早稲田大学 来年度の箱根駅伝(2024年)に向けて

経験

続いては箱根で6位だった早稲田大学について見ていきます。今年度の箱根結果はこのようになっています。来年度も3大駅伝経験者が12人残ります。これは駒澤について2位タイという人数の多さ。今年度の箱根経験者も8人いますからね。山は5区伊藤、6区北村と好走した選手がいますし、すでに主力となっている山口が急遽箱根を走れなかったことを踏まえると、箱根は3年生以下が9人走っていてもおかしくなかったですからね。


経験という点では全大学でもトップクラスであり、早稲田の大きな強みです。石塚、佐藤らは往路で10位以内で走っていますし、伊福、菅野とたたき上げの選手が復路を区間10位で走ったのも来年度に向けて非常に大きい。唯一気になるのは、今年度の3大駅伝を走っていない経験者、辻、諸冨、柳本の3人がなかなか状態が上がってこないことかなあ。辻も諸冨も来年度はもう4年生ですが1年時が最も活躍していましたし、3人が再び実力で箱根出場を勝ち取るような状態になってくれば、選手層もグッと上がってきそう。

新戦力

3大駅伝経験者が豊富なだけに未経験者となると、16人に入ってくるのはともかく10人となるとまだまだこれからの成長次第というところかなあ。2年生以上となると、ハーフで65分14秒をマークした和田、65分15秒をマークした草野らに期待したいところ。1年は宮岡、須山がともに箱根16人に入ってきたのが大きいですね。元々高校時代に14分10秒台のベストを持っていた選手、宮岡は64分35秒をハーフでマークしていますし、須山も65分台ではまとめています。


既に結果を残している山口、間瀬田に続く1年生の台頭は必須ですし、来年度はエントリーではなく出場を果たしてくれれば。同じく14分10秒台のベストを持つ藤本も台頭してくれば、1年生も大きな戦力となりそう。そして楽しみなのは新入生ですよね。工藤、山崎と13分台のベストを持つ選手が2人、さらに14分6秒を持つ長屋も故障があったものの都大路での実績もある実力者です。


特に工藤は都大路3区で2度の快走とロードでの実績は世代でもトップクラスの選手、長屋も早速1万で29分50秒を入学前にマークするなど故障の影響はもう無さそう。山崎も1年時から都大路で活躍と1年目から3人とも箱根に出場してもおかしくないほどで、チームに貢献してくれそう。未知数な部分も多いですが、新戦力も楽しみな選手が揃っています。

展望

来年度の箱根は駒澤、中央が抜け、続くのが青学、國學院の2+2強だと思っているのですが…そこに続くのが早稲田なのでは。今年度も5位まではわずかに3秒でしたし、4位以内に入ってきても全然驚きは無いです。区間配置も予想はしやすいです。山は伊藤、北村が有力ですが、5区を任せられる選手が出てきて、伊藤を平地に起用出来れば平地はさらに強力な布陣となりますが、前回5区6位で走っている選手をコンバートするのは怖さもありますね。


間瀬田、石塚、佐藤、伊藤という往路出場者に山口を3区に起用すればこれだけで往路は埋まってしまいます。個人的には新入生の工藤はいきなり往路を走る力があると思っているので、先輩に割って入ってくれれば往路の出場争いも激しくなりそう。復路は6区北村が引き続き大きな切り札、伊福、菅野も引き続き復路が合っているでしょう。菖蒲は長い距離にも対応してきて往路も任せられそうですがどうなるか。調子の良い選手を往路に起用出来る柔軟性も来年度は出てきそう。


ここに宮岡、須山、山崎、長屋らが復路の出場争いに入ってくるのが順当かなあとは思いますが…一気に飛躍を遂げる予想外の選手が出てくると、ますます楽しみになりますね。現2年~新入生に実力者が揃っていて人数もある程度確保出来ていること、花田監督のコメントも見ると現2年が4年になったときが本格的に優勝を狙う一つのタイミングとなるのかなあ。ここは國學院も狙っているでしょうが、駒澤、中央の戦力が一旦落ちるはずで2年が強い早稲田にとってもチャンスのはず。


今年度の箱根をベースにしても箱根5位以内は狙えると思いますが…勝負の年に戦力がカチっとハマるわけではないことは、他大学を見ても中谷世代が4年時だった前年度を見ても明らかです。来年度は優勝争いも見据えつつの3位以内くらいが目標となってくるのでは?花田監督となってからチームは良い方向に進んできているように見えますし、本当に安定感が増しましたよね。直近では2018年の3位が最高順位、そして3冠を達成した2011年以来優勝も2位もありませんが…そこにどれだけ近づけるか非常に楽しみなチームとなりそうです。