第98回(2022年)箱根駅伝 3区振り返り ~区間賞:丹所 健(東京国際)~
続いては3区における各選手の走りを振り返っていきます。3区結果はこのようになっております。区間賞を獲得したのは東京国際の丹所、区間賞候補筆頭の選手でしたし、日本人選手としては初めて60分台での走り、前評判通りの強さを見せてくれました。ただ、丹所にとって誤算だったのは青学の太田に終盤までつかれてしまい、さらに引き離されてしまったことですかね。東京国際としては3区終了時で後続を引き離したかったですが、トップと12秒差の2位にとどまりました。
逆に青学の太田にとってはずっと丹所についていって最後に抜け出す最高の走り、そもそもあのハイペースについていける太田が凄すぎます。期待のルーキーではありましたが、トップと5秒差の区間2位という強さを見せるとは…3区終了時で青学の優勝を大きく引き寄せる圧巻の走りでした。逆に2区トップの駒澤はここで安原が失速、区間16位の走りで一気に苦しくなりました。ずっと安定したいただけにこの走りは残念でした。
ここで一気に浮上してきたのが帝京の遠藤と國學院の山本、遠藤は4年連続の3区で区間4位、4年間ずっと稼ぐ役割を担い続けてくれました。総合でも3位に浮上することになりました。山本は3区でどうかなあと思いましたが区間5位と好走、11月に1万で28分台で走ったと思ったらいきなりこの走りを見せるとは…國學院の有力ルーキーは平林だけでは無いというところを見せてくれました。総合でも4位に浮上しています。
下位から浮上してきたのが順大の伊豫田、この走りがとにかく大きかった。ここで浮上できなければさらに苦しい展開になってもおかしくなかったですからね、区間3位の走りで17→10位と一気にシード圏内にまで浮上、4区以降が非常に走りやすくなりました。チーム内でも最も高いレベルで安定している頼もしい選手です。
早稲田の太田も区間6位の走りで総合13位は変わらずということに。故障もあって1,2区で出遅れた中でよく走ってくれました。中央もここで三浦が区間7位の走りで総合でも7位と再び浮上、2区でやや苦戦しましたが3区ですぐに立て直したのが大きかったですね。東洋の佐藤も区間8位でまとめて総合6位に浮上、東洋もしっかりと好位置をキープしいています。
日体大の大畑が区間9位、中央学院の武川が区間10位と出遅れた2大学がここを区間中位でまとめました。大畑も最初で最後の3大駅伝で一桁順位はやはり力があります。武川も最下位の中で中位でまとめて総合19位と1つ順位を上げてきました。法政のルーキー小泉も区間11位でしっかりとまとめてシード圏内をキープ、ただ今年度の小泉の活躍からするとこれでも物足りなく感じてしまうほどです。
駿河台の町田が区間12位は上出来といってよいでしょう。総合19位と苦しい位置の中でよく走り、19→18位と1つ順位を上げています。神奈川の宇津野が区間13位、前回は6区を走っていますが今回も崩れることなく走ってくれました。力のある選手が揃う神奈川の2年生においても宇津野の安定感は一歩抜けています。
明治は児玉が区間14位にとどまってしまい、3区終了時でも総合16位という位置…本当に前回の悪夢の再現という状況…3区でも浮上出来なかったのが痛すぎました。前回と違って1~3区にエース格を起用しての結果ですからね。鈴木も児玉もずっと外さない安定した走りをみせていたのに。。。東海も神薗が区間15位で総合17位とさらに順位を下げてしまうことに。1区好スタートから2,3区で崩れてしまいました。
関東学連の斎藤が区間16位相当、楽しくやりたいからと進んだ立教で上野監督が就任するというまさかの展開、そこで強さを身につけ4年時には3区を走るまでに成長するとは、何が起きるかわからないものです。今年度の大活躍ぶりを見ると区間順位相当はやや物足りないかもしれませんが、4年間で最も成長を遂げた選手の1人でしょう。
