区間歴代トップ5の遷移(2014→2022) ~箱根駅伝3区~
続いては3区を見ていきます。8年間…というかこの3年間でトップ5は全て入れ替わっています。高速化の影響を最も受けている区間かもしれません。現在の歴代5位が8年前の歴代1位より15秒も上回っていますからね。2014年の記事はこちら。
順位 | タイム | 氏名 | 大学 | 学年 | 年 |
1位 | 59分25秒 | イエゴン・ヴィンセント | 東京国際大学 | 1年 | 2020年 |
2位 | 1時間00分55秒 | 丹所健 | 東京国際大学 | 3年 | 2022年 |
3位 | 1時間01分00秒 | 太田蒼生 | 青山学院大学 | 1年 | 2022年 |
4位 | 1時間01分19秒 | 伊豫田達弥 | 順天堂大学 | 3年 | 2022年 |
5位 | 1時間01分23秒 | 遠藤大地 | 帝京大学 | 2年 | 2020年 |
順位 | タイム | 氏名 | 大学 | 学年 | 年 |
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1位 | 1時間01分38秒 | オンディバ・コスマス | 山梨学院大学 | 4年 | 2012年 |
2位 | 1時間01分40秒 | 竹澤健介 | 早稲田大学 | 4年 | 2009年 |
3位 | 1時間02分12秒 | 佐藤悠基 | 東海大学 | 1年 | 2006年 |
4位 | 1時間02分13秒 | 設楽悠太 | 東洋大学 | 4年 | 2014年 |
5位 | 1時間02分43秒 | 山本憲二 | 東洋大学 | 4年 | 2012年 |
歴代1位は東国大のヴィンセント、61分台がそれまでの区間記録だった中、59分25秒とそれまでも区間記録を2分1秒も更新してくることに…この走りはあまりにも衝撃的すぎました。まさか6区以外で60分を切ってくるとは…区間歴代2位にも1分30秒差をつけていますし、今の区間記録で最も更新が難しいのがこの3区でしょう。
正直日本人選手が更新出来るとは思えないですし、超える可能性があるとしたらヴィンセントが再び走ったときくらいでしょうか。他の留学生が更新するのも極めて困難でしょうし、大学トップの留学生は基本的に2区を走りますからね。この記録が更新されるよりもいつか距離変更される方が先かもしれません…
歴代2位は東国大の丹所ということで、1,2位を東国大が占めることとなります。前回の箱根でマークした60分55秒という走りは日本人選手が初めて61分を切ることとなりました。前年度の丹所の駅伝シーズンは出雲から抜群の成績を残していましたし、3区で区間賞を獲得する可能性も高いと思っていましたが、60分台までタイムを伸ばしてくるとは…圧巻の走りでした。積極的に前を追っていく走りも良かったですね。最終学年も前回に負けない快走を見せてくれれば。
歴代3位は青山学院の太田、61分0秒ということで丹所ともわずかに5秒差、1年生が3区に抜擢された時点でそれだけ期待も大きかったですが、丹所に追いつかれながらずっとついていき、ラストは引き離す走りは凄まじかったです。チームの総合優勝に大きく貢献する走りを見せました。1年を通じて安定感のある走りは見せていましたが、爆発的な走りとまではいかなかっただけに衝撃も余計に大きかったかも…大舞台に合わせる力も素晴らしいですし、今後の活躍がますます楽しみです。
歴代4位は順大の伊豫田、歴代2~4位はいずれも2022年の記録ですから、この順位でも区間3位ということに。61分19秒をマークしています。トップ3はいずれも総合順位が上位での快走でしたが、伊豫田は17→10位と下位に沈む状況から一気に7つも順位を上げてシード圏内にまで押し上げてきたのも凄かったですね。今年度もトラックシーズンからハイレベルな活躍を見せており、前回以上の走りも箱根では期待出来そうです。
歴代5位に帝京の遠藤、前回の箱根で更新されるまでは遠藤が3区の日本人最高記録保持者でした。4年間3区を走り、区間3→2→4→4位と4年連続で区間4位以内と3区のスペシャリストとして活躍を見せました。歴代5位のタイムは2年時にマークしたものですが、出雲で苦戦、全日本は未出場という状況から箱根での快走でした。
他の記録会や勝負レースで苦戦しても、箱根3区は合わせてくる強さがありましたよね。3大駅伝は10度出場していますが、箱根以外で区間4位以内で走ったのは1年の全日本だけですから、箱根での強さが際立ちます。遠藤が箱根3区を走った4年間はチームもシードを獲得し続けてチームを支えましたが、中でもベストだったのがこの歴代5位&区間2位の走りだったのでは。