第99回(2023年)箱根駅伝 東海大学 区間配置予想 ~まさかの予選9位通過からの巻き返しを~
最後は東海大学について、区間配置予想及び戦力分析をしていきます。前回の箱根は5区吉田響の快走で1往路10位、復路はシード圏内でレースを進めるも10区でアクシデント、総合11位でシード落ちとなってしまいました。今年度の箱根予選では、石原のアクシデントや川上の転倒もあってまさかの9位通過、全日本は見せ場を作るも総合10位でシード落ちとなってしまいました。エントリーメンバー、箱根成績(直近5年)はこのようになっています。
4年生:松崎 咲人、宇留田 竜希、佐藤 俊輔、
竹村 拓真、川上 勇士、杉本 将太
3年生:石原 翔太郎、神薗 竜馬、丸山 真孝、折口 雄紀
2年生:梶谷 優斗、越 陽汰、水野 龍志
1年生:花岡 寿哉、竹割 真、中井 陸人
20校の中で最も苦しいエントリーとなったのがこの東海大学かもしれません。前回の箱根で5区2位で走っている吉田響を体調不良で欠いてしまい、見込んでいた大きなアドバンテージを失うことに。前回も4区終了時では総合17位でしたし、吉田がいないのは痛すぎます…さらに、前回の箱根経験者では8区9位だった入田も外れています。7区3位だった越が戻ってきたのは救いです。
全日本を走った8人は揃ってメンバー入りしましたが、箱根予選を走った12人からは前述の吉田、入田以外に4番手の鈴木、8番手の金澤、11番手の湯野川もいません。特に鈴木はルーキーながらチーム上位で走って箱根も期待されていたのですが…持ちタイムが良いけれど、今年度あまり姿を見せていない選手が外れることは他大学もちらほらありますが、ここまで箱根予選出場者が外れたのは正直心配です。そんな東海大学の区間配置予想は以下の通りです。
花岡①ー石原③ー松崎④ー越②ー杉本④
川上④ー梶谷②ー佐藤④ー竹村④ー宇留田④
1区は花岡、個人的にルーキーに1区はリスクが高すぎて反対ではあるのですが…監督は花岡に賭けてみたいという発言をしていましたし、言葉通りに受け取ると1区は花岡になるのかなあと。確かに日本インカレ5000mも全日本1区も見事な走りを見せていましたが、最短区間の全日本1区とあらゆる展開が想定される箱根1区は難易度が段違いなだけに、どこまで粘れるか…
2区は石原、こちらは監督が明言していたのでまず間違いないでしょう。現状、2区を任せられるのは石原しかいないと思いますし、順当ではあります。ただ、本人は6区の方が力を発揮出来るというほど下りを得意としていて上りを苦手とする選手、2年前は下り基調の3区で区間賞を獲得しており、2度の上りがある2区はリスクが正直大きいです。それでもエースは2区を走って欲しいというのも良く分かります。
3区は松崎、石原が3区ならば前回走っている松崎が2区かなと思っていましたが…石原2区ならば3区は松崎が良さそう。全日本でもエース区間の7区を走っていますし、エース格の1人であり箱根予選もチーム3番手で走っています。前回は2区17位と苦戦しましたが、その悔しさを晴らす走りを期待。
4区は越、ここが非常に悩ましいところで正直候補がなかなかいないのですが…先月20kmを走っていてさらにエントリーされているということは状態は問題無いはず…ならば前回逆コースとなる7区で3位と好走した越に託すという選択肢もありそう。箱根で好走実績のある数少ない選手ですから。
5区は杉本、こちらも監督が起用する予定と話していました。上りの準備もしてきたでしょうが…3大駅伝は未経験の4年生、箱根予選も196位ですし正直どこまで走れるのかは未知数ですよね。5区というのは特に替えのきかない区間でもありますし、何とか中位で耐えてくれれば…
6区は川上、箱根予選・全日本の走りを見る限りは不安になりますが、箱根予選で転倒してしまったということで、全日本もその影響はあったはず…過去2大会は区間5,6位で走っている川上の存在は東海にとって武器の1つですし、特に5区吉田を欠いた状況を考えると過去2大会のような走りを期待したいところ。
7区は梶谷、全日本2区は18位と苦しい走りでしたが、全日本予選では4組7位と快走を見せている選手、1区候補として名前が挙がっていたほどですし、状態次第では往路に起用されてもおかしくは無さそう。ただ、まだ3大駅伝での好走経験は無いということで…重要度は高いながらも復路の7区としました。
8区は佐藤、全日本は4区以降4年生を並べましたし、復路も4年生中心とのこと。佐藤は3年時までは3大駅伝未経験でしたが、箱根予選チーム5番手、全日本で5区8位と続けて結果を残しているのが心強いです。復路でも東海が重視することが多い8区としました。
9区は竹村、箱根予選は間に合いませんでしたが、全日本では8区9位とまずまずの走り、前回も9区8位で走っている実績を考えると、2年連続で9区を任されるのではないでしょうか。前年度も全日本8区→箱根9区という流れでしたし、全日本同様に箱根でも前回を上回る走りを見せて欲しい。
10区は宇留田、佐藤同様に3年時までは3大駅伝未経験も、箱根予選でチーム6番手、全日本でも6区10位でまとめています。本人も10区を希望しているようですし、復路に起用されるであろう選手ですから、そのまま10区としました。
石原の復帰は非常に大きいですが、吉田のエントリー漏れはそれ以上に大きいかもしれません。今回はある程度監督のコメントを聞いてからの記事となったので、このような予想としていますが…1区で出遅れてしまい、2区の石原も少し順位を上げるだけに留まるという可能性も正直十分あり得そうなのが怖い。。。上手く2区で上位につけられたとすると、花岡、石原以外に往路平地に誰が起用されるのかも大事になってきます。松崎は有力だと思うのですが…
今回は外して予想しましたが…前回3区を走っている神薗も状態上がってきているのであれば2年連続の往路もあり得ますし、6区は川上以外にも神薗、折口らが力を発揮できる区間としており、川上の状態次第では起用されることもありそうかな。特に折口はこれまでの実績を考えても6区候補な気がしますし。ルーキーも花岡以外に箱根予選でチーム7番手で走っている竹割も起用される可能性は十分あります。
今回のエントリーに加えて、箱根予選や全日本の走りを走りを見ている限りだと、シードは正直厳しそうに思えてしまいます。前回10区のラスト1kmまでシード圏内にいたのはあまりにも5区吉田の走りが大きかったわけで…今回も復路はシード争いをする大学と互角かそれ以上だったとしても、5区を含めた往路は厳しい戦いになりそうですからね。ただ、4年前の優勝校がこのまま予選会常連となってしまうわけにもいかないですし、主力を欠いた分を総合力でカバーする走り、見せて欲しいです。