第33回(2021年)出雲駅伝 レース結果 ~東国大が盤石すぎるレースで初出場初優勝~

夏のような暑さの中行われた出雲駅伝、あっという間に終わってしまいました。まずは全大学がタスキを途切れることなく繋ぎきれて良かったです。レース結果(PDF)はこのようになっております。優勝争いという点では順当でしたが、2位以下は波乱も多かったです。上位10校のレース結果を大学ごとに見ていきます。

優勝: 東京国際大学

前日の区間配置を見て、優勝候補筆頭かと思っていましたが、まさか5区終了時でトップに立っているとは思いませんでした。他大学がヴィンセントまでに○秒差つけたいと言っているのに、逆に28秒差をつけてしまうわけですから…残る5区間も完璧でしたが、特に丹所が青学の佐藤や早稲田の太田らをあっという間に突き放す走りは圧倒的でした。


6区のヴィンセントが区間賞だったのは当然としても、1~5区の全てで区間5位以内という安定した走り、東国大の圧倒的な強さを見せつけることとなった出雲駅伝した。全員3年生以下ということで来年度も優勝メンバーは残りますし、出雲2連覇はもちろん全日本、箱根に向けても期待は大きく高まります。

2位:青山学院大学

1区のエース近藤が区間賞とさすがの走り、その後は3区3位の佐藤を始めどの区間も崩れることの無い走りは素晴らしかったですね。期待のルーキー若林が4区6位ともう一歩だったのは残念ですが、アンカー横田が区間3位の見事な走りで2つ順位を上げて総合2位、現状の持てる力は出し切ったのではないでしょうか。最も苦戦すると思っていた出雲で2位となると、全日本、箱根にも期待は高まります。やはり、駅伝の青学は強いです。

3位:東洋大学

最も前評判以上の走りを見せたのがこの東洋では無いでしょうか。3区までは8位と苦しい位置でしたが、4区の九嶋が区間2位の好走で反撃の狼煙を上げると、5区のスーパールーキー石田が圧倒的な走りで区間2位に20秒差をつける区間賞、総合2位まで浮上しました。トラックシーズンは苦しみましたがやはり本物です。アンカーの柏も1つ順位を落としたものの3位は守る走り、松山、宮下を欠いた中でこの結果は全日本、箱根が俄然楽しみになってきました。

4位:國學院大學

1区で好スタート、そして2区木付が区間賞の素晴らしい走りでトップに浮上、ここまでは完璧なレースとなりました。しかし、3区の藤木が区間10位と苦しい走りで7位に後退…藤木はなかなか3年目以降はらしい走りを見せられていないですね、心配です。4,5区の中西大、伊地知が区間2位の走りで一気に浮上、平林は最後フラフラになってしまって逆転を許しましたが、それでも一時単独2位となった積極的な走りはルーキー離れしています。区間5位も十分な結果ですし、國學院の強さは十分に見せてくれたかと。

5位:駒澤大学

ベストメンバーが組めなかったことで厳しいレースになると思いましたが、それでも5区終了時で8位に沈むとは思いませんでした。1区篠原はまずまずとして、2区安原、3区花尾がそれぞれ区間3,4位で走れたのは数少ない収穫だったかな。一方4区唐澤、5区赤津が揃って崩れてしまったのは今後に向けて不安な要素でした。6区田澤がヴィンセントと21秒差、3位と31秒差をつけての区間2位で8→5位に順位を上げたのはまさに意地の走りでしたね。得意の全日本でどれだけ立て直せるか…

6位:早稲田大学

1区で苦戦することの多かった早稲田ですが、菖蒲が2位と好スタート、1年時とは別格の強さとなりました。ただ、2区の井川は区間6位、太田も区間4位と決して悪く無いのですが27分台コンビであることを考えると、どちらも物足りないかなあ。そんな中期待のルーキー石塚が4区区間賞を獲得したのは大きな収穫、その一方でもう1人のルーキーの伊藤は区間12位と苦しむことに…中谷も区間6位で駒澤に逆転を許しての総合6位に留まりました。菖蒲、石塚の好走は収穫でしたが、千明を起用出来ず、4本柱が苦戦したのは全日本以降に向けて不安かなあ。

7位:創価大学

1区緒方が区間11位と出遅れてしまう苦しい展開、それでもムルワが区間賞の走りで10→2位と一気に順位を上げてきたのはさすがですし、作戦通りかな。ただ、ムルワ以外はいずれも区間7位以下という苦しい走りに…アンカーを任された嶋津も区間9位にとどまり総合7位ということでちょっと収穫は少なかったかなあ。緒方、新家らが経験を積めたということは良かったですが、、、全日本は無いだけに、ここから箱根に向けてどれだけ仕上げられるか。

8位:帝京大学

1区小野が区間9位、大きく遅れなかったのはまずまずでしょうか。2区遠藤も区間5位で走れるまでに戻してきてくれました。その後は4区4位だった森田の走りが収穫でしたね。3大駅伝デビュー戦でしっかりと走ってくれました。ただ、6区の中村は区間10位で2つ順位を下げてしまい総合8位、大崩する区間は無かったものの、全体的には関東勢の下位に沈んでしまった感じかなあ。全日本、箱根に向けてそこまで悪くは無かったのでは。

9位:東海大学

1区にエースの市村を起用もまさかの区間10位スタート…トラックシーズンは圧倒的な強さを見せましたが、前回の全日本に続いて苦しい走りになってしまったのは心配です。3区に起用された佐伯も区間14位でしたし、主要区間でここまで下位になってしまうと苦しい。そんな中、5区神薗が区間5位で走ったのは唯一と言って良い収穫だったか。6区の本間は区間8位でまとめたものの総合9位は非常に厳しい結果でした。東海は4年連続で3大駅伝は総合5位以内でしたから、石原がいないとはいえちょっと心配です。

10位:順天堂大学

1区伊豫田が5位と上々のスタート、さらに主力の1人と期待される平が区間2位で走ったのは大きな収穫となりました。平の躍進は大きな戦力となりそう。一方で野村はフラフラになってしまい、区間16位で2→9位と7つ順位を落としてしまうことに。服部もまだ万全ではなかったのか区間14位で総合11位まで順位を下げてしまいました。それでも、5区石井、6区四釜はともに区間4位でまとめていますし、3,4区だけが悪かったとすれば三浦を起用出来なかった影響&野村にアクシデントがあったということで割り切れなくも無いかな。全日本での巻き返しに期待。

11位以下

11位だった立命館でも10位の順大に3分近い差をつけられており、関東勢の牙城を崩すのは容易ではないですね。立命館は高畑、山田のダブルエースに続く3番手が力不足は否めずに6区だけで10位の順大と2分50秒離されていますから(汗)12位に大阪経済、13位に関西学院ということで関西勢が11~13位を占めることとなりました。関東勢ももちろん強いですが、関西勢も他地区には負けない走りを3校揃って見せています。