第99回(2023年)箱根駅伝 城西大学 区間配置予想 ~盤石の山を武器にシード争いへ~

本日は城西大学について、区間配置予想及び戦力分析をしていきます。前回の箱根予選は15位に沈んで予選落ちとなってしまいましたが、今年度の箱根予選では3位と上位通過、さらに自己ベストをマークする選手も多く、チームの評価も上がっています。エントリーメンバー箱根成績(直近5年)はこのようになっています。

4年生:木村 吉希、藤井 正斗、小島 拓

3年生:山本 唯翔、野村 颯斗、山中 秀真、中田 侑希、山本 樹

2年生:平林 樹、林 晃耀、久保出 雄太

1年生:V・キムタイ、斎藤 将也、桜井 優我、鈴木 健真、大沼 良太郎

箱根予選を走った12人は全員エントリーされており、少なくとも今年度の戦力という点では順当です。箱根経験者では箱根予選メンバーに入った松尾や2年前の箱根で8区を走った新井らは外れてしまいましたが、仕方ない部分もありますからね。全日本予選メンバーも揃っていますし、今年度あまり姿を見せていなかった山本樹を除く15人が今年に入ってから持ちタイム3部門のいずれかで自己ベストを更新しているのも心強いです。


城西の一番の強みは2年前に5,6区揃って結果を残している山、前回経験者がエース級へと成長してさらなる上位で走ることが期待される中、ルーキーの斎藤の激坂王の走りはチームにさらなる希望を与えるものでした。ルーキーが5人と全大学最多となっていますが、各学年3~5人とバランスもよくエントリーされています。そんな城西大学の区間配置予想は以下の通りです。

区間配置予想

キムタイ①ー山本唯③ー野村③ー山中③ー斎藤①
大沼①ー林②ー鈴木①ー小島拓④ー平林②

~往路~

1区はキムタイ、長い距離にはまだ不安があるという話でしたので2区というのはリスクが高いですし、かといって出遅れたくない1区に起用は面白いかなと。あまり積極的に集団を引っ張るタイプでも無さそうですし、1万でベストをだした記録会のように、集団で力を溜めて終盤抜け出すという走りも期待出来そう。


2区は山本唯、1,2区にルーキーというのはリスクが高いですし、ならば5区好走経験があって権太坂や最後の上りは何の心配もいらず、日本人エースの1人である山本唯に託すのが結果として一番安定しそう。勝負レースでの安定感も魅力です。


3区は野村、前回は6区を走っていますが今回は他に6区候補の選手が準備出来ていて、本人は往路を希望しているとのこと。ならば往路の中でも下り基調である3区が合っていそう。主力の1人である野村を6区起用は確かにもったいない部分もありますからね。


4区は山中、1万で28分台のスピードにここ2年は箱根予選でも安定した走りを見せている主力の1人。往路を任せたい選手ですし、他の選手との兼ね合いを考えると4区が良さそう。ただ、4区は他の主力の方が調子が良ければ往路への抜擢もありそうかな。


5区は斎藤、本人は1,2区を希望していて山本唯が5区希望なのは重々承知なのですが、それでも激坂王でスイスイ山を登っていき、山本唯を1分引き離した走りを見てしまうと、5区で期待せずにはいられません。というか個人的に5区斎藤を見てみたいという想いもあります。

~復路~

6区は大沼、6区は前回経験者の野村以外にも林、大沼、桜井らが力を発揮できる区間として挙げています。3000m障害に強い選手が6区で好走することは良くあるので…長い距離もすでに問題無い大沼の抜擢もありそう。


7区は林、元々は中距離にいたはずなのですが…トラックのスピードはもちろん、上尾ハーフでも63分22秒の好タイムをマークして長い距離に問題無いことを証明。ならば復路ながらスピードも要求される7区が合っていそう。


8区は鈴木、高校時代からロードでの強さは抜群、上尾ハーフでも結果を残していて状態は問題無さそうです。やはり全国の舞台で実績があるのは大きいですし、ルーキーが起用されることも多い8区としました。


9区は小島拓、今年度は苦戦が続く4年生の中で箱根予選ではチーム4番手の見事な走り、最上級生ということもあって23km区間を走って欲しいところですし、復路のエース区間である9区としました。


10区は平林、今年度一気に台頭してきた選手で1万で28分台のベストに箱根予選でもきっちりとまとめました。長い距離も心配いらなそうですし、過去には2年生が10区を走って荻久保や大里など好走している例もありますし、今回も2年の平林としました。

~展望~

箱根予選での上位7人(キムタイ、斎藤、野村、小島拓、山本唯、山中、平林)までは8番手とも順位差がありましたし走るとは思うのですが…残る3人が悩ましいところです。今回は6区候補+上尾ハーフで好走した2人としましたが、桜井・久保出といった箱根予選で崩れることなくまとめた選手もいますし、状態が上がっているのであれば2年前の箱根で7区13位で走っている藤井も10人に入ってくるでしょうし。


城西は斎藤の激坂王の快走とキムタイがまだ長い距離に他の留学生ほど対応出来ていなそうなところが、区間配置予想を難しくしますね。結果として前回5,6区で好走した2人は往路の平地と予想しましたが…どんな起用をしてくるのか楽しみです。箱根予選で3位通過とはいえ、前年度予選落ちのチームが箱根シード争いに絡むのは難しいと思うのですが…城西は過去にも箱根19位→7位でシード獲得、箱根予選落ち⇒箱根シード獲得をこの10年で成し遂げているチームなんですよね。


チームの中心だった3年生に負けじと1年生も非常に勢いがありますし、2年生も平林、林、久保出などが台頭してきてグッと選手層が厚くなってきました。最もタイム差のつきやすい5区に絶大な自信を持っているというのはシード争いに向けても大きな武器となります。箱根予選での好走、自己ベストラッシュの勢いそのままに5年ぶりのシード獲得を果たすことが出来るのか?山だけでは無く往路からその走りが楽しみです。

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