春の高校伊那駅伝2022結果 ~佐久長聖が3分以上の大差をつけて優勝~

本日、長野県伊那市にて全6区間で行われる伊那駅伝が行われました。今回は前回と違って関東勢も無事に出場出来て良かったです。さすがに欠場する高校も多かったですが、それでも都大路1,2位の世羅、洛南など有力校が揃いました。1,2年生だけで臨むこの大会、来年度のチーム力を占ううえでも重要な大会となっています。ここで好走する選手は翌年度、大学で活躍する選手も多いですからね。区間ごとに上位の選手を振り返っていきます。公式結果(PDF)はこのようになっております。

1区(7.98km)

距離が2番目に長い大事な1区、各高校の戦略にもよりますがチーム2,3番手の選手を起用してくることが多い印象です。そんな中で区間賞を獲得したのが九州学院の永本、都大路には出場しておらず、持ちタイムも14分50秒台の選手のはずなのですが…それが1区区間賞ですから凄まじいですよね。走力に持ちタイムが追いつかない選手が九州学院は多いですが、それにしてもびっくりです。来年度要注目です。


2位に埼玉栄の松井、都大路では1年ながら3区を担っている選手ですし、今回は良い走りを見せてくれました。都大路では苦戦しましたが、来年度は力のある新3年生とともにチームを牽引してくれそう。3位に川崎橘の伊藤、タイム差なしの4位で浜松工業の野中と続きました。二人とも既に5千で14分10秒台のベストを有していますが、この舞台でも結果を残してきました。


5位に佐久長聖の山口がトップと9秒差で続いたのはチームとしても大きかったですね。佐久長聖チーム3番手であろう1年の山口を1区に起用してきましたし。有力校では、西脇工業の新妻が11位とまずまずの走り、前回王者の洛南は児島が17位、学法石川は山崎が19位とやや出遅れ、倉敷は植月が41位と大きく出遅れてしまいました。

2区(7.52km)

エースの南坂を起用してきた倉敷、ここで22分45秒の区間新記録を叩き出し、41→6位と35位も順位を上げることとなりました。都大路、クロカン日本選手権に続いての快走でロードでの強さは高校でもトップクラスです。続いたのは佐久長聖の長屋、南坂と4秒差は上出来と言って良いでしょう。都大路でも3区9位で走っている実力者、吉岡とともにチームを牽引する選手です。2区はこの二人が抜け出た走りを見せました。2位と3位は29秒も差が空いていますからね。


3位に福岡第一の船津、まだ目立った実績も持ちタイムも無かった1年生ですが、この走りは素晴らしいですね。こういう選手の台頭が伊那駅伝の大きな楽しみです。4位に國學院久我山の飯國、都大路でも6区5位と好走をしている1年生が続けて結果を残してきました。5位に川崎橘の古川が続き、1,2区と続けて見事な走りを見せてくれました。2区終了時でも総合2位につけたのは大健闘でしょう。

3区(7.2km)

距離としては4番目の長さではありますが難コースであり、チームの選手層が問われる区間でもあります。ここで区間賞を獲得したのが佐久長聖の永原、2位に16秒差は6区間で最もタイム差が開いていますね。都大路では6区22位と苦戦しましたが、この走りを見ると来年度も期待出来そうです。吉岡、長屋の新3年コンビに山口、永原の新2年コンビは非常に強力です。


2位に大阪の新家が走っています。14分31秒のベストを持っている選手ですが、上々の走りでしょう。3位に大垣日大の1年である安島、こちらは14分41秒のベストかな?4位だった東農大二の瀬間、5位だった倉敷の桑田とこちらも1年が入っています。瀬間が14分48秒のベストということで、1年の5千ベストはこの時期はあまりあてにならないですね。桑田は都大路で4区6位で走っている実力者であることを考えると、ちょっとこの走りは物足りないかなあ。

4区(9.1km)

最長区間でありエースが起用されることが多い区間、ここで区間賞を獲得したのが佐久長聖の吉岡、都大路で1区2位、クロカン日本選手権では優勝と来年度の高校生では現時点でNo.1と言って良いでしょう。伊那駅伝でもエースの走りを見せてくれました。西脇工業の長嶋も区間2位、タイム差も7秒差は素晴らしいですね。


都大路1区でも1人抜け出す積極的な走り、吉岡、南坂らとともに世代トップクラスの選手ですが、ここでもその力を存分に見せてくれました。こういう走りが出来る選手は今後まだまだ強くなりそう。2位と3位は1分7秒も開いており、いかに吉岡と長嶋が別格の走りを見せたかが分かります。3位に洛南の原田、都大路には出場していませんし、持ちタイムもまだ14分30秒台のはずですが洛南の4区を任されるということはそれだけ力があるのでしょう。佐藤世代が抜けた来年度、どんなチームを作り上げてくれるのかも楽しみです。


