駒澤13年ぶり箱根優勝までの軌跡 ~その4~

2019年

最後は2019年~2021年、今年の箱根までを振り返ります。2018年度は前年度シード落ちだったため、出雲は出場出来ず…前回シード落ちの時はまだ出雲3位以内のシード権があったため、出場したんですよね。箱根予選に注力するため、メンバーを落とした結果10位に終わってはいますが…中止を除くとこの20年でも唯一出雲出場を逃した年ということになります。青学が東洋を12秒差で振り切って優勝を果たしています。東洋もこの出雲は大きなチャンスだったのですが、一歩届かずでした。


一方で箱根予選に出場した駒澤は2位にちょうど7分差をつけてダントツトップ通過を飾っています。箱根予選はどの大学でも予選落ちの可能性があり緊張するものですが…この時は非常に落ち着いて見ていられたのを覚えています。1桁順位は片西だけでしたが、10位台が4人、20位台が5人で10番手でも29位でしたからね…10番手が29位はなかなか塗り替えられることは無いのでは…あっという間に10人ゴールの表示が出て思わず笑ってしまいました。予選会とはいえ、この走りは全日本・箱根に向けて期待は膨らみました。


ただ、2週間後となる全日本で続けて結果を残すのはやはり難しく、総合4位に終わっています。2桁順位こそありませんでしたが、区間8位以下が4区間あってはなかなかに厳しい。それでも、8区2位だった山下の走りで4位まで上がったのは個人的にはホッとしました。青学が圧倒的に抜けていて、続く東海・東洋を含めたトップ3が3強という位置づけだったので、そこに続く地位は何とか確保出来たかなあと。優勝は再び青学で2冠、東海も2区~7区途中までトップで粘ったのですが、7区を走ったエース森田の走りが強烈でした。


2019年の箱根は正直青学の2度目の3冠&5連覇で間違いないと思っていました。優勝した出雲・全日本よりも箱根のほうが圧倒的に得意としていましたし、山も盤石でしたからね。しかし、青学が2,4,5区で二桁順位…特に4区15位、5区13位と続けて苦しんだのはびっくりしました。復路は区間賞3つ、区間2位で猛追したのはさすがですが、総合2位で及ばず…


優勝した東海は区間賞こそ8区区間記録を叩き出した小松だけでしたが、青学が苦しんだ4,5区で館澤、西田がともに区間2位、全5区間で区間2位だったのが大きかったです。10区間中7人が出場した黄金世代、3年時に悲願の箱根初優勝を果たすこととなりました。


東洋も往路優勝&8区途中までトップを走る走りはお見事…9,10区は崩れてしまい、青学にも逆転を許すこととなりましたが、それでもきっちりと3位は確保しました。結局、3大駅伝のトップ3は全て順位こそ違いますが、東海・青学・東洋が独占することとなり、駒澤は3強の牙城を崩すことは出来ませんでした。


箱根はトップから9分近い差をつけられ、東洋とも3分の差で4位ということになりました。正直、上位3チームは別格過ぎましたね。駒澤は区間3位以内が1区間も無かったですし。それでも、最も悪い区間でも区間11位、5区を含む5区間で5位以内だったのは上出来だったかなあ。過去2年を思えば3強に次ぐ位置まで戻ってきてくれたとホッとしました。


それまでは上も下も力のある学年に比べて物足りなかった3年生も2区山下、3区大聖、6区大成がいずれも好走を見せてくれましたし、2年生も伊東がほぼぶっつけ本番だった5区で好走、小島も結果を残すなど台頭がありましたからね。箱根を走った4年生4人が抜けますが、来年度も戦力的にはまだまだ楽しみだと思えました。

2020年

2019年度は…出雲でしたよね~1区から2位と好スタート、3区以降はトップを守って3大駅伝で5年ぶりの優勝かと思いましたが…6区土方の爆走で國學院に最後の最後で逆転を許してしまうことに…出雲で6年ぶり、3大駅伝でも5年ぶりの優勝が見えていただけに、相当ショックでした…個人的には出雲より全日本、全日本より箱根を重視してしまうのは否めませんが、3大駅伝で勝つことが全日本・箱根にも繋がっていくと思っていたので。。。


区間賞は無かったですが、6区間全てで区間2~4位でまとめたにも関わらず、優勝出来なかったのは残念すぎました。出雲は最も優勝出来ていない大会でもありますし、、、ただ、過去4年間でなかなか経験出来なかった優勝争いを出来たことは、チームにとっても大きな収穫になったのでは。


