東洋大学　来年度の箱根駅伝（２０２３年）に向けて

続いては箱根で４位、箱根では１７連続シードを獲得している東洋大学について見ていきます。今年度の箱根結果はこのようになっています。３大駅伝経験者は１７人おり、来年度も１３人が残ることとなります。これは全大学を見渡してもトップクラスに多く、１４人の駒澤に続いて２位タイですね。チームを牽引し続けた宮下、最後の箱根で有終の美を飾った蝦夷森らが抜けることなりますが、今年度の箱根経験者は８人残ります。


箱根で区間５位以内で走った選手となると、２区５位の松山、９区５位の前田、１０区２位の清野がいますね。特に箱根２区で２年連続快走している松山の存在は非常に大きいです。今年度の箱根で３区８位の佐藤に１区で安定した結果を残し続けている児玉と往路で結果を残している選手が複数いるのも大きいです。６区も２年連続で走っている九嶋がおり、不安は無いですね。


箱根の経験値は十分ある東洋ですが、それ以上に強みなのは今年度の箱根に出場していない実力者が複数いることです。出雲、全日本でともに区間賞を獲得した石田は箱根は出場出来ませんでしたが、来年度は松山とともにエースとしてチームを牽引してほしい選手です。及川も１年の箱根以来３大駅伝は出場していませんが、トラックでの活躍ぶりはチームトップクラスでしたからね。同じくトラックで活躍し、出雲で６区７位で走った柏もいますから、これだけでもう１０人を超えることになりますね。

来年度の箱根駅伝で出場が期待される選手となると…ハーフで６３分３３秒をマークし、箱根にも２年連続でエントリーされている村上がまず候補になってきそうかなあ。５千、１万も自己ベストを更新していますし、長い距離で結果を残しているのが心強いです。さらに、５千で１３分台のベストをもち、今年度は３大駅伝フルエントリーとなった大沼も来年度３大駅伝デビューが期待される選手です。


続く選手はちょっと悩ましいですね。箱根エントリー経験者となると久保田や山田がいて１万のタイムも２９分２０秒前後を有していますが、今年度は３大駅伝のいずれもエントリーされずでしたし…出雲で予想外のメンバー入りを果たして注目された兼原は全日本もメンバー入りを果たしましたが、長い距離となるとまだ厳しそう。３大駅伝未エントリー選手では１万、ハーフで良いタイムを持っている町、小林、熊崎あたりに期待したいところ。


新入生は即戦力候補と目される選手が複数おり、中でも緒方と西村が実績豊富です。緒方は都大路こそ走っていませんが、１万のベスト２８分３６秒は来年度のチームにおいて既にトップタイム、ロードでも強さを見せています。西村も５千で１３分５５秒のスピードにクロカンでも好走していたのが印象的です。５千のベストで１３分５３秒と新入生最速の吉村もいます。１４分４秒を持つ藤宮や都大路１区で良い走りを見せた岸本らもおり、全大学を見渡してもトップクラスと言える選手が揃った新入生が１年目からどれだけ３大駅伝出場を果たすかにも注目です。

今年度の箱根では３位と２秒差の４位、５区を３年連続で走った宮下が抜けた穴を埋められるかどうかがまずは大事になってきます。前回の箱根上位校は５区で好走した選手が来年度もいますからね。東洋の５区は悪くても区間中位ではまとめてくれていますが、優勝争いに絡んでいくには区間上位で走れる選手が出てきてほしいところ。逆に言えば不安のは５区くらいかなあ。


１、２区は２年連続で走っている児玉、松山が来年度も健在で何も心配はいらないでしょう。２区の松山はもちろん、児玉も４度の３大駅伝出場で全て１区を担い、１度も失敗レースが無いですからね。３，４区は今年度走った佐藤、木本と経験者がいますし、前年度３区を走った前田に万全であれば往路を走っていたであろう石田もいます。期待の新入生を往路に抜擢するということも東洋は良くありますし、往路の出場争いは今年度よりも激しそう。


６区は２年連続で走っている九嶋がいますし、力をつけてきた及川もずっと６区候補と言われていますね。どの区間でも及川が再び箱根を走る姿を個人的には見てみたい…これまでに名前が挙がった選手以外にも復路は梅崎、清野が走っていますし、出雲最長区間の６区を走っている柏、全日本を走りハーフでタイムを伸ばしてきた菅野もいます。ここに箱根初出場を狙う選手たちがハイレベルな出場争いを繰り広げてくれるであろうことを考えると…今年度よりも総合力は上かもしれませんね。


今年度の箱根もベストメンバーを組めたとは言えず、その結果として苦戦する区間が出てしまったわけで…来年度ベストメンバーで臨めたとすると、総合力で抜けている青学を追う大学の１校という位置づけかなあ、現時点では…今年度の箱根上位校はいずれも来年度も同等かそれ以上の力があると目されていますからね。箱根に強い東洋が２位に入ってきても全然おかしくは無いですし…来年度も非常に楽しみな存在となりそうです。