箱根終了後に考える箱根駅伝(2022年度)の展望その1 ~箱根予選会校~

状況

最後は、来年1月に行われる箱根における現段階での展望を述べていきます。箱根が終わってまだ1か月も経っていませんが…箱根でシードを獲得したのは、10校(青学、順天、駒澤、東洋、東国、中央、創価、國學、帝京、法政)で、シード落ちが10校(東海、神奈川、早稲田、明治、国士、中学、日体、山学、駿河台、専修)となっています。


箱根は10区間全てで20km以上ですからハーフを走れる選手を10人用意するのがまず大変、さらに5区の山登り、6区の山下りという特殊区間にも対応していかなくてはならない…箱根予選と箱根で大きく違うのは以下の2つかなあ。もちろん、予選会と本戦ではかかるプレッシャーは段違いだと思いますが、それは一旦置いておくと…


1つは単独走で走る場面が多くなり、箱根予選で多く採用される集団走とはまた違った力が求められることになること。誰かが作ってくれるペースについていくのと違い、単独走や集団を引っ張るとなれば自分でペースを刻んでいく必要があります。箱根予選でフリーで走っても、結果的に集団になることも多いですし。


もう1つは往路から喰らいついていかないといけないところ。箱根予選は同じような走力を持つ選手が10人揃って同じような順位で走っても通過する可能性は十分ありますが…箱根だとほとんどの大学が往路に主力を投入、しかも予選会と違って上位や優勝を狙う大学がエース級を投入してくるわけですから、そういった選手と渡り合える選手を往路に投入できないと早い段階で遅れることとなってしまいます。


そして、一度遅れると力のある選手でも区間順位が総合順位に近くなってしまうことは多々ありますからね。結果として有力校がシード落ちしてしまうなんてことも…特に流れが大事になってくるのが箱根駅伝です。まずは箱根出場→予選会となった10校について、通過したと仮定した場合の箱根について見ていきます。

展望

箱根予選会校がまず現実的に目指すのはシード獲得ということになるでしょう。それ以上の目標を掲げる大学ももちろん複数ありますが、優勝と2位に次いで最も差が大きいのは10位と11位かなと思うほどに、天国と地獄です。予選会校からシードを獲得する可能性が高いとなると、まず候補となるのは東海と明治かなあ。


特に東海はアクシデントが無ければシードを獲得していたはずですし、5,6区がともに攻める区間に出来るのが大きいです。特に差が最もつきやすい5区で区間2位の吉田がいますからね。大エースの石原が戻ってくればエース区間も安心ですし、今年度の箱根経験者も7人いますし、箱根に出場していない28分台のベストを持つ選手がズラッと揃います。来年度の1万の平均タイムは3位ですし、来年度はシードどころか上位進出もあるかと。


明治はシード有力と言われながら2年連続で逃しているのがあまりにも痛すぎますが…来年度も選手は揃っています。今年度の箱根出場者は7人おり、5,6区も残ります。さらに往路を任せられる選手が児玉、小澤、富田、櫛田、加藤と揃っていますからね。下級生にも新入生も実力者が揃い、あとは箱根で持てる力を発揮できるかどうかですね。箱根予選も全日本も結果を残しているわけですから。。。3年生に主力が揃うだけに、今年度は何が何でもシードを獲得しておきたいところ。


評価が悩ましいのは早稲田ですね。往路を任せられる選手は井川、石塚、伊藤に鈴木、菖蒲でもう揃ってしまいます。菖蒲以外は箱根で結果を残しているわけですし、菖蒲も故障が無ければ問題無いであろう結果を残しています。さらに6区も貧血さえ直れば北村という結果を残している選手がいます。その一方で気になるのが選手層ですね。


今回は出場できずに箱根好走経験のある小指に全日本で好走経験もある辻、箱根9区を走った佐藤とここまでで9人、続く選手がどうなるか…諸冨や安田に期待の新入生もいますが、このままだと10人揃えるのがかなりギリギリになりそうで、新戦力の台頭がある程度無いとベストメンバーが組めなかった際に今年度以上に崩れる危険性をはらんでいるかなあ。箱根に合わせられればシード獲得は難しくないでしょうが。


