第99回(2023年)箱根駅伝エントリー発表&感想

2022年12月18日

本日、箱根駅伝のエントリーが発表されました。比較的順当なエントリーだった大学が多かったように思えます。その一方でエース級や5区候補が外れてしまった大学も・・・公式エントリー(PDF)はこのようになっております。全20大学に対し、エントリーを見ての感想を簡単に述べていきます。明日以降は大学ごとに区間配置予想&戦力分析を行っていきます。

青山学院大学

4年:近藤、目片、岸本、西久保、横田、中村、中倉、脇田、西川
3年:一世
2年:若林、太田、田中
1年:黒田、荒巻、塩出


比較的順当なエントリーですね。3年生が一世のみというのはやや意外で小原や倉本あたりは入るかもと思いましたが…一方で4年生は大量の9人がエントリー、チームの中心です。全日本2区の白石、8区の宮坂は外れてしまいましたが、いずれも二桁順位でしたし、今のチーム状況ではなかなか複数回のチャンスを勝ち取るのは困難です。個人的に気になっていた若林も無事に入ってきましたし、優勝メンバーは今年度不調の志貴を除いて揃いました。連覇に向けて充実の戦力です。

順天堂大学

4年:伊豫田、野村、四釜、西澤、平、堀内
3年:三浦、石井、内田、藤原
2年:浅井、海老澤、服部、神谷、油谷
1年:村尾


エースの三浦、伊豫田、野村ら出雲、全日本を走った9人は全員エントリーされていますし、こちらも順当です。5区候補と言われる神谷、6区候補と言われる服部も揃って入ってきました。結果を残してきている2年生が5人も入ってきました。ハーフでタイムを伸ばした出口や持ちタイムを伸ばしている藤島は外れてしまいましたが、主力が誰も外れていないのは大きいですね。前回のような成績を残してきてもおかしくないです。

駒澤大学

4年:田澤、円、山野、小野
3年:芽吹、青柿、花尾、安原、金子、赤星
2年:篠原、吉本
1年:伊藤、帰山、山川、圭汰


前回経験者の唐澤、白鳥は外れてしまいましたが、今年度の走りで考えれば極めて順当なエントリーです。私が昨日予想した中では唯一大坪が外れて青柿が入っていますが、これは16番手が5区を重視して大坪、宮城にするか平地を重視して青柿にするかの差だったので…全日本を回避した芽吹も戻り、2冠メンバー9人+今年度結果を残している選手+山要員のいずれかに16人全員が当てはまりますからね。3冠に向けて隙は無さそうでやはり青学と一騎打ちとなるのか。

東洋大学

4年:児玉、柏、荒生、前田、清野、木本
3年:熊崎、九嶋、佐藤、村上、十文字
2年:石田、梅崎、小林
1年:網本、西村


20校の中で唯一、チームNo.1ランナーが外れてしまったのがこの東洋です。2年連続箱根2区で快走していた松山が故障から間に合わず…ここ2年の好結果に最も貢献していたのが松山なだけにあまりにも痛いエントリー漏れ…2区は誰が担うのか気になるところ。及川も外れて結局1年の箱根が最初で最後となってしまったのは残念です。また、ルーキーの緒方もいないんですよね。緒方は結局3大駅伝全て未出場ということに…他は柏、前田、清野ら4年生を中心に長い距離に強い主力が入っているので、やはり往路をどうしのぐかがカギになりそう。

東京国際大学

4年:ヴィンセント、丹所、山谷、ムセンビ、堀畑、宗像
3年:村松、林、川端
2年:白井、冨永、木村、山岸、楠木、吉住
1年:川内


出雲・全日本を故障で回避したヴィンセント、山谷という3本柱の2人が戻ってきました。箱根にはともに間に合いそうということで、この2人がいれば往路の厚みが全く違いますからね。前回5区を走っている倉掛が外れてしまいましたね、それ以外は今年度結果を残している選手を中心にエントリーされています。木村、山岸、5区候補と言われる楠木など3大駅伝初出場を狙う2年生の走りが大事になってきそう、4年生は順当ですし出雲・全日本から立て直せるか。

中央大学

4年:千守、若林、助川、中澤、田井野
3年:中野翔、大和、湯浅、大澤
2年:阿部、山平、東海林
1年:駿恭、溜池、白川、佐藤


非常に順当なエントリーとなりました。出雲、全日本メンバーが順当に入っているのはもちろん、そこにハーフで結果を残した助川、田井野といった4年生、タイムを伸ばす1年生など今年度結果を残している選手ばかりですからね。全日本を回避した中野翔も戻ってきましたし、前回走った居田は外れていますが今年度の走りを見ると仕方ないでしょう。総合力、エース力ともに前回を上回っているように思えますし、目標としている3位も十分狙えそう。

