第100回関東インカレ(2021)展望 ~5000m~

続いては、関東インカレ5000mの展望について1部、2部をそれぞれ見ていきます。出場する選手がある程度予想しやすい1500mや3000m障害と違って、5000m,1万m、ハーフは分かりづらいですよね。エースを5千、1万の両方に起用する大学もあれば、5千はルーキーを抜擢するところもありますし。5000m持ちタイム上位の選手、実績のある選手を中心に見ていきます。

~5000m(1部)~

2部ほどではないとはいえ、1部も留学生の牙城を崩すのは困難であり、実力者が揃います。最も実績があるのは駿河台のブヌカ、2年前の関東インカレでは5千、1万の2冠、前回の日本インカレ1万mでも優勝を飾っています。抜群の走力にラストの圧倒的な強さ、優勝候補の1人と言えるでしょう。さらに、国士舘のヴィンセントも2年前の関東インカレで2位に入っていますし、その後の実績も豊富で留学生でもこの2人が抜けているかな。


他にも、山梨学院のオニエゴ、日大のドゥングらも出場する可能性は高そうですし、オニエゴは自己ベストラッシュが今年度も続いていて、13分48秒を今年度マークして勝負レースでも結果を残してきていますし、ドゥングも一時期の不調は脱して結果を残せるようになってきました。留学生による優勝争いだけではなく、表彰台争いも熾烈です。


そんな中に割って入っていくことが期待される日本人選手、その筆頭は中央の吉居でしょう。13分25秒と留学生にも引けを取らない持ちタイム、日本インカレ優勝、日本選手権3位と実績は間違いなく日本人選手No.1です。日本選手権もありますが、この時期ならばしっかりと合わせて順位を狙ってくるのでは?どこまで留学生と渡り合えるかが楽しみです。


チームとしてスピードのある選手をズラッと揃えているのは早稲田、13分31秒を叩き出した千明に高校ベストで13分36秒を持つ伊藤、13分39秒を持つエースの中谷と13分30秒台で3人揃えてしまうほどです。さらに、13分41秒の小指、13分45秒の井川ら誰が出場してもおかしくないほどに持ちタイム上位がズラッと揃います。いざ勝負レースとなれば中谷が最も強いとは思いますが、いずれも駅伝で結果を残している選手ばかりですし、関東インカレという大舞台でどれだけ戦えるか楽しみ。


エース級が一気に力をつけているのが順大、13分41秒の野村、13分43秒の伊豫田と今年度絶好調の二人は勝負レースでも結果を残してきました。ロードでの実績は豊富ですが、トラックの大舞台でどれだけ戦えるかも楽しみです。5千、1万ともに持ちタイムはハイレベルですし、出場すれば十分入賞争いや上位争いに加わってきそう。


チーム内で抜け出たエースが5千に出場すれば面白そうなのが日体大の藤本、城西の砂岡、法政の鎌田あたりですね。藤本は1万も28分8秒を叩き出し、スピードは抜群です。砂岡も持ちタイムはチームで抜け出ており、実績も豊富。鎌田も箱根1区区間賞、学生ハーフ優勝とハーフの距離で圧倒的な実績を残しており、トラックでどこまで戦えるかにも注目です。


ルーキーでは、13分34秒と高校歴代最高をマークした東洋の石田も大学に入ってまだ姿は見せていませんが当然楽しみな選手ですし、13分48秒を持つ東海のルーキー徳丸も楽しみ。東洋は箱根2区で快走した松山も5千で強さを見せていますし、東海はエースの石原や1万で28分3秒を叩き出した市村もいますし、やはり実力者揃いです。出場する選手次第では本当に豪華なメンバーとなりそうです。

~5000m(2部)~

2部は留学生が非常に多いだけに、日本人選手が入賞はともかく表彰台に上がるのは用意ではありません。2年前の関東インカレではトップ5を含む上位8人中6人が留学生でしたからね。優勝候補筆頭は東国大のヴィンセントかなあ。箱根駅伝の圧倒的な強さは語るまでも無いですが、5千でも13分20秒と非常にハイレベルです。東国大はムセンビや丹所が出場する可能性もありますし、こちらはどこまで他大のエースと戦えるか楽しみ。


1万のタイムでは武蔵野学院のカマウが27分30秒とヴィンセントをも上回るタイムをマークしており、出場すればヴィンセントとともに優勝候補となりそう。拓殖のデレセも5千で13分50秒をマークしており、ハーフも強いですがトラックも結果を残すでしょうし、創価のムルワも13分37秒のベストを持っています。新留学生も専修のキサイサ、大東大のムワンギら実力者が揃いますので、2年前同様に上位を留学生が占める可能性も十分です。


そんな中に割って入るとすると、2年前に7位入賞を果たした駒澤の田澤がまずは筆頭となるか。日本選手権を2位で走った影響は気になりますが、出場すれば日本人トップの最有力候補ですね。駒澤は同じく日本選手権で3位に入った芽吹や13分40秒をマークした唐澤もいますし、エース級を起用するのかはわかりませんが、誰が走っても楽しみです。


5千で今年度結果を残しているのは明治と青学、明治は13分31秒を叩き出した手嶋、13分34秒の聖人が圧倒的な走りを見せて関東インカレでも期待は高まりますし、13分41秒を持つ富田、漆畑に自己ベストをマークした児玉らこちらも誰が出場してもおかしくない持ちタイム上位の選手ばかりです。まずはトラックから結果を残していきたいところですよね。


青学はルーキーがとにかく元気で13分41秒の若林、13分43秒の鶴川が揃って5000mに起用されても全く違和感はないですからね。同じく13分44秒を持つ新エースの近藤もいますし、こちらも13分台が揃いすぎていて、誰が起用されるのか予想し辛いですが、そんなメンバーから選ばれた選手ならばやはり結果を残してくるのでは。


國學院もエースの藤木は箱根後にはまた安定して結果を残しており、島崎やルーキーの平林も素晴らしい走りを見せています。エース格の中西大もいますし、2年前の関東インカレで浦野が入賞したのに続きまた入賞を果たせるか。中央学院も1万で栗原が28分3秒をマークし、ルーキーで28分台コンビの堀田晟、吉田礼コンビも勝負レースで期待できそうなんですよね。


2部とはいえ、持ちタイムでは1部を上回る選手が留学生、日本人選手ともに揃っているだけに、エース級が予想通り出場となれば、非常にハイレベルなレースとなりそうで楽しみです。

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