2021年度 数字で振り返るトラックシーズン ~山梨学院大学~
続いては山梨学院大学について、トラックシーズンの結果を5千、1万で自己ベストを出した選手を中心に振り返ります。トラックシーズンは主力どころが結果を残す一方で3大駅伝経験者の多くが関東インカレ、全日本予選を欠場したりと、チームとしてはなかなか足並みが揃わなかったかなあ。箱根でもベストメンバーからは遠い布陣となっており、ちょっと故障の多さが気になるところです。
※2021/1/1以降の自己ベスト更新を以下のルールでポイント化しております。更新した順位と人数(1,2位・・・5pt、3,4位・・・4pt、、、9,10位・・・1pt)から算出され、各部門ごとに30点満点になります。
オニエゴが13分48秒でチームトップタイムをマーク、ベストを23秒も縮めています。前年度一気に躍進を遂げたオニエゴですが、今年度に入ってからもコンスタントに結果を残しているのが素晴らしいです。エースと呼ぶにふさわしい走りを見せています。木山が14分12秒でベストを7秒更新し、チーム5番手に浮上。1万でも好走を見せていますし、今年度最も伸びてきた日本人選手の1人と言って良いでしょう。
川口が14分15秒でベストを6秒更新、チーム6番手となっています。3大駅伝のエントリー経験はまだ無い4年生ですが、5千のタイムを伸ばしてきましたね。まだ1万以上での実績は乏しいですが、メンバー争いに加わってこれるでしょうか。篠原が14分19秒とベストを15秒更新し、チーム9番手となっています。前回の箱根、全日本予選と苦しい走りが続いていますが、持ちタイムは伸ばしてきているんですよね。あとは勝負レースで結果を残すだけです。
トップ10圏外では、ルーキーの砂川が14分24秒、高田が14分26秒とともにベストを更新しており、全日本予選にも早速出場を果たしています。4年の成毛も14分29秒のベストをマークしており、5千は14分10秒台、20秒台でベストを出した選手が多かったですね。
オニエゴが28分28秒をマークし、チーム2番手のタイムとなっています。5千に続いて1万でも好タイムの自己ベスト、そしてこのタイムは全日本予選で4組6位で走った時のものです。箱根予選に向けても前回以上の走りが期待出来そう。ムルアが加入したときはオニエゴの出番はもう無いかもと心配していましたが、現状は故障がちのムルアよりもオニエゴの方が計算出来るかな。
松倉が28分46秒のベストでチーム3番手に浮上、日本人エースとして期待されるのがこの松倉です。このベストは関東インカレで叩き出したものですし、セカンドベストの28分53秒も今年度マークしていますし、全日本予選も4組18位でまとめています。前回の箱根予選も好走していますが、さらに強さを増している印象。
木山が28分53秒をマークしてチーム4番手に浮上、このタイムは松倉同様に関東インカレでマークしたものです。勝負レースで28分台のベストを叩き出せるのは強いですね。全日本予選でも3組6位と好走していますし、前回の箱根予選は未出場ですが貯金を稼ぐ役割が期待出来そう。トップ10圏外では、篠原が29分44秒と5千とともに1万でもベストを更新、ルーキーでは高田が30分9秒、砂川が30分33秒で大学初の1万を走っています。
関東インカレでは、オニエゴがハーフで3位と表彰台に上がる走りを見せています。5千ではムルアが16位ながらも関東インカレに出場出来るまで戻ってきたのは収穫かなあ。1万では入賞にこそ届いていませんが、松倉が11位、木山が16位で走ったのも良かったです。日本人エースたちが元気な姿を見せてくれました。
全日本予選では、後半の組は良い走りを見せてくれたのですが、前半で35位以下が2人出るなど遅れてしまったのが響き、総合10位で予選落ちとなってしまいました。橘田が戻ってきたのも収穫ですが、新本や島津、星野といった往路経験者や主力一人である坪井はいずれも出場せず…箱根も箱根予選で上位だった選手が揃って欠場となって惨敗でしたし、大舞台にチームとして合わせられていないという状況が続いています。
5千の12点は25大学中15位タイとなっています。平均タイムは14分15→14分12秒と3秒更新し、21位のまま変わらずですね。前とも後ろとも3秒以上離れている状況なので大きくタイムを更新しないと順位はあまり変わらなそう。1万の13点は9位タイとなっており、こちらは一桁順位ですね。トップ10のベスト更新は3人だけですが、2~4位を占めていますからね。
平均タイムは29分19→29分12秒と7秒更新、順位はこれまた19位のままで変わらず、さらに18位とは3秒、20位とは6秒も差がついています。5千、1万ともに前後のタイム差が大きい状況となっていますね。合算の25点は12位タイとなっており、全体としてはちょうど真ん中くらいの得点ということになりました。
箱根予選に向けては、前述の通りどれだけベストに近い布陣を組めるかというのが大事になってきます。前回は上手くレースを進められての7位通過でしたが、その前は17位と大惨敗を喫していますからね。戦力的には予選通過は十分狙えると思いますが、2年ぶりの予選落ちとなってしまってもおかしくない無いかと。前回の経験者が12人中6人抜けているという状況もありますし、油断は厳禁です。
ただ、順当ならばオニエゴ、松倉らは大きく稼いでくれそうですし、万全であれば前回好走している橘田がおり、前回未経験の木山も稼ぐ役割を期待出来そう。坪井、新本といった前回経験者が戻ってくればさらに安心感は増します。箱根予選を未経験ながら箱根を走っている島津、星野、篠原らもいますし、まずはきっちりと箱根予選を突破してほしいところです。そして、4大会連続で17位と苦戦が続く箱根での復活を見せてほしいです。