創価大学

4年:ムルワ、嶋津、葛西、横山、濱野、緒方、新家
3年:山森、桑田
2年:カミナ、吉田凌、小暮、野田
1年:石丸、山下、野沢


前回10区5位と好走した松田が外れてしまいました。駅伝シーズンに姿を見せていなかったので心配していましたが、残念。その一方で6区を二度走っている濱野やハーフで何度も好走している緒方ら4年生が戻ってきたのは大きいです。ハーフで好走していたルーキーの黒木も外れてしまいましたし、出雲メンバーの石井もいませんね。ムルワ、嶋津、葛西らエース級は揃っていますが、続く選手たちがちらほら外れている印象。往路は盤石の強さを見せそうですが、復路でどれだけ箱根未経験者が結果を残せるかかな。

國學院大學

4年:中西大、島崎、藤本、坂本、川崎
3年:伊地知、瀬尾
2年:平林、山本、鶴、木村、佐藤
1年:嘉数、高山、上原、青木瑠


前回6区を走った原は外れてしまいました。ただ6区快走経験のある島崎が万全であればそこまで影響は少ないか。出雲、全日本でともに2位に入った8人は順当に揃っていますし、主力と上尾ハーフで好結果を残した選手がズラッと揃っています。中西大、伊地知、平林、山本に青木瑠を含めた5本柱に期待のルーキー、ハーフで結果を残した鶴、木村、佐藤ら過去最高戦力と言って良いのでは?箱根でも優勝争いに加わってきてもおかしくないですね。

帝京大学

4年:北野、山田、新井、吉岡
3年:小野、西脇、日高、大辻、末次
2年:小林、山中、福田、岩本
1年:柴戸、尾崎、島田


前回7区を走っている福島が外れてしまいました。貴重な往路候補だと思っていただけに痛いですね。期待のルーキーである藤本もいませんね。全体的には小野、西脇、北野といった主力と上尾ハーフで好走した選手たちが揃っています。復路は戦えそうな陣容となってきただけに、やはり往路でどれだけ卒業生の穴を埋められるかですね。今年度の実績とエントリーを見る限りもやはりシード校では最も戦力的に厳しいのは否めないかなあ。

法政大学

4年:内田、中園、松本、川上、扇、山本
3年:松永、宗像、高須賀、細迫
2年:小泉、武田、宮岡、上仮屋、高橋
1年:清水


前回4区8位で走っている河田が外れてしまいました。往路を1桁順位で走っている主力なだけに痛いです。出雲6区を担って前回も8区を走っている稲毛もいないですね。この二人以外は比較的順当なエントリーとなっているかなあ。エースの内田、松永、小泉に世田谷ハーフ、上尾ハーフ、MARCH対抗戦で結果を残した選手が揃っています。主力が外れた分、やや16人の選手層が薄くなってしまった気がしますが10人は問題無いか。

大東文化大学

4年:木山、大野、谷口、金田、塩田
3年:久保田、菊地、佐竹
2年:ワンジル、大谷、西川、小田、佐々木、中澤
1年:入濱、小野


箱根予選を4度出場している倉田は外れてしまいましたが、今年度成長著しい2年生を中心に比較的順当なエントリーと言えそう。2年生は1年前は戦力的に厳しいと思っていたのですが、6人と最多エントリーを誇ります。それでも全日本8区を走った西代が外れているという…大野、久保田、菊地、ワンジルらエース級が揃い、今年度面白いようにベストを更新し、箱根予選トップ通過の大東大が4年ぶりの箱根でどんな走りを見せるのか楽しみです。箱根予選のような走りを見せられれば、シード争いに絡んできてもおかしくない戦力となっています。

明治大学

4年:櫛田、小澤、富田、下條、漆畑、加藤
3年:児玉、杉、斎藤
2年:尾崎、鈴木、新谷
1年:堀、吉川響、森下、室田


前回6区を走っている杉本はやはり間に合わず…さらに上尾ハーフで好走していた曳田もいないんですよね。曳田も6区希望だったはずなので、一気に6区が心配になってきたかも…それ以外は順当で櫛田、小澤、富田、児玉ら主力はしっかりと入ってきていますし、期待のルーキーである4人(堀、吉川響、森下、室田)も揃っています。箱根に向けては1~3区をとにかくどうするかですね。ここで2年連続遅れているのがシードを逃すことにつながっていますし、立て直して欲しいところ。

城西大学

4年:木村、藤井、小島拓
3年:山本唯、野村、山中、中田、山本樹
2年:平林、林、久保出
1年:キムタイ、斎藤、桜井、鈴木、大沼


2年前に8区を走った新井は外れてしまいましたが、箱根予選に出場した12人全員がエントリーされるというのは大きいですね。ルーキーが5人もエントリーされており、これは全大学中単独で最多です。再注目はやはり斎藤で1,2区なのか5区なのか非常に気になるところ。予選会校では早稲田と並んで山に自信がある大学ですし、1~4区を上手く凌げれば楽しみですよね。前回箱根予選落ちからの即シード返り咲きもあり得るかも。

