オレゴン世界陸上(2022/07/17,18)  マラソン、1万m 結果振り返り

続いては、オレゴン世界陸上のマラソン、1万mの結果を振り返ります。マラソンは日本記録保持者の鈴木健吾がコロナ陽性ということで欠場というまさかの状況…長距離ではコロナが流行してしまいました。女子も複数人欠場というのは選手のこれまでの努力を考えると悲しすぎます。。。

~マラソン~

トヨタの西山とコニカミノルタの星の2人が出場となった男子マラソン、気温も20度未満と世界陸上としては異例のコンディションの良さでした。20kmで1時間1分弱のペースで進んでいく中、二人とも先頭集団についていましたが、星が集団の後方に下がってしまい、25kmまでは何とかついていったものの、その後遅れてしまうことに。30km時点では20秒ほど先頭集団から離れてしまいました。


最終的に星は2時間13分44秒で38位という終盤苦しい走りになってしまいました。30km~ゴールまでの12kmちょっとで7分半近い差をつけられているわけですからね…先頭がとんでもないペースアップをしたのもありますが、失速もちょっと大きくなってしまったかなあ。まだ若いですし、今回の経験を今後に活かしていってくれれば。


一方の西山は30kmまでは先頭集団に喰らいつく走りを披露、集団の前方に位置しながらレースを進めていきました。しかし、30~35kmで大幅なペースアップがあり、さすがにここでついていくことは出来ず…優勝したトラはこの5kmで14分11秒、上位に入った他の選手も14分30秒前後でカバーしていますからね。最も苦しいと言われる30~35kmでこのペースにされては日本人選手がついていくのは困難です。西山も15分5秒で走っているのでペースダウンしたわけではないですからね。


さすがに35km~40kmは疲れてしまったのかペースが落ちてしまいましたが、それでも2時間8分35秒と世界陸上の日本人選手最高タイムで13位という結果は入賞こそ届きませんでしたがよく走ったのでは無いでしょうか。マラソン初出場で初優勝を果たし、さらに世界陸上でも結果を残せたのは今後の自信にもつながっていくでしょうし、また世界の舞台に帰ってきてほしいです。

~10000m~

日本選手権で内定者は出ませんでしたが、その後田澤と伊藤の2人が出場権を獲得した男子1万m、即内定とはいかなかっただけに、世界陸上に合わせる難しさもあったでしょう。二人とも決まったのはかなり遅かったですからね…


マラソンとは異なり、暑いコンディションとなったこのレース、それでも最初の1000mは2分45秒とまずまずのペースで入ります。単純に10倍すると27分30秒となります。1000~2000mも同じペースでしたが、田澤も伊藤も集団後方に位置するレース展開、日本人選手には少しペースが速かったかなあ。


その後はややペースダウンして5000mは14分1秒で通過しましたが、4800m付近で伊藤が最初に集団から遅れてしまうことに。この段階で遅れてしまうとさすがに厳しいですね…結果としては28分57秒と何とか28分台ではまとめたものの24人中22位という結果になりました。


一方の田澤も6000m時点ではもう縦長になった先頭集団から遅れてしまうことに。差し込みもきてしまったということで、後半にペースを維持することは出来ませんでした。28分24秒で20位ということで下から5番目ということに…日本トップクラスの2人が出場してもこの結果ですから、本当にトラック長距離における世界の壁の厚さを感じます。


優勝争いはもう中距離なのか?と思うほどにラスト1周の勝負は凄まじかったですね。その先頭集団に7人もラストまで残っているのも恐ろしい…連覇を達成したウガンダのチェプテゲイが27分27秒、2位とはわずか0.47秒差で8位でも27分33秒でしたからね。ラスト勝負はもちろん、終盤まで先頭集団についていくというのも、日本人選手が太刀打ちできる状況では正直無いなあ…


2位に入ったのはケニアのワイザカですが、ヤクルトに所属する選手でニューイヤー駅伝でも快走を見せていました。これまでもタヌイなど世界で活躍する選手がニューイヤー駅伝を走っていましたが、ワイザカがここまでの選手だったとは…インターナショナル区間はレベルが高すぎてどの選手が世界でどのくらい強いのかが分かりづらいですよね。今回はウガンダが1,3,5位とトップ5に3人入り、ケニア勢がやや苦戦する中で存在感を見せました。

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