第５５回（２０２３年)全日本予選結果　～８位：立教大学～

合計順位が最も良かった組はこの１組でした。安藤が５位と見事な走り、箱根予選も２年連続チーム３番手で走っていますし、チームトップクラスの安定感を誇ります。吉屋も２０位ということでしっかりとまとめてくました。５千で１３分台のベストを今年度マークしていたとはいえ、１万ｍは３０分３４秒だったこの全日本予選が自己ベストですからね。６位と通過圏内につけてのスタートでした。

林が１２位と決して悪い走りでは無かったのですが…前回３組７位で走っていることを考えるともう一歩だったかなあ。稼ぐ役割が期待された選手だと思いますし…一方の忠内は１９位、林とも３秒差でまとめていますし、上々の走りだったのでは。２年前は３組１８位で走っていますが、その後は箱根予選でもなかなか結果を残せていませんでしたし、今回はさらなる浮上を狙うきっかけとなれば。２組終了時でも通過圏内ではありますが、最終組を考えるともう少しリードが欲しいところ。

結果として３組で稼げなかったのは最終組に負担をかけることになってしまったかなあ。ただ、３組で稼がなければいけないことは分かっていた山本が、抜け出した３人の先頭集団に加わったのは良い判断だと思います。結果としては３人の中で途中で遅れてしまい２２位まで後退してしまったものの、チーム状況にあったレースだったかと。馬場は１６位ということで前回の３組２４位からも順位を上げていますし、悪くない走りだったのでは。

関口は２９分８秒の１９位、前回の１５位からは順位を下げてしまったものの、これ以上の走りを求めるのはなかなかに厳しかったのでは。よく走ってくれたと思います。國安は２８位ですが前回の３０位からは順位を上げ、タイムも２９分２６秒と関口と１８秒差ですからね。こちらも持てる力は発揮してくれたのでは。３組終了時で６位だったものの、東国大のベット、東農大の前田、国士館のカマウというエースの走りで逆転を許すこととなりました。

エースへの依存度が大きい全日本予選に比べると、箱根予選は総合力で勝負する立教は相性が良いでしょう。前回は６位通過で箱根予選を走ったメンバー１２人が残っていることを考えても、戦力的には２年連続の予選通過は有力です。國安、関口のエース格に中山、安藤、林と前回７０位以内で走っている選手が５人、前回は１５０位以下だった内田、忠内、服部らはその後の走りを見てももっと上位で走れるでしょう。


その一方で気になる点が２つあります。１つは近年は箱根初出場、返り咲きを果たした大学が戦力は充実していたにも関わらず翌年度は予選落ちしているということ。創価は出場した翌年度の方が戦力は上と言われていましたし、東国大も創価同様に３年生以下が中心のチームで戦力ダウンは大きくありませんでした。筑波も３年生中心で箱根予選を突破したものの、翌年度は一方届かず…


この戦力で予選通過出来たのだから翌年度は大丈夫だろうという慢心があったのか、予選通過して満足してしまった部分もあるのか…立教も同じようにならないとは言い切れないですからね。目標よりも１年前倒して予選通過を果たしましたが、今年度通過できる保証は無いですし引き締めて箱根予選に臨んでくれれば。


もう１つはこの３年間は面白いように自己ベストを更新し、新戦力が台頭していたのが今年度はそこまで目立った走りが出来ていないこと。好タイムをマークしているのは３大駅伝・予選会の経験者ばかりで未経験者やルーキーがメンバー争いに割って入ってきそうな気配が今のところ無いんですよね。この状況が改善されないとまた同じようなメンバーで箱根予選に臨むこととなりチーム内の競争が失われてしまうかも…


戦力的には心配無いのですから、気になるとすればそれ以外なんですよね…逆に言えばしっかりと箱根予選に合わせることが出来れば、前回を上回る上位での通過も狙えるでしょうし、今後の継続的な強化のためにも連続出場を逃すわけにはいきませんからね。全日本予選で次点で予選落ちという悔しい結果をバネに箱根予選では危なげのない走りで予選通過を果たして欲しいです。