早稲田大学

4年:井川、鈴木、小指
3年:辻、菖蒲、北村、佐藤、諸冨
2年:石塚、伊藤、伊福、菅野
1年:間瀬田、山口、宮岡、須山


箱根予選を走った安田が外れ、前回6区を担った柳本がいませんが、その分全日本メンバーからは宮岡、須山とルーキーが2人加わることとなりました。これはやや意外ではあったのですが、6区は好走している北村がいますし、不安は無さそう。伊福、辻も上尾ハーフで結果を残して10人の争いがグッと激しくなったのも大きいですね。井川、鈴木、石塚、伊藤ら往路を任せられる選手が揃い、復路の戦力を考えると…予選会校で最もシードに近いのは早稲田だと思っています。

日本体育大学

4年:藤本、名村、廣澤、九嶋、盛本、松浦
3年:漆畑、大森、吉富、田中、内山
2年:分須、山下
1年:山崎、平島、田島


エースの藤本が無事に戻ってきたのが何よりも大きいです。2区を安心して任せられるのは藤本しかいませんし、万全の状態で臨んでくれれば。さらに中距離から移籍して即箱根予選で結果を残した廣澤も楽しみな存在。箱根予選メンバーはチーム最下位だった植松が外れただけですし、箱根5区を走っている吉富も入ってきましたね。漆畑も戻ってきましたし、だいぶ戦力は整ってきました。特に山崎、平島、田島らルーキーが楽しみですし、往路から喰らいついてほしいところ。

立教大学

4年:なし
3年:関口、中山、服部、岸本、内田
2年:山本、林、安藤、後藤、山口、稲塚、中田
1年:國安、馬場、永井、相澤


4年生は残念ながらエントリー無し、全大学・全学年の中で唯一0人となってしまいました。5区候補の金城も入らずでしたが、3年生以下が強すぎるので仕方ないですかね。箱根予選メンバーからは8番手の吉屋、10番手の忠内が外れてしまいましたが、それでも力のある選手が揃っていますよね。特に2年生が最多の7人もエントリーされており、安藤、林、山本ら主力級に続く選手もいて楽しみです。55年ぶりの箱根で失うものも無いですし、久しぶりの箱根を楽しんで走ってくれれば。

山梨学院大学

4年:ムルア、木山、伊東、石部、橘田、篠原、岩谷
3年:北村、高木、新本、島津
2年:村上、大西、高田、徳田
1年:ムトゥク


ここまでベストに近い布陣でエントリーされてくるとは正直思いませんでした。留学生はどちらも2区を安心して任せられますし、木山、北村という日本人エース格はもちろん、橘田、新本と故障に苦しむことの多い実力者も入っています。箱根予選メンバーでは5番手の小野寺、11,12番手の栗原、土器屋が外れてしまったのは残念ですが、2年の村上などベスト連発している選手もいますし、4年生中心ながら2,3年生も戦力になる選手が増えてきているのは大きいです。ここ数年悩まされている故障が無ければ下位からの脱却もあり得そう。

専修大学

4年:高瀬、南、小島、成島、冨永、吉岡
3年:木村、田島、中山、粟江、水谷、野下
2年:キサイサ、千代島
1年:新井、手塚


高瀬、木村、キサイサと3本柱は順当にエントリーされましたが、前回7区9位で走っている国増が外れてしまったのは痛いですね。木村とともに貴重な1桁で走っている選手なだけに…他の主力どころは一通りメンバー入りしていますね。6区経験者の南も戻ってきたのは大きいです。上級生中心のメンバーですが、2年の千代島、1年の新井、手塚と箱根予選で好走した選手や1万でタイムを伸ばしている選手が入ってきました。箱根予選11,12番手の山村、山城が外れてしまったものの、総合力ではこの3年間で最も力があるでしょうし、2年連続の最下位からまずは脱却したいところ。

東海大学

4年:松崎、宇留田、佐藤、竹村、川上、杉本
3年:石原、神薗、丸山、折口
2年:梶谷、越、水野
1年:花岡、竹割、中井


東洋の松山と並んで最も痛いエントリー漏れが前回5区2位で走っている吉田響が外れた東海ですね。最大の強みである5区が逆に不安区間になってしまうのはあまりにも厳しい。他にも上尾ハーフで好走した金澤、前回8区9位で走っている入田、箱根予選でチーム4番手の鈴木、11番手の湯野川と今回の箱根予選を走った選手が12人中5人も外れてしまいました。これは予選会校中最多です。前回7区3位で走っている越が戻ってきたのは大きいですが、シード返り咲きに向けては苦しいエントリーとなりました。

国士館大学

4年:綱島、福井、望月、清水
3年:山本龍、山本雷
2年:カマウ、中島、鈴木、松井、渡辺、西田、生田目
1年:川勝、瀬川、勝部


箱根予選に出場した12人がそのままエントリーされていることからも、順当なエントリーと言えそう。カマウ、綱島、山本龍やエース級が揃い、さらに2年生が7人と最多のエントリーとなりました。箱根予選はカマウ以外に西田、渡辺、鈴木と走っていますが主要区間を任せられる選手が出てきてくれれば。山も山本雷、福井と経験者がいるのも強みです。期待のルーキーである岩下は外れてしまいましたが、ベストに近い布陣となっていますし、箱根予選最下位通過からどこまで順位を上げてくるのか楽しみです。