オレゴン世界陸上　３０００ｍ障害（2022/07/16) 結果振り返り

愛三工業の山口が出場した１組、序盤は３番手あたりでレースを進め１０００ｍの通過が２分４８秒ということで比較的スローな展開となりました。このタイムならばついていくのは問題無いですよね。しかし、１０００ｍ～２０００ｍは２分５１秒と決して早いペースでは無かったのですが、この１０００ｍで徐々にポジションを下げてしまうことに。表情も１５００ｍくらいでもう苦しそうでしたからね・・・


２０００ｍを過ぎたころには何とか集団には残っていたもののほぼ最後尾という状況に。ここから残り２周となって今までスローペースだった分一気にペースアップするわけですから、ついていくのは厳しいですよね。。。先頭が８分１６秒なので、ラスト１０００ｍは２分３７秒というハイペースでした。結果的に山口は８分３０秒で１０位で予選落ちとなってしまいました。スローからの大幅な切り替えというのは海外のレースでは良くありますが、なかなかついていくのは難しい。

東京五輪で入賞している順大の三浦が出場した２組、序盤は明らかにスローであり三浦は４，５番手を走っていることが多かったかなあ。最初の１０００ｍは２分４８秒ということで１組と１０００ｍの通過タイムは一緒でした。感覚的にはもっと遅いのかと思っていましたが・・・ここからまたスローになった集団も横に広がる展開になったのが結果として苦しかったですね。


タイムでの通過が段々と難しくなり、３位以内に入らないといけないのではという展開に…スローペースになる中、三浦も先頭付近にまで位置を上げる場面もありましたが、明確に先頭を一人で引っ張るということは１度も無かったはず。先頭を引っ張るのはリスクも大きいですし、個人的には悪くなかったと思いますが１０００ｍ～２０００ｍも２分５２秒と１組よりも１秒遅いことに。これまた三浦にとっては痛かったです。


その後、集団のペースが一気に上がると集団は５人に絞られることに。この５人の集団に三浦がついたのは良かったのですが、離れそうになることもあるなどずっと最後尾となってしまい、そのままラスト１周を迎えることに。それまでに力をつかっていたのもあったのか、得意の圧倒的なラストスパートも炸裂とはいかず…８分２１秒で５位という結果となりました。この組はトップが８分１９秒と３組中最も遅いペースとなってしまったんですよね・・・


東京五輪の予選のように三浦としてはもう少しハイペースになった方が走りやすかったのかなあと。ラスト１０００ｍを切ってからどんどんペースを切り替えてくるレースは、慣れていないのかどうしても日本人選手が苦戦する展開のように思えます。最終結果として、タイムでの通過が６人のところで７番目ということで０．７４秒及ばずに予選落ちとなってしまいました。トラックで戦えるとしたら三浦が最も可能性があると思っていただけに、残念な結果となってしまいました。。。

青木が出場した３組、青木は集団中央付近でレースを進めることに。この３組は１０００ｍの通過が２分４９秒ということで３組中最もスローな展開ということに。というか、３組とも遅かったですよね。なかなか集団を積極的に引っ張る選手やハイペースにしようとする選手がいませんでした。その後は何とか集団には喰らいついていたものの、１０００ｍ～２０００ｍは２分４９秒とほぼ１０００ｍまでと同じペースでしたが徐々に位置を下げてしまうことに。


２０００ｍを過ぎてからのペースについていくことは出来ず、ここで集団から離れてしまいました。ここからさらに先頭はペースが上がったことで青木も一気に差をつけられてしまうことに。結果として８分３３秒で１１位、予選落ちとなってしまいました。


３人ともベストと比較すると１０秒＋α届かずという走りでしたね。３組とも同じような展開で２０００ｍまではスロー、そしてラストの１０００ｍは２分３０秒台まで一気に上げてくるまさに世界の勝負レースという展開でした。


本当にこの展開で予選を通過するには、イーブンペースならば８分１桁で走れる力が必要と考えると、３０００ｍ障害の予選も本当にレベルが高いです。特に三浦には東京五輪に続いて入賞か前回以上の順位も？と期待していたのですが…世界の壁の厚さを改めて感じることとなりました。また、来年度に世界陸上、そして２年後にパリ五輪と続きますし、今回の経験を活かしてまた今後の活躍を楽しみにしたいです。