4位に倉敷の菱田、5位に学法石川の蓮根と続き、やはりエース区間となると都大路で上位に入った大学が区間上位にきますね。実際、この区間トップ5はいずれも都大路で入賞を果たしている高校です。菱田は6区9位で走っており、南坂、桑田、菱田にキプチルチルを擁する倉敷は現時点では来年度の都大路の優勝候補筆頭でしょう。蓮根は都大路で同じ6区を区間15位、来年度は大湊、山崎とともに長距離区間を走ってほしい選手です。

5区(5.1km)

1~4区にチームのトップ4を起用するのが一般的な戦略なので、5番手以降が走ることになる5区は選手層の厚さが問われます。ここで区間賞を獲得したのが佐久長聖の松尾、これで3つ目の区間賞となりました。14分26秒のベストと佐久長聖の中では持ちタイムは目立ちませんが、ここで結果を残せたのは大きいですね。留学生のいないチームは都大路で長距離区間を走る選手以外も大事になってきますし。


國學院久我山の鈴木が1秒差で区間2位、都大路では4区7位で走っている実績のある選手がここでも好走を見せました。13分台のベストを持ち、本来であればエース区間を走ってもおかしくないですからね。区間3位に洛南の櫻井、区間4位に学法石川の鬼塚と続き、やはりつなぎ区間となると選手層の厚い高校が上位にきますね。

6区(5.295km)

最終区間となる6区、ここで区間賞を獲得したのが洛南の西澤、洛南は前半区間は苦戦しましたが、後半区間は全て区間3位以内に入ってきました。やはり力のある選手が揃っています。区間2位に学法石川の馬場、3位に佐久長聖の小池が秒差で続いています。全員が14分30秒台のベストかな?タイムもまだまだ伸びてきそうです。


区間4位に国学院久我山の永野、区間5位に西脇工業の小田が入り、1~3区に比べて4~6区は都大路でも結果を残している大学が区間上位に入ってきましたね。区間1~4位はいずれも都大路にチームが出場&選手は出ておらず、小田は5区4位と好走しています。来年度は都大路メンバーに入ることが期待される選手ばかりです。

総合結果

佐久長聖が2位に3分21秒もの大差をつけて優勝を果たしました。2区でトップに立つとその後はどんどん差を広げていきましたし、強かったですね。2017年に佐久長聖が優勝して以来、日本人選手だけのチームは優勝出来ていませんが、吉岡という大エースを擁し、長屋、山口、永原が揃う来年度は果たして…


総合2位に学法石川、1区山崎が19位とやや出遅れたものの、2区以降はどんどん追い上げ、5区で2位浮上、10秒差で2位を守りました。山崎、大湊、蓮根と3本柱が揃い、今回は3,5,6区も全て区間6位以内でまとめておりつなぎ区間も力のある選手が揃う来年度も強そうです。


3位に洛南、2年連続優勝とはなりませんでしたが、3位以内は死守しました。洛南も1区17位から徐々に順位を上げ、4~6区でさらに追い上げてきました。ここ数年に比べるとエース力でやや劣る印象ですが、また力のある選手を揃えてきそうです。


4位に西脇工業、エースの長嶋はさすがの走りでしたが、続く新妻、稲見らがもう一歩だったか。藤田は区間44位と苦しんだのも痛かったですが…3区終了時で総合22位からよく巻き返しましたよね。長嶋の22→6位と16も順位を上げる走りは圧巻でした。


5位に埼玉栄、1区2位と好走した松井を筆頭にその後も大崩れすることなく6区までつないだのですが、6区吉田が区間34位ということで3→5位と2つ順位を下げてしまったのはもったいなかったかなあ。しかし、久保田、松井、本間と都大路で主要区間を走った選手が来年度も全員残りますし、チームとしても楽しみです。


6位に倉敷、1区で41位と出遅れてしまいましたが、2区南坂がさすがの走りで巻き返しました。エース級以外はもう一歩ではありましたが、南坂とキプチルチルの力は抜けていますし、来年度の都大路では優勝候補筆頭として臨むことになるでしょう。


7位に九州学院、永本のびっくりな区間賞から4区終了時でも3位とずっと好位置をキープしました。5区水野が区間27位と苦戦してしまって総合7位とはなりましたが、都大路7人のうち6人が卒業となる来年度ですが、また楽しみなチームを作り上げてきそうです。


8位に國學院久我山、1区の星野が33位と出遅れてしまったものの、2区飯國ですぐに巻き返せたのが大きかったですね。5区終了時も11位でしたが、6区永野が3人抜き、9位と1秒、10位と2秒という接戦を制して入賞を果たしました。今回は鈴木が5区に回っていますし、チームとしてはさらに上も狙えそうかなあ。


9位の大阪は入賞に1秒届かずも、3区終了時では総合4位にまで浮上していますし、良いレースだったのでは。新家の快走も光りました。今年度の都大路は清風が出場していますが、来年度は大阪が強いですよね。


10位の山梨学院は上出来といって良いでしょう。都大路では41位でしたからね…2~4区を全て区間13位以内、4区で9位で走った小島の走りも光りました。今年度の都大路メンバーは7人全員が残るだけに、来年度は大きく順位を上げてきそうです。

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