第55回(2023年)全日本予選結果 ~9位:神奈川大学~
続いては9位だった神奈川大学の全日本予選結果を見ていきます。前回の全日本予選では完璧な走りでトップ通過だった神奈川大学でしたが、今回は1組で苦戦した一方で大きく稼ぐ組がなく一度も通過圏内に入ることが出来ませんでした。結果として前回の全日本出場&箱根不出場だった神奈川、中央学院、日大の3校はずれも今回予選落ちということに…レース結果はこのようになっております。
中原は1組14位とまずまずの走り、持ちタイムからすればもっと上位で走って欲しい選手ですが、3大駅伝・予選会で好走した経験はまだ無いですし、悪くない走りだったのでは。一方の飯塚は32位と崩れてしまうことに。中原とも33秒差をつけられていますし、結果としてエース力よりも総合力で戦うチームにおいて、1組で苦戦したのが最後まで響くこととなってしまいました。3大駅伝・予選会初エントリーとはいえ、去年の駅伝シーズン以降、自己ベストを連発していた期待の選手なのですが…
佐々木が9位、宇津野が10位と2組は安定感のある二人がともに10位以内でフィニッシュしました。佐々木は故障に悩まされることも多いですが、出場すれば結果を残してくれる選手ですね。関東インカレハーフ6位入賞などロードに強いですが、トラックでも結果を残しています。宇津野は勝負レースで全く外さない強さが魅力的、今回もしっかりとまとめてくれました。2組の展開で大きく稼ぐのは難しかったですし、ある程度狙い通りの走りが出来たのでは。
高橋が8位で走ったのは良かったですね。最も活躍していたのは1年時で2年時以降はなかなか姿を見せないことも多かったですが…今年度は5千で13分台のベスト、そして全日本予選でも結果を残しました。前回出場出来なかった箱根予選に向けても大きな戦力となりそう。巻田も15位で高橋とも3秒差とさすがの走りを見せています。2年連続で最終組を担っていることを考えると物足りないかもしれませんが、今年度はなかなか調子も上がっていなかったですし、そんな中でよく走ってくれたのでは。
今年度のエースである小林篤は17位、28分台で走っていますしこれ以上を望むのはなかなに難しいかなあ。いくら自己ベスト連発しているとはいえ、他大のエースも強力ですからね…エースの役割は果たしてくれたと思います。宮本は前回1組2位と快走を見せている選手、今回は最終組に抜擢されて27位、29分26秒というタイムを見てもこちらもしっかりと走ってくれましたよね。今年度の走りは小林篤に次ぐものでしたし、最終組も納得の起用でした。
こうしてみてみると、明らかに苦しかったのは1組だけなんですよね。2,3組は4人とも15位以内で走っているのに通過出来ないのは、全日本予選における大エースの影響の大きさを感じます。今回予選落ちした通過有力校はエース力よりも総合力で勝負する大学が多かった気がしますし。前回出場した全日本出場を逃したことで、残るは箱根予選のみ。
神奈川大学も戦力的には箱根予選で苦戦するチームでは無いのですが…前回は主力を複数欠き、さらに当日エースの山崎を起用出来なかったことが響いで11位の次点で予選落ちとなりました。今回もベストメンバーに近い布陣が組めるかがとにかく大事になってきます。全日本予選に出場した8人のうち、少なくとも2組以降の6人はそのまま箱根予選にも出場することになるかな。中原は2年連続でチーム11番手以下、飯塚はまだ長い距離での実績が無いのが気になるところですが、そのスピードを長い距離でも保てれば大きな戦力となります。
今回の全日本予選に出場しなかった実力者では、山田が前回チーム6番手、尾方が7番手で特に尾方は1万で28分台のスピードがあります。ともに140位台だったこともありますし、さらに上位で走って欲しい選手たち。復活が待たれるのは小林政、箱根4区10位で走った実績のある選手ですが、前回の全日本以降はほぼ姿を見せていないのが気がかり。前回の予選はチーム11番手ながらも箱根8区10位で走っている大泉も期待したい選手の1人です。先日の記録会では高潮、酒井ら2年生が好走、期待のルーキーである滝本、新妻も悪くない走りを見せました。
4年生が12人中半分どころか8人を占めてもおかしくないほどに戦力が揃っていますが、前回の箱根も全日本出場も逃している中で来年度以降を見据えてと言っている余裕もありませんし、今年度は4年生に託すことになりそうかなあ。下級生が成長して出場してくれるのが理想ではありますが…4年生に主力が揃い増枠がある今年度の箱根予選で予選落ちをするわけには絶対にいきませんし、本来箱根予選では安定感抜群のチームですからね。前年度の全日本予選のような強さを箱根予選でも見せて余裕をもって通過を果たして欲しいです。