第54回(2022年)全日本大学駅伝に向けて ~前回優勝:駒澤大学~

最後は前回の全日本で2連覇を達成した駒澤大学について、戦力分析及び展望を述べてきます。前回結果はこのようになっております。前回の全日本では芽吹、唐澤、篠原ら主力を複数欠いたことでさすがに戦力的には厳しいと思っていたのですが…5区まで何とかギリギリ粘ると、6区安原、7区田澤で一気にトップに浮上、花尾がアンカー勝負を制して見事に連覇を達成しました。

~前回からの戦力増減~

前回の全日本優勝メンバーから抜けたのは3区12位だった佃のみ、箱根に出場したメンバーを見ても佃だけでしたし、全日本出場校の中でも戦力ダウンは最も少ない大学の1校です。その一方で戦力アップは豊富なので盤石…?と思いきや、そう単純なものではありません。


まず、前回優勝メンバーかつ1区区間賞の条二は全日本以降ずっと姿を見せておらず…体調不良からどれだけ復活しているのか、全日本に間に合うのかは非常に気になるところです。さらに、芽吹、唐澤が戻ってくればそれだけで大幅戦力アップとなるはずなのですが…これまた二人ともトラックシーズンに姿を見せず…芽吹は箱根での故障から回復して問題無いという話でしたが、一度も姿を見せていないのはやはり不安ですよね。唐澤も記録会にエントリー止まりで欠場が続いていてもどかしい状況…


条二、芽吹、唐澤が万全ならば全日本は何も心配いらないのですが、現状は不安の方が大きいです。逆に前回未出場で今年好調なのが山野と篠原、山野はロードでの活躍が目指しますし、2年前の優勝メンバーでもあります。篠原も田澤に次ぐエース級の活躍を見せており、ちょっとトラックシーズンのレース過多が気になりましたがエース区間も担える実力者です。


他にも4年の小野が今年度は好調を維持していて全日本メンバーに入ってきてもおかしくないですし、ルーキーでは圭汰の力が抜けており、少なくとも全日本の距離ならば1年目からメンバーに入ってくる可能性が高そうです。

~区間配置~

先述の通り、ベストメンバーが組めるかどうかでガラッとチーム状況は変わってきますが…ベストならば私は3区唐澤、7区芽吹、8区田澤が最も強力だと考えています。ただ、この3人しか主要区間を任せられないということはもちろん無く、前回6区の安原、8区の花尾に篠原、山野はいずれも主要区間を担える選手、3区ならば圭汰も走れるでしょうし選手は揃っていますから、柔軟に区間配置を決めることが可能です。


ここまでに名前が挙がった選手だけですでに8人いますし、やはり選手が揃えばつなぎ区間も含めて非常に強力です。主要区間を上位で走れる選手をつなぎ区間に回すことが出来るわけですから…ここに、前回優勝メンバーの条二、青柿、赤星、東山を加えればもう12人いますからね…前回は前半耐えて6区から勝負という布陣でしたが、1区からずっと攻める区間という配置も可能でもう区間配置をどうするかというよりもどれだけ全日本にコンディションを合わせられるかがチームの命運を握ります。


前回は主力を複数欠いて優勝出来ましたが、どの大学も苦戦する区間があるなど展開に恵まれたのも事実ですし…なかなか今年度は足並みが揃っていませんでしたが、ここにきて安原、青柿、赤津らがベストやベストに近い走りを見せており、最も力のある3年生が徐々に揃ってきたのは好材料、8人の出場争いはハイレベルに越したことは無いですから。あとは芽吹、唐澤らが復活してくれれば文句なしなのですが…

~展望~

繰り返しにもなってしまいますが、ベストメンバーならば優勝候補筆頭は駒澤だと思います。過去を見てみても最多優勝など全日本での圧倒的な強さ、2連覇を果たしているという事実、勝ち方を知っているのは大きいです。さらに、エース区間もつなぎ区間も隙の無い布陣が組め、世陸代表の田澤を擁しているのも頼もしすぎます。


その一方でトラックシーズンは前年度に比べてもかなり低調でした。自己ベストを出した選手も偏っていて自己ベストラッシュは無かったですし、そもそも記録会に出場する選手があまり多くなかった印象。スーパールーキーの圭汰もそこまで圧倒的な走りを継続しては見せていませんし、下級生も亘理、伊藤、帰山らが14分1桁のベストこそ出していますが、13分台をマークする新戦力の台頭は見られず。。。結構もやっとするトラックだったかなあと。


そんな状況で駅伝シーズンにビシッと合わせられるかとなると、期待よりも不安の方が大きいです。実際、前回の上位校である青学や順大、國學院、東京国際はいずれもトラックシーズンの勝負レースで活躍を見せ、新戦力の台頭も複数人ありましたから。。。前回王者と言っても戦力的にずば抜けている状況では決してないでしょう。


ただ、3大駅伝で優勝する確率が高いのは間違いなく全日本でしょう。出雲は東京国際、箱根は青山学院という前回王者かつ圧倒的な優勝候補がいますからね。得意の全日本でこれだけの選手を揃えていて負けるわけにはいかないですし、田澤のラストイヤーという勝負の年でもあります。過去2大会は最終区のラスト1kmでの決着という劇的なレースを制して連覇を達成した駒澤が3連覇を達成することが出来るのか?やはり全日本の駒澤は強い!という走りを再び見せて欲しいです。

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