第99回(2023年)箱根予選結果 ~大東大が復活のトップ通過、神大がまさかの予選落ち~

気温、風ともにそれほど条件は悪くなかったのですが、湿度が高かったので選手にとって好条件とは言えなかったですね。また、コースも周回コースから市街地コースに戻ったことで、タイムもあまり伸びませんでした。箱根で11位の東海が9位通過、箱根で12位、全日本予選トップ通過の神奈川大が予選落ちと今回も波乱含みとなっており、今年度もシードを獲得するのがいかに大事かということを感じる結果に。。。各大学ごとにレース結果を振り返ります。

1位:大東文化大学

トップ通過は何と前回予選落ちの大東文化大学、今年度のトラックシーズンでの大活躍ぶりから通過が有力視されていましたが、それでもトップ通過を果たすとは思いませんでした。5位のワンジルを筆頭に日本人エース格の大野、久保田、菊地がそれぞれ20位、24位、32位と上位に入り、ルーキー入濱の43位という快走も光りました。10番手は153位とやや遅れてしまいましたが、総合力の高さを見せて2位にも1分2秒差をつけて4年ぶりの箱根返り咲きを果たしました。

2位:明治大学

2年連続のトップ通過とはならなかったものの、2位と上位通過を果たしたのが明治大学、富田が10位、児玉が11位とダブルエースがきっちりと大きな貯金を稼ぎました。2番手と3番手が1分26秒も空いたのはちょっと心配されましたが、下條、新谷、漆畑などまだ勝負レースで実績の乏しかった選手がチーム上位に入ってきたのは収穫でした。その一方前回上位の小澤、加藤はやや苦しい走り、櫛田は転倒してしまったので仕方ないですね、それでも90位で走るのはさすがです。期待のルーキー森下が腹痛で330位となってしまったのは残念ですが、全体的には悪くないレースだったのではないでしょうか。

3位:城西大学

前回予選15位から一気に3位通過を果たしたのが城西大学、過去5年はシード⇒15→3→15→3位と上下が非常に激しくなっています。新留学生のキムタイが6位と大きく貯金を作り、ルーキーの斎藤も27位と素晴らしい走り、野村、小島、山本唯、山中、平林と59~79位という集団で続きました。ほぼ完璧と言って良いレースだったのではないでしょうか。10番手の中に4年生が1人しかおらず、今後にもつながるレースとなりました。

4位:早稲田大学

エースの井川が9位、佐藤が16位に入ってきたのは収穫ですね。17位の鈴木と4年生がきっちりと上位に入り、伊藤、石塚の2年生コンビも続きました。高校ベストは15分台でたたき上げの菅野が2年にして96位で走れているのも収穫です。その一方で山口にアクシデントもあったようで289位とチーム最下位に沈んでしまったこと、本来であれば主力の菖蒲が257位だったのは気になるところですが…3年前に苦戦した箱根予選を4位と中位で通過出来たのは良かったですね、安定感のある走りでした。

5位:日本体育大学

日体大のエース藤本欠場による不安と予選会の安定感のどちらが上回るかと注目されましたが…予選会の強さは圧倒的でした。おそらく全大学で最も完璧な集団走を披露、後半になるにつれてどんどん順位を上げていき、10人通過はトップというお手本のような予選会の走りでした。個人でも盛本が28位に中距離の廣澤が42位と素晴らしい走り、ここまで距離対応出来るのが凄すぎます。10番手も138位、11番手でも167位でしたし、見事な走りで75年連続箱根予選出場を勝ち取りました。山崎、田島、平島と3人出場したルーキーが揃って2桁順位で走っているのもさすがです。

6位:立教大学

55年ぶりの箱根出場を狙った立教ですが、なんと6位と中位での通過を果たしました。100回大会での箱根返り咲きを目指していましたが、1年前倒しでの偉業達成ということに。期待のルーキー國安が21位とチームトップ&日本人ルーキートップの快走、他の有力ルーキーが苦戦する中で快走が光りました。中山、安藤、林がいずれも50位前後でまとめ、10番手も185位で耐えたのが大きかったですね。12人全員が3年生以下での通過となりました。久しぶりの箱根でどんな走りを見せてくれるのか、本当に楽しみです。

7位:山梨学院大学

留学生はムトゥクが起用されましたが4位とさすがの走り、1年目から長い距離にもしっかりと対応しています。さらに、全日本予選好走の北村が18位と素晴らしい走りを見せたのも大きかったですね。主力の木山、高田が2桁順位で続きました。篠原、伊東ら主力の4年生がいずれも200位前後と苦戦したものの、10番手が211位で何とか耐えての通過となりました。小野寺、石部がともに100位前後で走ったのも良かったです。

8位:専修大学

10⇒9→8位と徐々に箱根予選での順位を上げている専修大学、今回は何といってもエースの木村が日本人トップの8位と快走を見せたのが素晴らしかった。前回の高瀬といい頼りになるエースたちです。キサイサも23位は最低限かな、高瀬は64位とやや苦戦したものの、野下、水谷の2人が2年連続で100位前後と子の安定感がチームを支えています。10番手も228位でまとめての8位通過は上出来でしょう。

