第55回(2023年)全日本予選結果 ~1位:城西大学~
続いてはトップ通過だった城西大学の全日本予選結果を見ていきます。前回予選落ちの大学でも戦力は充実、さらにベストメンバーと言って良い布陣だっただけに通過は有力だと思っていましたが、それでもトップ通過を果たすとは思いませんでした。前年度の箱根予選、箱根、そして今年度の全日本予選と勝負レースで結果を残し続けているのは頼もしい限り。レース結果はこのようになっております。
林がラスト勝負を制して見事に組トップと好スタート、前回の箱根7区9位で走っており、元々中距離でラストの切れ味も抜群ですからね。素晴らしい走りでした。桜井は今回出場した8人の中ではまだ力不足かなあと思ったのですが…しっかりと11位でまとめてきましたから、何も心配いらなかったですね。2年時になって1万でベストを更新するなどさらに力をつけていますし、今後はさらなる活躍を見せてくれそう。
最も合計順位が良かったのがこの2組、大東大のワンジルが一人抜け出した中で3位に山中、4位に平林ですからもう完璧なレースだったと言って良いでしょう。山中は前回の箱根で10区6位、平林は9区6位と23km区間を1桁順位と好走している2人ですが、山中は3年連続で全日本予選は10位以内の好走、平林も28分台のベストと長い距離だけでは無くトラックでも強いです。2人とも実力を考えれば3組を任されてもおかしくないですし、揃って2組に起用出来る城西の選手層が強力です。
あまり姿を見せていなかった野村は勝負レースの実績はあってもいきなりの3組でどうかと思っていましたが、何も心配いらなかったですね。それどころか3人抜け出していた集団を終盤に上回って見事に組トップの走りでした。野村も復活となると城西はますます盤石になりますね。斎藤は18位ということで最低限まとめたとは思いますが…前回の箱根で2区を走っている実力者で1万も28分33秒を有していることを考えると、3組で8人中最も組順位が悪かったのは物足りない結果だったかなあ。激坂王をピークにその後はややチーム内で存在感が薄くなってきてしまっている気がします。
エースである山本唯が28分41秒で8位、日本人でも東海の石原についで2位ですしタイムも順位も申し分ないですね。箱根以降はあらゆる大会で結果を残し続けていますし、山登りだけではなく平地でも頼もしいエースです。キムタイは12位ということでこちらはもう一歩だったかな。関東インカレは5千、1万ともに2冠の実力者なのですが…スローペースのラスト勝負は圧倒的な強さを見せますが、ハイペースの展開になるのをあまり得意としていない印象…それでも28分49秒でまとめてトップ通過に貢献しました。
全日本予選はベストメンバーが組めたと思っているので、順当ならばこの8人がそのまま全日本に臨むことになるかも。3,4組を走った野村、斎藤、山本唯、キムタイの4人をそのまま2,3,7,8区という主要区間に起用するのが個人的には良いと思うのですが…城西はそんな起用はしてこないでしょう。2大会前は荻久保→菊地→菅原、前回は砂岡→菊地→菅原と3本柱をそのまま1~3区に起用してきています。
その流れでいくと、1区斎藤、2区山本唯、3区キムタイのような布陣になるのかなあ。ならば8区には野村を残しておきたいですよね。せめて山本唯を7,8区に残すだけでシード確率は上がると思うのですが…前半から攻める布陣となるのか、それともバランスの良さを重視するかに注目です。平林や山中を8区に残して7区に山本唯のようにエースを起用するパターンもあるかな。山本唯は3年前の1年時に7区を走っています。
残るつなぎ区間も前半から主力を投入するとなると、4区山中 or 平林、5区林、6区桜井のような起用もありそう。8人以外となると、1万の持ちタイムで唯一割って入ってくる中田、箱根4区を走った鈴木、6区を走った大沼、柴田を始めとしたルーキーの抜擢あたりがありそう。経験を積ませるか全力でシードを狙いに行くかチーム戦略も気になるところ。
充実の戦力を見ても、全日本予選会校の中でシードを獲得する可能性が十分にある大学の1校ということになるでしょう。5年前の2018年に8位でシードを獲得したのが過去最高順位のはず。今回は8位を上回ってのシード獲得もあり得ますからね。戦力が充実していて、全日本予選でトップ通過と結果を残した今年度、全日本でも城西の強さを存分に見せて欲しいです。