第54回(2022年)全日本大学駅伝 戦力分析&区間配置予想 ~早稲田大学~

続いては、前回の全日本で6位とシード獲得、箱根予選では4位で箱根出場を決めた早稲田大学の全日本大学駅伝における戦力分析と区間配置予想を行っていきます。エントリー一覧過去5年成績はこのようになっております。

4年生

1万で27分59秒のベストを持ち、前回の全日本では2区2位の好走、箱根予選でも9位と快走を見せているエースの井川、前回の全日本ではエース区間の7区で5位、箱根予選でも17位で走っている鈴木、5千で14分8秒、1万で29分21びょうのベストを持ち、3大駅伝・予選会初出場となった箱根予選では217位だった安田、5千で13分41秒のベストに2年時は箱根9区4位の快走、長い故障から復活を果たしてきた小指の4人。

3年生

5千で13分49秒、1万で28分54秒のベストを持ち1年時は全日本で1区6位、その後は故障に苦しんだものの復活を果たした辻、関東インカレでは1500mで3位、3000m障害で連覇を達成、前回の全日本で4区5位も箱根予選では257位と苦しい走りになった菖蒲、1年時は箱根で6区8位、関東インカレ3000m障害では6位入賞を果たし箱根予選で130位で走っている北村。


前回の全日本では6区17位と非常に苦しい走りだったものの、箱根予選では16位と素晴らしい走りを見せた佐藤、1年時の全日本では6区8位、箱根予選では125位で走っている諸冨の5人。

2年生

5千で13分48秒、1万で28分36秒を今年度マーク、前回の全日本で5区4位、箱根予選では万全で無いながらも51位だった石塚、今年度5千で13分35秒をマーク、前回の全日本で1区7位、箱根予選で39位だった伊藤、学生ハーフで65分47秒をマーク、1万で30分15秒のベストを持ち、箱根予選に続いてエントリーを果たした伊福、高校ベストは15分台だから14分22秒のベストを今年度マーク、箱根予選でも96位と結果を残している菅野の4人。

1年生

5千で13分57秒、1万で29分13秒の高校ベストを持ち、箱根予選では114位で走っている間瀬田、5千で13分35秒とチームNo.1のタイムを高校ベストにして持ち、1万で29分35秒を今年度マーク、箱根予選では終盤に体調不良となってしまい289位だった山口の2人。

16人エントリー可能ですが、15人しかエントリーされませんでした。確かに他にメンバー入りするであろう選手となると、箱根6区を走っている柳本くらいかなという気もしますし、柳本が入れないならば15人が順当なのかなという気もしてしまいます。箱根予選にエントリーされた14人+記録会で結果を残し復活してきた小指という現状のベストメンバーが組めています。


箱根予選は苦戦した選手もいましたが、不安なく4位通過を果たせたのは良かったですよね。前回の箱根予選⇒翌週の全日本でもシードを獲得していますし、3週間空いている今回はさらに全日本に向けてコンディションを合わせられそう。そんな早稲田大学の区間配置予想は以下のとおりです。

区間配置予想

間瀬田①ー伊藤②ー井川④ー石塚②
菖蒲③ー小指④ー鈴木④ー佐藤③

1区は間瀬田、早稲田は4年連続で1区にルーキーを起用しています(千明⇒井川⇒辻⇒伊藤)となると、今回もルーキーの可能性が高い?ということで最初は山口かと思いましたが、箱根予選でアクシデントがあったルーキーを全日本に起用する可能性は低いと考え、ならば箱根予選でもチーム中位で走った間瀬田としました。


2区は伊藤、早稲田は2区を重視していて主力を起用しています。すでにチームの主力の1人となり、集団で走るのも得意という伊藤に前半の2区を任せるのが良いかなと。箱根予選でもチーム4番手で走っていますし、2年生になってさらに力をつけてきた印象です。


3区は井川、4年連続で3区を担っていた中谷が抜けましたが、他大のエース級も起用される重要区間、ここは井川に走って欲しいかなあ。3大駅伝はこれまで1~3区しか走ってきておらず、今回も前半の主要区間である3区としました。


4区は石塚、早稲田は全日本で前半を重視する傾向がありますし、体調不良などもあったということで石塚のコンディションは気になりますが…それでも箱根予選であれだけ走れてしまうのでそれほど問題は無さそう。少なくともチーム9番手以下になることも無いでしょうし、調整力も高いので全日本には合わせてくれると期待して。

5区は菖蒲、箱根予選は確かに奮わなかったのですが…長い距離はまだ未知数な部分も多く、その一方でトラックのスピードは抜群、前年度の出雲や全日本でも結果を残していることを考えると、全日本は起用されるのではないかと。2年前も走っている5区としました。


6区は小指、直近の走りを見ると全日本の起用もありそうかなあと期待してしまうんですよね。ずっと故障に悩んでいましたが5千のスピードに勝負レースの実績もありますし、見てみたい選手。勝負レースはずっと出ていませんし、出場するとしても8番手が起用されることも多い6区が良いかな。


7区は鈴木、過去2大会連続で7区を走っていますし、前回は区間5位でまとめています。箱根予選も好走を見せており高いレベルで安定しています。あえて7区で好走している鈴木を別区間に起用する理由も無いですし、順当ならば3年連続で7区となるのでは。


8区は佐藤、前回の全日本は6区17位に沈みましたが、今年度は箱根予選でチーム2番手と素晴らしい走りを見せました。元々早稲田は8区にエース級というよりも長い距離に強い選手を起用する傾向がありますし、箱根予選の走りを見ると、最長区間の8区を任せるのが良いのでは?と大きな期待をしてしまいます。

気になるのは箱根予選に出場しなかった選手、結果が奮わなかった選手たちが全日本で問題無く起用出来るのかですよね。出場しなかった選手では辻や小指がいますし、奮わなかった選手では菖蒲、山口らの名前が挙がります。4人とも万全であれば全日本に出場する可能性が高い選手ばかりですからね。今回は小指と菖蒲が起用されると予想しましたが、山口は1年にしてフリーで走ることを任されるほどですし、万全であれば活躍してくれそう。


あまり早稲田の前評判は高くないようですが…全日本に復帰してからの過去15年で13度シードを獲得するなど全日本は得意としていますし、個人的にはシード争いに巻き込まれる可能性もありますが、シードを獲得する可能性が高いチームだと思っています。過去2大会はトップに立つ区間がありながらも、崩れる区間、苦しい区間が出てしまったのでそこをいかに減らせるかが大事になってきます。


前回の結果からやや不安視された箱根予選も4位と問題無く通過していますし、山口にアクシデントがあっての4位という結果は、チームとしても上々の結果と言って良いでしょう。箱根予選と3週間空くのも箱根予選会校にとっては大きいですし、箱根に繋げていくためにも全日本でシード落ちるするわけにはいきません。全日本ではしっかりとコンディションを整え、4年連続シードを勝ち取って欲しいです。