9位:東海大学

上位通過候補と思われた東海大学がまさかの9位通過…吉田がチームトップの26位で走ったのはさすがですが、エースの石原が途中から苦しそうな走りになって失速し47位、松崎も49位に留まり大きく稼ぐ選手がいなかったんですよね。その一方で100位以内は鈴木、佐藤を含めてわずかに5人、10番手が196位と何とか200位以内でまとめたものの、怖さを感じる予選通過となりました。これだけ主力を何人も欠いてしまってはさすがの東海でも厳しいレースとなりますよね…全日本、箱根に向けて不安の残る結果に…

10位:国士館大学

2年連続10位とギリギリでの通過となったのが国士館、直近の記録会は調整がばっちりという印象でしたが、箱根予選は2年連続で苦しかったですね…カマウが22位とそこまで稼ぐには至らず…日本人エースの綱島が57位も3番手は93位の清水ですからね。しかし、7番手の山本龍も117位とここは集団で凌ぎ切り、10番手も212位でまとめて11位に34秒差をつけての予選通過となりました。現状は予選会よりも本戦の方が戦えるチームではあると思うのですが、前年度のように日本人エースがもっと台頭しないと本戦は厳しそう。

11位:神奈川大学

通過した大学で最も予想外の苦戦は東海でしたが…予選落ちした大学で最も意外だったのはこの神奈川大学です。前回の箱根は12位、全日本予選ではほぼ完璧な走りでトップ通過、今回も上位通過候補として名前が挙げられていましたが…エントリーで巻田、高橋を欠き、さらに山崎まで当日欠場ということで一気に雲行きがあやしくなりました。有村が14位で走ったのは素晴らしかったですし、宇津野、小林篤もともに50位前後でまとめましたが…5番手でも132位と崩れてしまい、10番手は215位…主力の欠場があまりにも痛すぎました。。。

12位:中央学院大学

2年連続の箱根出場を狙った中央学院も12位で予選落ち…この3年間で2度の予選落ちと苦戦が続いています。エースの吉田が67位と苦戦してしまったのがまず苦しかったですし、この順位がチームトップなのもさらに厳しい…100位以内は他に川田、安藤、松島とわずかに4人、復活した小島も136位は何とかまとめてくれたかなあ。チーム10番手が201位はそこまで悪くは無いのですが、稼ぐ選手がいない一方で150位以下が半分を占める状況では通過は遠いですよね。。。武川、吉本ら主力を複数欠いたのも痛かったです。

13位:日本大学

前回の21位からすれば8つ順位を上げてきただけに、そこまで悪い走りでは無かったと思います。ドゥングが19位、若山が40位と前回のトップ2が今回もトップ2で走り、西村、安藤、ルーキーの中澤も150位以内で走りましたからね。しかし、日本人エースの三山は241位と3年連続で前年度を下回る走り…256位の濱田が10番手では厳しいですね。11番手の363位だった小野を含め、これまでチームを支えてきた4年生が最後の箱根で苦しすぎる走りとなってしまいました…

14位:麗澤大学

前回は様々なアクシデントもあって大苦戦した麗澤ですが、今回は14位にまで戻ってきました。前回好走したエースの鈴木が14位、留学生のシュンゲヤも25位、さらに工藤も37位と稼ぐべき選手はしっかりと上位で走りましたからね。選手層の薄さは否めず、7番手以降は200位オーバーでしたが…チーム上位6人はいずれも3年生以下ということで来年は再び箱根初出場のチャンスが巡ってくるかもしれません。

15位:筑波大学

エースの福谷が2年連続でチームトップの15位とさすがの走り、皆川が63位、小林が88位ですがもう少し稼ぎたかったところかなあ。6番手が113位の國井とここまでは見事な走りを見せましたが、7番手が220位の長井と今回も選手層の薄さが大きく響く結果となってしまいました。10番手は337位まで下がってしまいますし、どうしてもチーム状況的に10番手も中位で走れる選手を揃えるのは困難です。それでも毎年日本人上位で走る選手が出てくるのは凄いです。

その他大学

日薬大はキプリモが7位、日本人エースの中山も35位でまとめ、チーム3番手の83位で走った波多江も良かったですがなかなか後続が続かずに総合16位、東農大はエースの高槻が12位と日本人上位で走りましたが、もう1人のエースである並木が104位に留まり、この順位がチーム2番手というのも厳しく総合17位に留まりました。


前年度全日本に出場している拓殖はラジニが2位、山田が44位で走るも3番手が131位でまさかの総合18位に沈んでしまうことに。前回箱根出場の駿河台も清野が38位、町田が48位と日本人エースが結果を残しましたが、ゴッドフリーが54位と苦戦、4番手が147位の賀来で主力も崩れてしまい総合19位…この2校は一気に箱根が遠くなってしまった印象です。この3年間総合15位で走っていた上武は総合21位…パトリックの31位と村上の50位以外はほぼ見せ場なく5番手で226位まで崩れてしまいました。

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