早稲田大学 来年度の箱根駅伝(2023年)に向けて

経験値

続いては箱根では13位、来年度は箱根予選からとなる早稲田大学について見ていきます。今年度の箱根結果はこのようになっています。今年度の3大駅伝経験者は16人おり、来年度は11人が残ることとなります。中谷、太田、千明ら主力が抜けることとなりますが、3大駅伝経験者人数は十分残るんですよね。


今年度の箱根経験者は6人残り、区間5位以内となると7区5位だった鈴木だけですが…石塚は4区6位、伊藤は5区11位と1年生も往路で結果を残しましたし、他にも3大駅伝の好走経験者は多いです。前年度の箱根を見ても井川は1区5位、北村は6区8位、小指は9区4位で走っています。出雲1区2位だった菖蒲も主力の1人です。


今年度の箱根で6区を走った柳本、9区を走った佐藤に前年度の全日本を走っている辻、諸冨らがいて、3大駅伝の経験値としては決して低くは無くむしろ多いくらい。しかし、今年度は故障に苦しむ選手も多かったですし、学生ハーフもコンディションが整わずに回避した選手が多かったようで、最後までチームとしてかみ合わなかったのは否めないですね。力のある選手が揃っているだけにもどかしかったです。

新戦力

3大駅伝経験者は多いという話をしましたが…ではそこに割って入る新戦力の話となると、4年生の抜けた穴と人数の少なさ(スカウト枠の少なさ)が大きく響くことになります。最も分かりやすい例が、3大駅伝未経験かつエントリー経験のある選手が安田しかいないんですよね。持ちタイムを伸ばし、全日本、箱根ともにメンバー入りをして、来年度は3大駅伝出場が期待される選手ですが、エントリー経験者が1人だけとは…


4年生はエース級が揃っていただけではなく、室伏や河合などたたき上げの選手が複数伸びてきたことで選手層の厚さにも大きく貢献していましたからね。来年度の早稲田における最大の不安はこの選手層の薄さです。主力が揃って万全であれば心配はいらないでしょうが、今年度のように故障者や不調者が複数出てしまった場合、それをカバーするのは容易ではありません。


そんな中で希望の光となりそうなのが1年生、菅野が64分31秒、伊福が65分47秒で学生ハーフを走っており、特に菅野がこのタイムで走ったのは本人もびっくりとのこと。石塚、伊藤以外の1年生が3大駅伝の戦力となるのは、まだ先かなあと思っていましたが来年度の3大駅伝からもう楽しみな選手が出てきたのは大きいです。


新入生も力のある選手が揃い、都大路で1区7位だった間瀬田、9位だった山口と1桁で走った選手が2人加入というのは、即戦力が求められるチームにおいて頼もしい限り。すでに1万までの距離は問題なく、ロードでの実績もありますからこういった選手はハーフへの対応も早い印象があります。さらに14分15秒を持つ須山、14分16秒を持つ宮岡らも加わることで、複数人が3大駅伝出場を果たしてもおかしくないほどの選手が揃います。

展望

来年度の早稲田で最も不安なのは?と尋ねられれば箱根予選と答えます。まず、この15年で箱根予選はこの1回しか出場しておらず、箱根シード常連校だったが故の箱根予選における経験不足というのがあります。単独走も多い箱根と違って箱根予選は集団走になることが多く、チームの戦略も大事になってきますからね。


本戦ではなかなかシードは獲得できずとも、箱根予選は安定した走りを見せている大学というのは何校もありまし、特にスピード化が一気に進んだここ2年の箱根予選を経験していないというのは、不安要素かなあと。また、その唯一出場している箱根予選では上位通過が予想されものの9位とあわや予選落ちというほどに苦戦しています。


箱根予選はエース級が揃うチームよりは選手層が厚く、特にチームのカギを握る8~10番手の選手層が大事になってきます。早稲田のように主力とそれ以外の選手の力の差が比較的大きいチームにとっては箱根よりも箱根予選の方が苦手となりそう。特に今年度の3大駅伝のように主力を複数欠いてしまうと、まさかの結果が起こってもおかしくは無いかと…まずは箱根予選にチームとして合わせ、不安のない走りで上位で通過して欲しいところ。


箱根予選をしっかりと突破し、箱根でもベストメンバーで臨めれば一気に楽しみになります。今年度の往路を走った井川、石塚、伊藤に往路で好走している鈴木、さらに主力の菖蒲も往路を任せられる選手。今年度のように間瀬田、山口らルーキーの往路抜擢もあるかもしれません。例えば1,4,5区を今年度と同様に井川、石塚、伊藤にして2,3区を鈴木、菖蒲とすればもう往路は埋まるわけですからね。ここに割って入る選手が出てくるに越したことは無いですが、往路は大きな心配はいらなそう。


復路は今年度の6区は苦戦しただけに、好走経験のある北村の復活が待たれます。貧血で苦しんでいるということでしたが、まずはトラックシーズンから元気な姿を見せてほしいですよね。今年度はほとんど走る姿を見れなかった小指、故障の影響が長引いている辻も同様です。二人とも万全であれば往路を走ってもおかしくない選手ですし。9区を走った佐藤もハーフで結果を残していますし、箱根5区を経験している諸冨もまた箱根を走ってほしい選手。


ここに3大駅伝初出場を狙う安田や菅野、新入生らが絡んでくれれば…というのが現時点での来年度の箱根予想となるかなあ。力のある選手は揃っているのですから、その選手たちがどれだけ箱根に故障・不調なく臨めるかどうかですね。ベストメンバーが組めればシード獲得はもちろん、さらに上位を狙えるだけの戦力である一方、上手くハマらなければ再びシード落ちとなってしまってもおかしくないかと。来年度の箱根では不完全燃焼だった今年度の悔しさを晴らす走りを見せてほしいです!!

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