第99回(2023年)箱根駅伝 駒澤大学 区間配置予想 ~3度目の正直、悲願の3冠へ~

本日は駒澤大学について、区間配置予想及び戦力分析をしていきます。前回の箱根は3区で苦戦して往路3位、復路は芽吹の故障もありましたが何とか3位は死守しました。今年度の出雲は6区間全てで区間2位以内の完璧な走りで優勝、全日本でも8区区間全て区間5位以内の走りで優勝、3冠に王手をかけました。エントリーメンバー箱根成績(直近5年)はこのようになっています。

4年生:田澤 廉、円 健介、山野 力、小野 恵崇

3年生:鈴木 芽吹、青柿 響、花尾 恭輔、

     安原 太陽、金子 伊吹、赤星 雄斗

2年生:篠原 倖太朗、吉本 真啓

1年生:伊藤 蒼唯、帰山 侑大、山川 拓馬、佐藤 圭汰

出雲・全日本の優勝メンバーである9人は順当にエントリーを果たしています。残る7人も山候補の金子、小野、帰山に世田谷ハーフ好走の吉本、伊藤、上尾ハーフ好走の赤星、青柿ということで極めて分かりやすいエントリーとなりました。その一方で前回のメンバーからは唐澤、白鳥の2人が外れてしまいましたが、唐澤は今年度姿を見せていませんし、白鳥も上尾ハーフが奮わなかったので仕方ないかと。


ベストな布陣とは言えないかもしれませんが、現状考えうるベストメンバーとは言えそうです。他にも上尾ハーフで62分台だった赤津、前年度の全日本優勝メンバーである東山らが16人にも入れないほどですからね。そんな中で1年生が4人入ってきたのも注目です。3年生中心のチームではありますが、学年バランスも前年度よりも良くなってきました。そんな駒澤大学の区間配置予想は以下の通りです。

区間配置予想

花尾③ー田澤④ー圭汰①ー芽吹③ー山川①
小野④ー篠原②ー赤星③ー山野④ー円④

~往路~

1区は花尾、円や篠原なども候補になると思いますが、ともに一気に成長したことで駅伝の経験は不足気味。その一方で花尾は高1から主力として活躍していたことで経験豊富で前年度の全日本、今年度の出雲とレース巧者ぶりを見せました。1区を先頭付近で渡すことを考えた際に最も相応しいのは花尾であり、1区に起用出来るだけの選手層はあるかと。


2区は田澤、3区に適性があるのは事実でしょうし、上りも苦手ではありますが…今年度は苦手な上りの克服にも取り組んできて2区対策をしてきたとのこと。芽吹が全日本を回避した以上、もう2区を任せられるのはエースの田澤しかいません。11月以降に記録を狙わずに箱根1本に絞ったのは4年目にして初、3度目の2区で区間記録の更新を更新してくれれば。


3区は圭汰、トラックシーズン中は全日本まではともかく箱根は狙わないと思われていましたが…距離走も余裕をもってこなせるようになり、長い距離への不安も無くなったとのこと。本人も前半から突っ込むスタイルと3区が合っていると希望していますし、重要度は高いながらも走りやすい3区を圭汰に託すのでは。


4区は芽吹、個人的に駒澤優勝のカギを握ると思っているのが芽吹、前回のように何とか間に合う状態ならば起用しない方が良いと思っています。状態が回復しているのであれば往路での起用が順当、2区とともに芽吹が希望しているのが4区、アップダウンも得意な芽吹を4区に起用出来れば盤石な往路となりそう。


5区は山川、前回4位で走っている金子はもちろんいるのですが…今回の5区は前回以上の走りが計算出来る、山川は箱根を見据えても全日本で起用したかったと監督が話していること、本人は上りに絶対の自信を見せていることからルーキーの抜擢もありそう。復路を走るだけならば全日本で試す必要は無かったと思うので…5区の選手起用は最注目です。

