第99回(2023年)箱根駅伝 専修大学 区間配置予想 ~2年連続最下位からの脱却を~
本日は専修大学について、区間配置予想及び戦力分析をしていきます。前回の箱根は1区木村が区間4位と素晴らしいスタートを切ったものの、2,3区の連続区間最下位で総合20位に後退、その後は19位に上がることはあったものの、2年連続最下位となってしまいました。今年度の箱根予選では、木村が日本人トップの快走、主力どころも崩れることなくまとめて8位通過、3年連続箱根出場を決めました。エントリーメンバー、箱根成績(直近5年)はこのようになっています。
4年生:高瀬 桂、南 里樹、小島 光佑、成島 航己、冨永 裕憂、吉岡 拓哉
3年生:木村 暁仁、田島 洸樹、中山 敦貴
粟江 倫太郎、水谷 勇登、野下 稜平
2年生:D・キサイサ、千代島 宗汰
1年生:新井 友裕、手塚 太一
箱根予選を走った12人からは、11番手の山村、12番手の山城が外れています。箱根予選の11番手以下というのは専修に限らずに外れることも良くあるので、仕方ない部分もあるかな。また、前回7区9位で走っている国増が外れたのは専修にとってあまりにも痛すぎます。前回1桁順位で走ったのは木村とこの国増だけでしたからね。今回のチームの中心は箱根予選を走った選手たちなのは間違いないですが、そこに割って入れるか楽しみなのが先月1万でベストをだした選手たち。
16人中8人が先月1万mでベストを更新、7人が29分30秒を切ってきました。そこには箱根予選を誰も走っていないルーキーの新井、手塚も含まれますし、上級生中心のチームですが下級生も少しずつ存在感を増してきたかな。2年前の箱根6区を走った南など今年度あまり姿を見せていない選手もタイムを伸ばしており、10人の争いも激しくなってきました。そんな専修大学の区間配置予想は以下の通りです。
木村③ーキサイサ②ー高瀬④ー野下③ー吉岡④
粟江③ー水谷③ー新井①ー成島④ー千代島②
1区は木村、前回区間4位で走っており箱根予選でも日本人トップの快走、その実績だけを見れば2区でも良いと思うのですが、1区で遅れて2区で力を発揮出来ないという展開は避けたいですし…ならば実績のある1区で2年連続の快走を期待する方が良さそう。
2区はキサイサ、前回は足を痛めて3区最下位、その後も苦しい走りが続いていたのですが…今月1万で28分11秒をマークするなどグッと調子を上げてきました。今のキサイサならば2区も任せることが出来るのでは?キサイサが2区に起用出来れば木村を1区に回せるというのもあります。
3区は高瀬、箱根は2度出場していずれも区間19位以下と力を発揮出来ておらず、今年度も故障もあって苦戦しましたが箱根予選ではチーム3番手で走っており今回も1~3区での起用が濃厚、木村、キサイサのここまでの走りを考えると高瀬は3区の方が良いかと。過去2度の悔しさを最後の箱根にぶつけてくれれば。
4区は野下、過去2度は5区を走っていますがいずれも区間19位以下と奮わず、その一方で箱根予選では2年連続好走しています。今回は5区以外の可能性もあるという話ですし、1年時は力不足だとしても前回も19位というのは5区に合っているとは正直思えない…本人も力を発揮できる区間は10区でしたからね。往路の4区で力を発揮してくれれば。
5区は吉岡、5区を力が発揮できるとしていた選手で箱根予選を走っている選手となると吉岡になるので、5区予想としました。箱根予選はチーム10番手というのは気になるところですが…野下以外に5区の目途は立ってきたという話ですし、それが吉岡だとすれば過去2大会よりも上の区間順位では走ってくれるのでは。
6区は粟江、2年前に走っている南もいるのですが、何とか間に合わせてきた状態で最も負担が大きいと言われる6区起用は可能性が引くかなと。ならば箱根予選でチーム8番手で走っており、6区を力が発揮できるとしている粟江の方が良さそう。
7区は水谷、野下とともに3本柱に次ぐ選手の1人、前回と同じ4区という可能性もありますが、前回も7区国増の走りが大きかったですし、同じような役割を水谷にも期待したいなあと。箱根予選で結果を残している水谷、野下の二人が箱根本戦でもせめて区間15位以内では走れるようになってきてほしいところ。
8区は新井、2人ルーキーがエントリーされたとなると1人は起用されてもおかしくなさそう。となると5千、1万ともに良いタイムをマークしてきた新井が候補に挙がってくるかな。ハーフの距離は正直未知数ではあるのですが、今後を見据えても1人は走って欲しいという思いも込めて。
9区は成島、箱根予選はチーム6番手で走っている4年生、2年時に7区を走っています。3年時はあまり姿を見せませんでしたが箱根予選ではしっかりとチーム中位でまとめていますし、2年ぶりの箱根出場の可能性が高く、過去2大会はいずれも4年生が走っている復路のエース区間である9区としました。
10区は千代島、箱根予選ではチーム7番手の122位で走っている今年度グッと伸びてきた選手。2年生以下はなかなかキサイサ以外が出てこなかっただけに、千代島の台頭は大きいです。箱根でも10人に入ってくる可能性は高く、距離は長いものの走りやすい10区としました。
3本柱の1~3区への起用が有力視されるだけに、まずは3区終了時で何位につけることが出来るかが大事になってきます。過去2大会はいずれも最下位となっていて、そこからは19位に上がるのが精一杯という状況でしたから…3人が持てる力を発揮出来れば、シード争いに加わっていてもおかしくは無いんですよね。前回苦戦した高瀬、キサイサの活躍に期待したいです。
4区以降も箱根予選で結果を残してきた選手を中心に起用されることになるでしょうが、3区終了時の順位が上ならば上なほど力を発揮しやすくはるはず。どうしても総合順位に区間順位が近くなってしまう現象は起きやすいですし、1つでも上の順位でレースを進めていきたいところです。過去2大会がいずれも最下位に沈んでいることを考えると、現実的な目標はまず最下位脱出、そこからどれだけ順位を上げられるかということになるかなあ。
総合19位以内というのは2011年の箱根で17位で走って以来ありませんし、17位で走れれば個人的にはまずまずかなあという気がします。これで3年連続の箱根出場となりますが、過去2大会と比べても戦力は確実に上回っているでしょうし、エース級の選手が複数いるのも往路が大事な箱根駅伝においては大きいです。今後は箱根に出場するだけではなく、勝負出来る大学となっていくためにも最下位争いから脱出し、1つ上の争いに加わっていって欲しいです。