箱根終了後に考える箱根予選(2022年度)の展望その2 ~箱根出場校~
10月に行われる箱根予選における現段階での展望、続いては箱根に出場したものの残念ながら予選落ちとなってしまった10校について見ていきます。
まず戦力的に抜けていると思われるのは11位の東海と14位の明治でしょう。東海はアクシデントがあってシード落ちとなってしまいましたが、戦力は非常に強力。1万の自己ベストを更新する選手が多く、選手層の厚さは予選会校でトップクラス。箱根ではそもそも石原を筆頭に主力を複数欠いていましたし、トップ通過候補の1校となるのではないでしょうか。1年生は越、吉田らが活躍をして梶谷、水野らもいますし、ルーキーも花岡、兵藤などトップクラスのルーキーが加わりますから、下級生も強いです。
明治は櫛田、小澤、富田、加藤ら主力が揃う学年が最上級生となり、戦力的にも充実しています。鈴木、手嶋、橋本らが抜ける影響は確かに大きいですが、箱根予選は今年度も圧倒的な走りでトップ通過を果たしているわけですし、心配はいらなそうかなあ。2年生以下で箱根を走ったのが児玉だけということでさ再来年度に向けてはちょっと現状不安がありますが、来年度は新4年生を中心に安心の走りを見せてくれそう。
箱根予選で安定の走りを見せてくれそうなのは12位の神奈川と17位の日体大かなあ。この両校における箱根予選での安定感はトップレベルですからね。いずれも箱根ではシード争いに加われなかったのは残念ですが…神奈川は2年生だけでもう箱根予選メンバーを半分以上占めそうなほどに選手が揃っており、巻田、宇津野、高橋、佐々木、小林政、小林篤、大泉らが揃います。3年生が山崎、有村と戦力になってきたのも大きく、1年生はまだ未知数ですが期待の新入生である宮本も楽しみ。いつも通り安心の走りを見せてくれるのでは?
日体大も本戦は苦しみましたが戦力ダウンが著しいと言われた今年度も3位と上位通過、大エースの藤本を筆頭に名村、盛本、九嶋、高津らが新4年生に揃い、2年生以下も持ちタイムを伸ばしている選手が多いですし、新入生も13分台のベストを持つ平島や山崎など粒ぞろいです。一気に箱根で復活となるとまだ厳しそうな気がしますが、箱根予選はまた安定した走りで通過に不安は無さそう。
個人的にエース級は揃いながらも気になるのが13位の早稲田大学です。中谷、太田、千明、山口ら4年生の抜ける穴は全大学を見渡しても最も大きい大学の1校ですし、チーム事情から仕方ないですが、選手層が来年度は特に薄いんですよね。3年生は井川、鈴木に小指の復活は必須として、2年生は菖蒲、北村、辻ら選手がズラッと揃いますが、1年生は伊藤、石塚がチームの主力となっているものの、1~3年で12人揃えるのがギリギリという印象。新入生も山口や間瀬田ら実力者が加わるものの、前回出場した箱根予選でも9位と苦戦しており、箱根予選の経験不足も気になるところ。さすがに予選落ちは無いと思いますが…
15位の国士館は箱根予選で安定した走りを見せているものの、来年度はやや不安が残ります。最大の理由は4年生に主力がズラッと揃っていることですね。ヴィンセント、木榑、荻原、三代、清水拓らがずらっと抜け、箱根1~4区を走った選手がいなくなるのは箱根予選に向けて心配かなあ。3年の福井、綱島、望月、清水悠に2年も山本龍、山本雷ら箱根出場者はいますが、留学生のマカウもまだ未知数で例年のように箱根予選にしっかりと合わせても、通過争いかなあという印象…
16位の中央学院は3年生に武川、小島、吉本ら主力が揃っており、1,2年生も戦力となる選手が増えてきました。2年は伊藤、1年は吉田礼ら主力級もいます。戦力としては予選落ちするようなチームでは無いですよね。少ない不安は今年度ベストメンバーを組めずに箱根予選で苦戦し、前年度は予選落ちをしていることですね。箱根予選にチームとして合わせることが出来れば、問題は無さそう。
18位の山梨学院はオニエゴ、松倉ら主力が抜ける影響は小さくないですが…留学生はムルアが健在でですし、日本人エースは木山がいます。伊東、橘田、石部といった3年生を筆頭に3大駅伝・予選会の経験者は多く1年も高田、砂川らが計算出来そう。新入生に頼らずとも12人揃えることは問題無さそうです。ここ2年の箱根予選のような走りを見せられれば通過は心配いらないと思いますが、2年前に予選落ちということもあって一抹の不安はあるかなあ。
19位の駿河台は2年連続の箱根出場を当然狙いたいところですが、容易では無いでしょう。近年の箱根初出場校を見てもなかなか2年連続出場を果たせずに苦戦するケースも多いですからね。実際、創価や東京国際といったすっかり箱根常連校になった2校も初出場の翌年度は予選落ち、それもボーダー争いに絡めずという結果でした。ブヌカ、阪口、今井、田尻、入江らが抜けて戦力ダウンも小さくない駿河台も通過はかなり厳しそうですが…今年度の全日本予選以降の勢いを見ていると、やってくれそうな期待感もありますね。
20位の専修は厳しいと思われた今年度を通過したことで、来年度に向けては期待は高まります。3年の高瀬、2年の木村、1年のキサイサと各学年に核となる選手がおり、国増も躍進してきました。木村は前回の箱根予選に出場していませんし、水谷、野下らが2年連続で好走を続けてくれれば、今年度以上の順位で通過を果たしてもおかしくはないかなあ。ただ、戦力的に他の箱根出場校と比べても厳しいのは間違いないので、どこかで崩れることが無いようにしたいですね。
こうしてみてみると、東海、明治がトップ通過候補で安定感のある神奈川、日体大、戦力が充実している早稲田、中央学院が続くという形になりそうかなあ。その後に山梨学院、専修、国士館、駿河台というのが現時点での印象です。ただ、国士館や駿河台が戦力的に厳しそうと言っても、育成力がある2校ですし、予選落ち校も箱根出場有力というような戦力を有する大学も無いわけですから…入れ替わりが0校はさすがに無いと思いますが多くて2校、1校という可能性もあるのではないでしょうか。箱根返り咲きを目指す大学にとって手強い箱根出場校となりそうです。