~復路~

6区は小野、6区も複数の選手が準備をしているという話で小野か帰山が有力かと思いますが、5区が山川ならば6区も帰山とルーキーを揃って起用することは無いかなと。少なくともこの25年はしていませんからね。6区も58分前半でいけると監督は自信がありそうですが、ここを上位で走れれば大きいです。5区が金子ならば逆に6区帰山の可能性もあるかと思っています。


7区は篠原、往路も走れる実力者を7区まで残すのは箱根優勝に向けて大事になってきていますし、単独走も問題無く出来る主力の篠原が1,3区でなければ7区が良いのかなと。スピードは抜群でハーフの距離も問題無く、全日本も区間2位でまとめていますからね。2年生も存在感を増していますし、中心選手としての走りを見せてくれれば。


8区は赤星、前回は出場予定も調子が上がらずに無念の当日変更…全日本も出場メンバーとそん色ない走りが出来ていたという監督の評価を証明するかのように上尾ハーフで62分0秒で学生3位の快走、長い距離の強さも見せました。1年越しの8区で前回の悔しさを晴らす快走を期待。


9区は山野、本人は往路希望ということでならば同じ下り基調の3区となるでしょうが…3区は走れる選手が何人もいますからね。過去2度走っている23km区間の9区で日本人学生ハーフ記録保持者の強さを存分に見せてくれれば。9区に山野がいるという安心感も他の選手に与えるでしょうし。


10区は円、夏合宿で誰よりも走りこんで速さも強さも身につけた円、全日本1区の好走に続いて上尾ハーフでは61分台で学生2位の快走、1区希望であり往路も任せられる力はありますが…優勝を狙うのであれば9区同様に10区も主力級を配置出来るのが理想ですし、今の駒澤ならば円を10区にまで温存出来る選手層があるのでは。

~展望~

今回予想した10人以外にも十分すぎるほど選手が揃っています。前回3区の安原、5区の金子、10区の青柿と経験者を3人も外して予想していますが、金子は4位、青柿は6位で走っていますし…前回苦戦した安原も上尾ハーフは62分25秒で走っていて長い距離も心配いりません。世田谷ハーフ2位の吉本、1万で28分28秒を叩き出した伊藤、6区候補で高校時代から実績のある帰山と16人全員が走ってもおかしくないどころか上位で走れそうな選手層を誇ります。


箱根に向けては〇強という評価はいくつか見ますが…今回はさすがに駒澤と青学の2強でしょう。割って入る大学はあるかもしれませんが、優勝はこの2校のどちらかという可能性が高いと思っています。山はお互いの監督が自信を見せているものの、ともに未知数な部分がありますが…往路の平地は駒澤、復路は青学の方が力がありそう。駒澤としては2,3区あたりで先頭に立って逃げ切る展開が理想でしょう。往路優勝は2004年以来達成できていませんが、総合優勝のためにも往路優勝が必要になってくるか。


そうすれば復路も力のある選手が揃っていますから、出雲や全日本のように先頭を走る有利さを利用して逃げ切る可能性が十分。逆に前回のように3,4区あたりで青学の後塵を拝すことになると、先頭で走る青学の強さもとんでもないですが、駒澤が追う展開で青学との差を詰めていけるとは思わないんですよね…今年度の出雲・全日本は圧倒的な強さを見せましたが、追う展開なのは2区の圭汰だけであっという間に先頭に立ちましたし。


前回の5,6区は合計で青学が23秒上回りましたが、山で差がつくようだと6区終了時にトップにいるチームが逃げ切る展開もありそうかなあ。監督のコメントを見ているとこれまでにないほどの自信がありそうで、ここまで自信を見せるのは2008年に箱根優勝を果たした時以来では?1998年度、2013年度はいずれも3冠に王手をかけながらも箱根は2位で優勝を逃しています。3度目の挑戦となる今回、チーム状況も非常に良さそうですし、是非とも悲願の3冠を達成してほしいです!!

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