第99回(2023年)箱根駅伝 10区振り返り ~区間賞:西澤 侑真(順天)~

総評

最後は10区における各選手の走りを振り返っていきます。10区結果はこのようになっております。順位が決する最終10区、先頭を走る駒澤は危なげなかったですね、これで3大駅伝全24区間全て区間5位以内での3冠達成という偉業を成し遂げました。総合3位~8位がわずか1分半の間に連なる接戦でアンカーでの順位変動も多かったです。シード争いは9,10位を走る大学がずっと競い合いながら走れたのも大きく、10区での逆転はありませんでした。通常は9区までに決着がつくのが多いですね、前回のようなアクシデントが無ければ…

大学ごと

区間賞は順大の西澤、68分42秒という好タイムも素晴らしいですが、8→5位と3つ順位を上げた走りも強かったです。今回は4年生5人が揃って1桁順位だった一方で3年生以下は4区間で2桁順位とちょっと凸凹な駅伝となってしまいましたが、主将が最後をビシッと締めました。


駒澤の青柿が区間2位、最初の定点から一度も1分33秒差から詰められることは無く安定した走りで3冠のゴールテープを切りました。走り終わった後はまだ余力も残っていたような…トップでタスキを受けたアンカーの役目はその順位を守ることですし、前回10区を走った経験も活かせたのでは。中央も助川が箱根初出場ながら区間3位の好走、往路は3年生以下、復路は4年生が4人出場しましたが、いずれも好走した中央の強さは圧巻でした。3年生以下が中心のチームと言われますが、それでも助川をはじめ4年生が最後の箱根で果たして役割は非常に大きなものでした。


区間4位に國學院の佐藤、5位に山梨学院の篠原が続くことに。佐藤は都大路での1,2年の実績は世代トップクラス、その後故障していてなかなか姿を見せていませんでしたが…上尾ハーフで結果を残し、そのまま箱根出場も勝ち取っての区間4位ですから、本当にロードでの強さは抜群です。7→4位と3つ順位を上げる走りも見事でしたし、頼もしい戦力がまた1人加わりました。篠原は箱根予選・箱根となかなか結果を残すことが出来ず、今年度の箱根予選も197位だったのですが…最後の箱根で最高の走りを見せてくれました。1つ順位を上げての総合14位は山梨学院の力を出し切ってくれたのでは。


区間6位に城西の山中、総合9位争いをしていた東洋の清野が区間9位でした。山中は主力の1人ですし、10区まで残せた選手層、そして期待に応える走りで9位争いを4秒制したのも凄かったですね。前年度箱根未出場からのシード獲得も素晴らしく、10人全員が3年生以下ですし来年度はさらに好結果が期待出来ます。東洋の清野は前回のような快走とはいかなかったものの、3年連続10区で全て1桁順位、ラストの9位争いも何度も喰らいついていましたし、総合10位でシードを死守する走りでした。2区終了時、7区終了時とシードが厳しくなっても巻き返す底力を改めて感じました。


区間7位に青学の中倉、8位に大東大の谷口が入ることに。前回は驚異的な区間新を叩き出した中倉ですが、今回は故障明けというのもありましたし、展開としても前が離れすぎていて3位を死守出来ればという状況でしたからね。しっかりと3位を確保しました。谷口は17→16位と総合順位を1つ上げる区間1桁の走りは見事でした。一桁順位で走ったのは6区と10区だけでしたし、15位の東海にも6秒差にまで迫りました。


区間10位に早稲田の菅野、11位に東国大の堀畑が続きました。菅野は伊藤に続いて区間10位と一般組が本当に安定していますね。高校ベストは15分台ながら2年目にして箱根予選、箱根と結果を残しているのはチームにとっても心強い限り。総合6位を死守しました。堀畑はシードを目指しての走りとなりましたが、前との差は縮められずに総合11位は変わらずにシード落ちとなってしまいました。堀畑は中位でまとめたのですが、6,8区でいずれも区間18位以下に沈んでしまったのが痛かった。


区間12位に帝京の日高、13位に法政の高須賀となっています。日高は3大駅伝初出場でこの走りは悪くなかったですよね。帝京は5区間で区間16位以下となりましたが、18位以下に沈む区間は無かったことで大きく崩れることは無く総合13位となりました。ただ、稼ぐ区間が無いとシードは厳しい…高須賀は5→7位と2つ順位は落としてしまったものの、前とのタイム差はそれほどなかったですし、良く粘ってくれました。


区間14位に日体大の大森、15位タイに立教の安藤が入りました。大森は箱根初出場でしたし、崩れることなく走りました。往路は苦しみましたが、これまでも苦戦していた復路は5区間全てで区間14位以内でまとめました。安藤も主力の1人ですし、復路は5区間全てで12~15位と選手層の厚さを見せました。十分に爪痕を残すことが出来たのでは。


もう1人区間15位タイで走ったのが創価の石丸、17位が川勝といずれもルーキーとなりました。ルーキーに23km区間かつ順位の決まるアンカーを任せるのは珍しいですがこの2人のみが出場することに。石丸は4→8位と4つ順位を下げてしまったのは残念でしたね。それでも1年目から3大駅伝フル出場はさすがです。川勝の10区はビックリでしたが箱根予選では4番手で走っている選手ですからね。苦しい位置ながら何とか走ってくれました。


18位に明治の漆畑、19位に東海の丸山ということに。漆畑も本来予定していた区間では無かったようですし、さらに前半から突っ込みましたからね。結果として後半失速はしてしまいましたが、シードを狙うための走りではあったと思います。丸山も走る予定ではきっと無かったのでは…今回は不調者が多すぎましたし、そのしわ寄せは10区にくることも多いですね…5区以降は最後までかみ合いませんでした。


20位相当に関東学生連合の貝川、20位に専修の小島となりました。貝川も箱根予選でチーム10番手に入っていなかったわけですし、箱根に合わせるのは難しかったところもあったでしょう。小島もチーム状況としてギリギリの出場だったはず。区間19位と3分以上の差をつけられることとはなりましたが、何とか最後までタスキを繋いでくれました。

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