現状では現実的にシードを狙えそうなのはこの3校かなあ。他の大学はエース力か選手層の戦力アップが求められることになりそう。12位の神奈川大学は、選手層はもう心配無さそうかなあ。箱根経験者が8人残り、区間中位で走っている選手も多いです。ここに高橋、佐々木でもう10人揃ってしまうわけですから、心配はいらないでしょう。その一方で求められるのはエース力ですよね。往路を区間中位ではなく上位で走れる選手が最低1人は出てこないと、シード争いに加わったとしてもシードを獲得するのは困難かと。5区は山崎が計算出来ますし、エースの台頭さえあればかなあ。


15位の国士館は往路4人を含む5人が抜けるということで、来年度は戦力的に厳しくなりますよね。この学年はヴィンセントだけではなく日本人選手の成長も著しく、木榑、荻原、三代らが活躍してくれましたし。留学生のマカウがいるとはいえ、1,3,4区を任せられる選手を用意してさらに今年度から5つも順位を上げるというのさすがに難しそう。15位キープでも上出来かと。


16位の中央学院は1区から出遅れたことで、下位に沈んでしまったので本来の力を発揮できなかった選手も多かったでしょう。箱根経験者は6人残るものの、エースの栗原が抜ける影響はやはり大きいです。それでも、2~6区の経験者が残っているのは大きいですよね。小島、川田と今回は欠場したものの往路を走れる選手も揃っていますし、持ちタイムを伸ばしている選手も多いです。往路を中位で走れる選手がもう1人か2人出てくれば、シード争いにも絡んでいけそうかなあ。


17位の日体大は藤本という大エースはいるものの、選手層が現状は課題ですね。2区の藤本が挽回するだけの走りで3区以降は下がっていくという展開になりそうなのはやはり不安。箱根予選では結果を残せる選手が揃っているだけに、箱根で好走できる選手をどれだけ準備できるかですね。持ちタイムも28分台の選手がズラッと残りますし、戦力は揃っているのですが、3大駅伝で結果を残すとなるとまた別物…シード争いに加わるには相当なレベルアップが必要かと。


18位の山梨学院は松倉を起用出来なかったのが響きました…木山・伊東でも往路は苦しかったですし、ムルアも3大駅伝はまだ未知数ですからね。今回の箱根では往路ではオニエゴ、復路では6区の矢島くらいしか好走と言えるようなものは無かったですし、現実的にはシード争いというのよりも15位以内というのが1つの目標となるかなあ。持ちタイムを伸ばしている選手は多いですし、箱根予選も2年連続で結果を残してはいるのですが、箱根はまた別物かなあ。


19位の駿河台はまずは2年連続の箱根出場が最大の目標となるでしょう。2年連続で出場するのは容易では無いですからね。箱根出場を果たしたとなると、今年度の19位から1つでも上の順位、過去最高順位の更新というのが現実的な目標かなあ。6区好走の小泉がおり、町田、清野の1,3区コンビに新山というエース候補もいますからね。今年度の経験を活かして、来年度はさらに上を目指していくことになるでしょう。


20位の専修は2年連続の最下位ということで、まずは最下位を脱出するのが最低限の目標となるかなあ。木村が1区で快走して高瀬、キサイサという1~3区を走れる選手がいるわけですからね。キサイサはアクシデントもあって苦しい走りでしたが、往路で勝負できる選手が複数いるのは大きいです。復路で1桁で走った国増もいますし、往路はある程度戦えそう。あとは区間15位以内で走れる選手を1人でも多く増やしていくということになるかなあ。


東海、明治、早稲田あたりが現状の戦力+新入生でシードを狙えそうかなあ。続くのが神奈川、中央学院という印象です。箱根シード校はどこも実力校ばかりですし、シード校の入れ替わりはせいぜい1,2校だと思うので…シードをめぐる争いはまた来年度も激しくなりそうです。

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