区間歴代トップ5の遷移(2014→2022) ~箱根駅伝2区~
続いては華のエース区間である2区を見ていきます。高速化が進み、さらにチームNo.1ランナーが走ることが多い2区ということで、8年前のトップ5のうち残っているのは1人だけ…今回は5位タイが3人いるため、合計7人を取り上げます。以前は67分台ならばトップクラスでしたが、今はギリギリ67分台だと二桁順位になってしまうわけですから、靴の進化も含めて恐ろしいです。2014年の記事はこちら。
順位 | タイム | 氏名 | 大学 | 学年 | 年 |
1位 | 1時間05分49秒 | イエゴン・ヴィンセント | 東京国際大学 | 2年 | 2021年 |
2位 | 1時間05分57秒 | 相澤晃 | 東洋大学 | 4年 | 2020年 |
3位 | 1時間06分04秒 | メクボ・ジョブ・モグス | 山梨学院大学 | 4年 | 2009年 |
4位 | 1時間06分13秒 | 田澤廉 | 駒澤大学 | 3年 | 2022年 |
5位 | 1時間06分18秒 | パトリック・マゼンゲ・ワンブィ | 日本大学 | 4年 | 2019年 |
5位 | 1時間06分18秒 | 伊藤達彦 | 東京国際大学 | 4年 | 2020年 |
5位 | 1時間06分18秒 | ジョセフ・ラジニ・レメティキ | 拓殖大学 | 1年 | 2020年 |
順位 | タイム | 氏名 | 大学 | 学年 | 年 |
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1位 | 1時間06分04秒 | メクボ・ジョブ・モグス | 山梨学院大学 | 4年 | 2009年 |
2位 | 1時間06分46秒 | 三代直樹 | 順天堂大学 | 4年 | 1999年 |
3位 | 1時間06分48秒 | 渡辺康幸 | 早稲田大学 | 3年 | 1995年 |
4位 | 1時間06分52秒 | 村澤明伸 | 東海大学 | 2年 | 2011年 |
5位 | 1時間07分04秒 | ギタウ・ダニエル | 日本大学 | 3年 | 2009年 |
歴代1位は65分49秒で東国大のヴィンセント、前年相澤が初めて65分台に足を踏み入れましたが…ヴィンセントが1年で8秒更新することとなりました。これでも狙っていたタイムよりは2,30秒遅いということでやはり別格の強さがありますね。前回は故障で万全では無かったのが残念ですが…最終学年となる今年度も順当ならば2区になるでしょうし、自身の区間記録をさらに更新してくるかにも注目です。他の選手がこの記録を更新してくるのは非常に難易度が高いでしょうし。。。
東洋の相澤が65分57秒で歴代2位、日本人最高記録はマークするだろうと思っていましたが…8年前は2位に42秒差もつけていたモグスの圧倒的な区間記録をまさか更新してくるとは思いませんでした。11年ぶりの区間新記録ということに。1区で出遅れた&東国大の伊藤とともに前を追っていく展開となったのもタイムを伸ばす要因だったでしょう。3年の全日本からは3大駅伝で5大会連続区間賞とまさに別格の強さを誇りましたが、個人的には最後の箱根での区間新記録はやはり別格だったなあ。
山梨学院のモグスがマークした66分4秒は当時別格の強さでしたね。2位だった日大のダニエルに1分差、日本人トップだった中央学院の木原には2分18秒差をつけています。前年マークした66分23秒をさらに19秒も更新する走りでした。当時は確か65分台は出したかったという話をしていたような…唯一8年前の歴代トップ5で今もトップ5に残っている記録となります。ただ、モグスの記録はこの箱根2区よりも全日本8区でマークした55分32秒の方が驚異的かなあ…いまだに歴代2位に1分以上の差をつけている大記録ですし。
駒澤の田澤が前年度の箱根でマークした66分13秒が歴代4位となっています。元々は65分台ペースでしたが上りが得意ではないこともあって最後にやや失速…それでも並みいる留学生も抑えての区間賞&歴代4位は価値があります。前年の箱根からも1分14秒縮めてきていますからね。今年度はやや精彩を欠いているようにも思えますが…また前年度の駅伝シーズンのような強さを見せられれば、さらに歴代順位を更新してきてもおかしくは無いですね。区間歴代トップ4はいずれも区間賞をマークしています。
歴代5位タイは66分18秒で3人おり、2019年にマークした日大のワンブィ、そろって2020年にマークした東国大の伊藤、拓殖のラジニとなっています。ワンブィは全日本7区でも区間記録をマークして今も区間記録となっていますし、4年の全日本、箱根といずれも非常にハイレベルな走りを見せてきました。
伊藤とラジニはともに区間2位タイということで、相澤が区間記録を叩き出したのと同一年となります。3番手でも66分18秒というのがこの年の凄まじさが分かりますね。伊藤も相澤とともに前をひたすらに追っていき、苦しくなってからも粘れる走りは実業団に入ってからも健在です。歴代上位に入ってきている選手では最も高校時代の実績は乏しいのでは?5千で14分33秒の高校ベストから箱根2区で大活躍にそのまま五輪、世陸代表になる成長ぶりが圧巻です。
ラジニは当時1年でこのタイムをマークしているんですよね。トップ10まで広げても1年でランクインしている選手はいませんし、驚異的な走りでした。ただ、この走りが3大駅伝でのベストな走りとなっていて、その後はそこまで圧倒的な走りは見せられず…チームも前回の箱根は出場出来ていないのも厳しいところです。今年度のトラックシーズンも姿を見せていませんからね。。。また2区で快走するところを見せて欲しいです。