第５５回（２０２３年)全日本予選結果　～２位：大東文化大学～

最も合計順位が良かったのがこの１組、完璧なレースでした。先頭集団に２人残っている大学は複数ありましたが、最後の最後まで残っていた大東大は佐竹がトップに２秒及ばずも２位、入濱も佐竹に４秒遅れるだけの４位ですからね。当然１組終了時では全体トップですし、最高のスタートを切りしました。佐竹は前回の箱根６区６位も含めて勝負レースでずっと安定した走りを見せているのが頼もしい。入濱は本来であれば前回同様に３組を走ってもおかしくない選手ですが、１組に起用出来る選手層の厚さも大東大の大きな武器です。

ワンジルは２組に起用するのが最も合っていると思いますし、少なくとも最終組を回避するのが妥当ですね。そして、２位集団がスローペースになったことも幸いし、なんと全員を周回遅れにする状況になりました。その後はペースアップした選手もいたことで最終的に全員周回遅れとはなりませんでしたが、２位に５９秒もの大差をつけることに成功しました。小田は勝負レースで結果を残せておらず、個人的にも不安視していたのですが２９位は何とかまとめてくれたかなあ。ただ予選会でもう少し目立った走りを見せないと、３大駅伝出場はかなり厳しいように思えます。

２組終了時でもトップとさらに余裕は出来ましたが、３組も安定した走りでしたね。関東インカレ５０００ｍで入賞にあと一歩と迫った西川が５位と快走、箱根予選はこれまで苦戦していただけに、勝負レースで続けて結果を残せたのは大きいです。エース格になって欲しい選手。西代も西川と５秒差の１１位は上出来でしょう。前回の１組４位に続いて２年連続での好走、ますます通過を盤石なものとしました。スカウトは苦戦したと言われている３年生が最も活躍を見せているのが凄いです。

エースの久保田は２８分５０秒で１３位、前回は６位だったのでそれよりも順位は落としてしまいましたが、今回は無理をする場面でも無かったですし、しっかりとエースの役目を果たしてくれたのでは。危なげのない走りでした。もう一方の大谷がどれだけ戦えるかが気になっていましたが、２９分２０秒の２５位でまとめたのは良かったですね。３大駅伝・予選会のいずれも崩れることが無いんですよね。安定感の頼りになる選手ですが、全日本予選の最終組も任せられるほどに成長を遂げたのはチームにとっても大きいです。

前年度は記録会で好結果を連発しましたし、予選会でも強さを見せましたが全日本は１４位、箱根は１６位と本戦ではいずれも結果を残せませんでした。今年度は３大駅伝で結果を残せるかが焦点になってきます。全日本の８人は全日本予選に出場した８人＋菊地がまず候補となってくるか。前回は１区ワンジルでしたが、さすがにそれはもったいないと思うで…せめて２，３区で起用したいところ。エースの久保田も７，８区に残す余裕は無さそうなので、例えば２区久保田、３区ワンジルのような布陣が良さそう。


長い距離に強い大谷、今年度結果を残している西川あたりが７，８区の候補となってくるかなあ。大東大はエースよりも長い距離に強い選手を後半の組に起用しそうなので。つなぎ区間を見ていくと…１区入濱というのありかなあ。４区に箱根５区を走った菊地、５区に佐竹、６区に西代みたいな形でハマれば隙のない布陣となりそう。


ただ、前年度に比べると主力とそれ以外の戦力差は大きくなっているように思えるんですよね。３大駅伝・予選会を経験している選手はさらに力をつけている一方で、そこに割って入ってくる新戦力というのがまだ見当たらない状況…一気に選手層が厚くなった前年度のように新たに台頭してくる選手に期待したいです。特に入濱以外の下級生から出てきてくれるとチームとしても大きいです。


箱根予選もありますし、前回の１４位からいきなりシード争いに加わるのは現時点だと難しそうかなあ。２００６年で６位で走って以来、シードは獲得出来ていませんからね。ここ４大会はいずれも１４位以下ということで、１０～１２位くらいで走れれば上出来なのでは。予選会のような強さを全日本でも見せることが出来ればさらに上位に入ってきてもおかしくないですし、大東大の完全復活を印象付けるためにも本戦での好走を期待したいです。