日本大学 2022年度 箱根予選・全日本振り返り⇒来年度に向けて
エースのドゥングが19位、快走とまではいかなかったかもしれませんが、しっかりと崩れることなくまとめてくれました。若山が40位で続き、こちらも見事な走りでした。1,2年時は勝負レースでずっと苦しい走りが続いていましたが、3年の箱根予選に続いて今回も2年連続日本人トップのチーム2番手で走っています。
西村が110位、2年連続でチーム3番手で走ってはいるのですが、ロードにも強い選手であることを考えるともう少し上位で走って欲しかったところかなあ。4番手の123位に2年の安藤、5番手の126位に1年の中澤とこの下級生2人は良く走ってくれました。来年度、チームの中心選手として活躍してくれることでしょう。
165位の土井、169位の下尾、176位の大仲とこの3人はにた順位でのフィニッシュとなりました。土井、下尾ともに前回の箱根予選からはグッと順位を上げてきていますし、大仲もルーキーであることを考えると決して悪い走りでは無かったですよね。下尾はトラックではエース級ですが、ロードではまだ苦戦することも多いですし。。。
8番手までは崩れることなくまとめてくれましたが、9番手の241位に三山、10番手の256位に濱田と本来であれば稼ぐ役割を期待したかった4年生が下位に沈んでしまったことが、結果的に箱根予選通過に届かない要因となってしまいました。三山も故障に苦しんでいたとはいえ、1年時には33位で走っている選手ですからね…濱田も前回の156位からは100位近く順位を下げることとなりました。小野が363位、山口が438位と11番手以下も苦しかったです。小野も前年度1万で好走した時は期待が高まったのですが、結局は最後まで故障に悩まされることとなってしまいました。。。
1区の下尾は区間17位、トップと44秒差と苦しいスタートとなりました。この距離に得意な下尾ならばもう少し上位でも走れるかと思いましたが、13分台、28分台をサクッとマークするトラックに比べてロードはやはり厳しい…2区の西村も区間14位、西村はロードに強い選手だと思うのですが、あれだけスピードランナーが揃った2区ではさすがに厳しかったか…総合でも16位となっています。
3区にドゥングを起用したことで順位を上げていきたいところでしたが区間9位に留まり、総合でも15位と1つ順位を上げただけだったんですよね。2年前は長距離区間の7区で2位と快走を見せていたのですが、力を発揮するには至らず…4区の安藤も区間17位で総合15位は変わらず…この時点で関東勢最下位になると、そこから順位は一切変わらないこととなりました。チームの主力を2~4区に起用してこの結果は本当に厳しいものがあります。
5区のルーキー大仲は区間18位と苦しい3大駅伝デビュー…総合順位を考えても仕方ないかなあ。6区を走った三山が区間11位でドゥングに次ぐ区間順位、2年前は6区6位で走っており万全では無かったでしょうが何とかまとめてくれました。
7区の長距離区間にはルーキーの中澤が抜擢されましたが、こちらも大仲と同様に区間18位ということに…いくら期待のルーキーとはいえ、箱根予選との連戦でエース区間の7区が荷が重すぎますよね。。。関東勢を見ても7区にルーキーを起用したのは日大だけでしたし。8区の若山も同じく区間18位…箱根予選では2年連続好走しているのですが、それでも3大駅伝は3度走っていずれも区間17位以下と最後まで苦しかった…総合14位とも3分47秒もの差をつけられることとなりました。
全日本が今年度唯一の3大駅伝出場となったため、チームとしては来年度に向けて始動することとなります。最後の箱根予選こそ奮わなかったものの、チームをずっと牽引してきたのはこの4年生なんですよね。ドゥング、三山、松岡、若山、濱田らが揃って卒業することによる戦力ダウンは計り知れません。
3年生以下の持ちタイムで見ると…13分台も28分台も下尾しかいませんし、5千で14分1桁はおらず、14分10秒の西村が続く形。1万も29分30秒切りが西村、安藤の二人しかいませんからね。まだまだ持ちタイムを伸ばせるであろう選手は何人もいるものの、かなり苦しい状況であることは間違いありません。
ずっと留学生を起用してきましたが、少なくとも現時点で3年生以下にはいないはず…来年度新たに留学生が加わるのかも気になるところです。来年度のチームを牽引するのは下尾、西村の3年生コンビに2年の安藤、1年の中澤あたりが候補になってくるでしょうか。今年度の箱根予選だけを見れば、チーム3~8番手はいずれも3年生以下だったというのは救いですよね。今回走った選手たちはさらなる活躍が期待されます。
個人的に最も期待しているのは1年生、先述の中澤、大仲以外にも3000m障害で活躍する山口、高校時代の実績ではこの学年トップクラスの山内、滝澤らもいます。来年度チームの中心として全日本予選や箱根予選に多く出場してもおかしくないですからね。箱根が無い分、記録会には合わせていけるでしょうし、トラックやハーフでの記録をどんどん伸ばしていって欲しいところ。
来年度、全日本予選、箱根予選を突破するのは非常に困難だと思います。全日本予選通過も3年生以下が粘ったものの、4年生の活躍があってこそですからね。箱根予選もドゥング、若山くらい走れるエース級が台頭してきたとしてもまだ足りないわけで…エースの台頭、選手層の大幅な向上のいずれも求められることになります。全然記録会に出場せず、自己ベストさえ更新出来なかった時期に比べると、今年度は多くの選手がベストを更新しているのは事実ですし、1年かけてしっかりとチーム力を高め、再び3大駅伝出場に向けて挑戦してほしいです。