第50回(2022年)全日本実業団ハーフマラソン結果 ~林田が優勝、山野が学生記録の4位~

本日、全日本実業団ハーフが行われました。名前の通り、普段は実業団選手しか出場できないわけですが…今回は丸亀ハーフが中止となったことで出場予定だった学生を10名ほど招待するという特例が認められることに。走る機会を失った選手がこうやって救済されるのは良いですよね。それに応えるように学生がトップ10に3人割って入ってきました。入賞した選手、学生選手を中心に見ていきます。

順位指名所属タイム
1位林田 洋翔三菱重工1:00:38
2位中山 顕Honda1:00:38
3位田村 友佑黒崎播磨1:00:38
4位山野 力駒澤大1:00:40
5位西山 和弥トヨタ自動車1:00:41
6位今井 崇人旭化成1:00:42
7位荻久保 寛也ヤクルト1:00:43
8位山本 歩夢國學院大1:00:43

同タイムで1~3位が並び、1~8位の差がわずか5秒差という大混戦を制したのが三菱重工の林田、ニューイヤー駅伝でも3区で素晴らしい走りを見せ、井上の後を継ぐエース候補として期待される選手ですが、60分38秒という素晴らしいタイム、そしてラストの切れ味を見せて見事に優勝を果たしました。三菱重工は地元長崎の選手がほとんどというチームですが、良い選手を育ててきますよね。林田も高卒で実業団に進んでどうかなと思いましたが、わずか2年目で凄まじい勢いで台頭を遂げました。


2位に入ったのがHondaの中山、ニューイヤー駅伝で6区区間賞を獲得し、チームの初優勝に大きな貢献を果たした選手です。中央に一般入部で入った選手ですが、大学で驚異的な成長を遂げたのはもちろん、実業団でもさらに伸びているのが素晴らしいですよね。大学以降では最も伸びた選手の1人です。


3位に黒崎播磨の田村、これまたニューイヤー駅伝3区で素晴らしい走りをみせた選手ですね。林田が3区3位、田村が3区4位とともに区間記録&区間上位で走っている2人です。田村も高卒で実業団に入り、青学で活躍した兄に負けじと成長を遂げましたよね。有力選手が多く出場する中でも、実業団で勢いのある選手たち、力のある選手たちが順当にトップ3を占めたように思えます。本当に田村友も強くなりました。


4位に駒澤の山野、60分40秒は駒澤OBである謙太が持っていた60分50秒という日本学生記録を10秒も更新してきました。まさか山野がここまでの走りを見せるとは…20kmの前では先頭集団から抜け出す積極的な走りを見せました。結果として後続に追いつかれ、3人に抜かれましたが学生トップの4位は守ったというのは価値がありますね。エース級の走りを見せてくれました。


5位にトヨタ自動車の西山和、東洋OBの西山ですね。駒澤OBの西山雄は別大マラソンで優勝を果たしていましたが…西山和も60分41秒の5位という走りは素晴らしい。大学3,4年時は本当に苦しむことが多かったですが…実業団でこうして再び活躍を見せているのは嬉しい限りです。大学時代を超える活躍を実業団で見せてくれれば。


6位に旭化成の今井、高卒や箱根で活躍した選手が揃う旭化成において、立命館大学という関西の大学出身は珍しいかなあ?実業団に入ってからトラックで着実にタイムを伸ばしていますが、ハーフでも60分42秒を叩き出して6位に入ってきました。選手層の厚いチームにおいて、また一人頼もしい選手が出てきましたね。


7位にヤクルトの荻久保、荻久保も城西大学時代から実力は十分ですが、実業団に入ってさらに伸びてきた選手の1人です。今回の上位勢は本当に実業団で伸びてきた選手ばかりですね。そして、これをきっかけにさらに飛躍を遂げそうな若手が多そうですね。60分43秒というタイムは3人おり、学生2人を抑えて7位を死守しました。


8位に入ったのが國學院の山本、箱根3区でその実力は証明済ですが、それでもルーキーで60分43秒をマークしてくるとは末恐ろしい…ではなく既に恐ろしすぎます。國學院のルーキーは平林が注目されていましたが、山本も負けない走りを見せてくれました。来年度は平林と山本が2年生のダブルエースとなっていそうな期待感があります。


9位に入ったのが東洋の松山、来年度は間違いなくチームのエースとして東洋を牽引していってくれることでしょう。初ハーフでしたが、箱根2区で2度も爆走している実績からすればハーフの距離に心配ないどころか強いことは証明済ですし、今回もしっかりと強さを見せてくれました。60分43秒というタイムも文句なしですが、強いて言えば学生で3番手だったところが唯一不満があるくらいでしょうか。


60分44秒でNTT西日本の小林、60分46秒でSGホールディングスの佐藤悠基が10位、11位で続き、15位だったGMOインターネットの村山紘太までが60分台で走るという非常にハイレベルなレースとなりました。


学生では、駒澤のルーキー篠原が61分1秒、長い距離は心配ないという話でしたが、箱根で走れなかった悔しさを晴らすような快走を見せてくれました。来年度は間違いなく主力の1人として活躍してくれることでしょう。駒澤の花尾が61分37秒、駒澤OBである小森コーポの神戸とラスト競り合った際のお互いの表情も印象的でした。タイムはもちろん悪くは無いですが、60分台で走っている学生選手が3人おり、さらに優勝はずっとライバル視している林田で1分近い差をつけられているわけですから、悔しさの方が大きかったのかなあ。


順天の伊豫田が62分11秒、箱根3区で快走を見せ抜群の安定感を誇ることを考えると、自己ベストを11秒更新したとはいえ、64位というのはちょっと物足りなく感じてしまいますね。勝負レースにはしっかりと合わせてくれるでしょうが。同じく順大の石井も62分20秒でベストに11秒届かずでした。石井も箱根4区で快走を見せており、箱根2位に入った順大勢が今回はやや奮わずだったかなあ。


國學院の藤木は63分30秒ということで、おそらくは大学最後のレースとなりそうですが、今回は力を発揮できずだったかなあ…箱根で7区で好走した東海のルーキー越も63分38秒ということで、今回は学生の中では最下位となってしまいました。タイムとしてはそこまで悪いわけでは無いのですが、今回は全体的に学生が良かったですし、特に他のルーキーが凄まじかったので相対的に苦しい走りに見えてしまいますね。

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