第55回(2023年)全日本大学駅伝に向けて ~前回2位:國學院大學~

続いては前回の全日本で2位だった國學院大學について、戦力分析及び展望を述べてきます。前回結果はこのようになっております。前回は1区こそ17位と出遅れたものの、2区山本が10人抜き、さらに5区青木瑠の区間賞の走りで総合2位にまで浮上、その後も安定した走りで3位以内をキープし、8区伊地知が青学を抜いて総合2位、この5年間で4度目のシードを獲得しました。

~前回からの戦力増減~

前回2位となったメンバーからは1区17位の島崎、3区6位の中西大、4区4位の藤本、6区6位の坂本と4人が抜けることとなります。有力選手がズラッと残っているのですが、実は8区間中半分が4年生だったんですよね、中西大を筆頭に抜ける影響は大きいですが…エースの中西大は出雲や箱根に比べると全日本では結果を残せませんでしたし、主要区間を走ったのも1人だけですから人数ほど戦力ダウンは大きくは無さそう。


そして、今年度の國學院の期待を高めているのが全体的な戦力アップです。3本柱の伊地知、平林、山本は揃ってホクレンで復活の走りを見せており、エース区間も安心して任せられる存在。青木瑠もすでにエースの一角ですし、前年度からさらに力をつけています。全日本メンバー以外では上原の存在がまず大きいです。箱根や関東インカレでも結果を残しており、青木瑠とともにこの学年を牽引する存在。関東インカレハーフで入賞した高山、箱根で好走した佐藤も含めたこの7人がまず中心的な存在です。


さらに、最も勢いがあるのはルーキーで1万で29分9秒をマークした吉田、5千で自己ベストを更新している辻原、野中、後村らも全日本出場を虎視眈々と狙っているでしょうし、一気にチーム力を高めてくれそうな学年です。もちろん2年生以上も活躍を見せており、4年では鈴木が1500mで好タイムを連発していてそのスピードを存分に見せていますし、3年では鶴、木村らが5千でベストを更新し、3大駅伝出場が待たれます。2年では田中登が13分台のベストをマーク、ハーフで快走している嘉数とともに2年の主力を追いかける存在です。


こうやって名前を挙げるだけでも8区間の倍の16人は出てきますし、総合2位に入った前年度よりもエース力・総合力で上回るのではないでしょうか。

~区間配置~

國學院は前回も2,3,7,8区という主要区間に4本柱をそのまま起用しましたし、今回も同様の区間配置になるのではないでしょうか。7,8区の平林、伊地知は2年連続で任せていますし3年連続になりそう。あるとしても、2人の区間が入れ替わるくらいなのでは。2,3区は山本、青木瑠と残る4本柱に託すのが良いのでは。これまた2区青木瑠、3区山本と入れ替わることはあっても、せっかく強力な4本柱を擁していて前回も上手くいっているのですから、あえて入れ替える必要は無いのでは。


むしろ國學院で気になるのは1区を誰にするかです。前田監督も話していましたが、前年度は3大駅伝全てで1区で駒澤に先行されるとそのまま優勝争いに絡むことなく敗れました。差を縮めたのは出雲4区の中西大、全日本5区の青木瑠だけで他は全てさを広げられています。2区以降で追いかける展開になるのは厳しいので、1区で優勝候補に悪くても互角でタスキを繋ぐというのが大事になってきます。


となると作戦はシンプルに2つ、4本柱以外で戦える1区を育てるか4本柱の一角を起用するか。4本柱以外ならば5番手の選手、現時点だと上原かなあと思っていますがつなぎ区間で最も重視すべきでしょう。4本柱に託すならばスピードもある山本とかが良いのかも。青木瑠は箱根でもう一歩でしたし…1区山本ならば2区青木瑠、3区上原のような布陣が考えられます。7,8区にエースを残しつつも1~3区で優勝争いに加われるかですね。


4~6区は今の選手層だと誰が走ってもおかしくないですが…あまりレースに姿を見せていないのは気になりますが万全ならば佐藤は全に日隠に入ってくると思うので…4区に佐藤、つなぎ区間で最も長い6区に高山、5区にルーキーで現状だと辻原あたりが第一候補になりそうかなあ。後村、野中、吉田ら誰が走ってもおかしくないですが、1人はルーキーを起用しておきたいかなあ。2年の嘉数、田中登らもありえますし、4~6区はその時点で調子の良い選手であったり箱根でも見てみたい選手が起用されるのではないでしょうか。

~展望~

優勝候補筆頭が駒澤なのは揺るがないと思いますが、その対校として最初に名前が挙がるのはこの國學院かもしれません。全日本は過去2大会で4位→2位と結果を残していますし、エースがトラックシーズンに強くなって戻ってきたこと、ルーキーの突き上げも激しいですしエース力も選手層もトップクラスとなってきましたからね。優勝を狙うとなると、特に大事になるのは1,2区か。駒澤はまた2区で抜け出してそのまま勝ち切る黄金パターンを狙ってくるでしょうし、國學院としてはそれを許したくないですからね。


7,8区のエース対決にまで勝負を持ち越せれば、今の國學院のエースたちならば優勝候補相手であっても良い勝負が出来そう。今年度の3大駅伝の中で國學院が最も相性が良いのは全日本かなと思っています。そこに立ちはだかるのが全日本を圧倒的に得意としている駒澤というのが厄介なのですが…それでも今年度の國學院ならば何とか渡り合えるのでは?という期待感があるんですよね。そのくらい、エースも新戦力もどんどん力をつけています。


國學院が本当に優勝を狙えるのは来年度になるかもしれませんが…勝負の年に勝てるかどうかなんてわからないですし、実際にここ5年の箱根は4年生中心の優勝候補がことごとく敗れています。3大駅伝で勝てるときに勝っておかないと次にいつ勝てるかなんてわからないですし、今年度の國學院は優勝候補筆頭では無くとも優勝する可能性のある大学の1校だと思います。戦力が充実して勢いのあるこのチームで全日本初優勝、勝ち取って欲しいです。

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