたが、本来であれば日本人トップを争うべき選手の１人、同じく前回は苦しい走りとなった飯塚、近田あたりも上位で走る力がありますし、走ってもらわないと困りますね。個人的には関東インカレハーフで好走した近田に特に期待しています。


前回下位に沈んだ工藤、堀田らも含めて走るべき選手が力を出し切れなかったというのが予選落ちの一番の要因でした。前回の反省・悔しさを今年度はチームとして活かして欲しいところ。そして新戦力として楽しみなのはやはりルーキーですね。稲見、前原は全日本予選という勝負レースでその力を証明しましたし、１年目から箱根予選でも上位で走って欲しい選手たちです。前回チーム３番手、ハーフで６２分１７秒を持つ安藤や全日本予選を走った柴田らもいますし、戦力は充実しています。


後はいかにして箱根予選に合わせるかですよね。中央学院が箱根予選を通過するのにお最も重要かつ最も不安な要素です。前回はあれだけ苦戦しても１２位だったわけで、今年度の枠ならば通過ということになります。正直、よほどのことが無い限り中央学院の予選落ちは無いと思いますが…それでも何があるか分からないのが予選の恐ろしさ、ここ数年の苦しい状況から這い上がるためにもまずは今年度の箱根予選を危なげなく通過し、箱根に繋げて欲しいです。