創価の桑田が区間17位と苦しみ、総合でも6→11位と5つ順位を下げてシード圏外に下がることに。監督が不安視していた3区ですが、今回は苦しい走りになってしまいました。ここまで順調にきていた国士館も荻原が区間18位で3→9位と順位を下げることに。国士館の鬼門になっている3区ですが、今回も順位を落とすこととなってしまいました。
区間19位に山梨学院の高田、松倉を起用できなかった影響をもろに受ける結果となりました。前回も故障者続出の影響でルーキーを3区に起用していますが、なかなかに厳しい走りに…高田も箱根予選では好走していますが箱根は別物です。最下位は専修のキサイサ、2区高瀬に続いてキサイサもまさかの最下位に…走りが明らかに重かったですよね、区間19位とも2分27秒もの大差をつけられてしまい、総合でも最下位に沈んでしまいました。
3区も順位変動が激しかったですね。区間順位トップ5のうち4チームが総合でも5位以内に入ってきています。それだけに駒澤の区間16位は痛かったですし、逆に総合で下位ながら区間3位に入ってきた順大の走りは大きかった。3区は比較的走りやすい区間ですが、重要度はどんどん増しており、タイム差も大きくつきますからね。エースクラスの選手層が問われる区間となっています。
ディスカッション
コメント一覧
キサイサ最下位は痛かった。1区終了時点で山次第では往路一桁あり得ると思ってたのですが…
山梨学院は松倉が走れず、自分は1区木山3区松倉予想(多少遅れてもオニエゴで追えると予想して)だったので木山1区エントリーは全く違和感を持たなかったのですが 松倉坪井は結局箱根を走れず。残念です。
専修は2,3区が最下位が痛かったですね。
山梨学院は2年連続でベストメンバー組めずでしたし。。。
1年生で三大駅伝デビューながら3区抜擢に応えた太田選手、山本選手は見事でした。太田選手に関しては選手層の厚い青学での起用ですので自信はあるのだろうと思いましたが、山本選手が区間5位で走り切るとは予想できませんでした。これで復路に島崎選手、木付選手、平林選手を残す國學院が一気に優位(青学以外で)になったと思ったのですけどね・・・
三浦選手は全日本に続き、前走者で下げてしまった順位を挽回する走りでした。ちょっと悪い流れになっても次の区間ですぐ取り戻す強さが、今年度の中大にはありました。これが昨年度から大きく改善した点ですし、明治との差になった印象です。
そして、伊豫田選手は苦しい展開を打開する会心の走りでした。全然、TV映像で取り上げられなかったのがかわいそうでしたが。日本テレビは他局と比べて駅伝中継が上手いと思うのですが、今年は良い場面を逃すことが多かったかなー
ルーキーの活躍が目立つ3区でしたね。
中央の区間配置は上手くハマった気がしますね。
順大伊豫田の巻き返しも見事でした
太田、山本のルーキー2人が特に印象的でした。
太田はサーモンハーフで優勝してましたが、それがここまで走れるという意味だったとは…岸本、佐藤が復路に回っても、代えて入ってくる選手がこれだけ走られては他大はお手上げですよね。
山本の3区は予想外でしたが、多くの往路候補を差し置いて3区だったので、これは相当調子がいいんだろうと思ってました。それでもこれだけ走れるとなれば、来年も國學院は強そうだなと感じます。
あと、学生連合の斎藤(立教)に触れられておられなかったようなので…
区間16位相当は、斎藤の力からすればもう一歩でしたかね。主将としての気負いもあったかな?
それでもこの舞台に立てたことが偶然の巡り会わせと言っていいですし、母校の環境の変化の中で活躍した姿は後輩の眼に焼き付いていることでしょう!
ルーキーの走り、強かったですね。二人とも3区を任されるだけのことはあります。
あらっ、斎藤は漏れていましたか。失礼しました。