全日本は3区で神戸が足を痛めて区間16位となってしまったことで優勝争いからは脱落…それでも7区区間賞の田澤、8区3位だった山下で総合3位と出雲に続いて3位以内を確保したのは箱根に向けて期待は高まりました。久しぶりに優勝争いに加われるのでは?と。山の経験者も残っていましたし、上級生を中心に選手層も厚くなってきましたからね。


しかし、2020年の箱根は1,2区の大聖&山下コンビで出遅れてしまうことに…4年生が最後の箱根で力を発揮出来ないというのが多いですよね。全日本は何も問題ないのだけど…さらに、前回好走している5区伊東も13位と苦戦すると、8区加藤、9区神戸も二桁順位でシード争いに再び巻き込まれることに…10区石川は区間7位もラスト勝負で破れて総合8位とこの4大会で3度目の8位以下…8位以下はそれまでの15年間で箱根優勝後のシード落ち1度しか無かったんですけどね。優勝争いよりもシード争いの方が箱根は近くなってしまいました。


優勝は再び青学が果たすことに。1区以外は全て5位以内と安定した走りに4区吉田祐、9区神林と2区間しか無かった区間賞ですが、いずれも区間2位に40秒以上の差をつけているんですよね。大事な区間をしっかりと抑え、全く崩れることのなかったです。連覇を狙った東海は名取、西田ら主力が万全では無かったことで往路で遅れをとったのが響いて2位、國學院が初の3位に入る一方、初優勝から3位以内を守っていた東洋が10位に沈むなど勢力図もガラッと変わることに。来年度は青学一強かと思うほどの圧倒的な強さを見せました。

2021年

そして迎えた今年度、出雲が中止となって全日本も行えるのかと不安に思う中、無事に開催されたのは本当にありがたかったです。試合前は青学、東海、駒澤の3強と呼ばれていましたが、個人的には青学一強だと思っていました。私の順位予想は2位…駒澤はいつも客観的な順位予想よりも1つ上にすることが多いので(笑)現実的には青学が抜けていて対抗が東海、続くのが駒澤という印象でした。


なので正直、優勝はそれほど期待していなかったのです。2区終了時で9位とシード圏外に下がってしまいましたし…ただ、青学が14位、東海が17位とさらに下だったのは希望が残っていましたが。その後も順位を上げるも優勝争いに加わるにはもう一歩という状況でしたが…5区2位の酒井の走りは個人的MVP、7区の小林が区間4位の走りも8区に吉田を残す青学に41秒差は田澤と言えども厳しいかと思いましたが…


10km前で東海の名取とともに吉田に追いついたのは本当にワクワクしました。さらに吉田を2人で引き離してからはもうひたすらに祈るのみでしたが、何度名取が仕掛けても離されず、ラスト1.2kmからのスパートした瞬間は手が震えて、文字が上手く打てないほどに。。。最も得意な全日本でさえ、もう5年も優勝していなかったんですよね。ずっと3位か4位はキープしていましたが、一度も優勝争いには絡めなかった。。。


そんな中で3大駅伝で6年ぶりの優勝、本当に嬉しかったです。そして、3大駅伝で22度目の優勝はタイだった日体大を抜いて単独最多ということに。3大駅伝通算優勝回数はひょっとすると駒澤ファンと日体大ファンくらいしか興味が無いかもしれませんが…一時代を築いただけではまず達成するのは不可能で、コンスタントに3大駅伝で勝たないと達成出来ない記録でもあるので、個人的には価値あるものだと思っています。極端な話、3大駅伝初優勝から7年連続3冠を達成してもまだ届かないわけですから。


そして迎えた運命の2021年箱根、こちらも順位予想は1つ盛って2位でした。全日本で4位だったとはいえ、総合力ではやはり青学が抜けているかなと。戦力的に往路優勝に最も近いであろう東海が続き、駒澤はやっぱり箱根でも3番手かなあと。むしろ、明治や早稲田など好調な大学も多く、良くて3番手という印象でした。全日本に比べて箱根は得意ではないということもあり、今年は3大駅伝1つ勝てたし、箱根はもちろん優勝してほしいけれど、前回8位を考慮すれば現実的には5年ぶりの3位以内に入れれば上出来かなと。


1区にまさかの白鳥起用でさらに15位と出遅れた時は厳しいかなと思いましたが、2,3区で総合3位まで浮上したのにはびっくり、頼りになるエースたちです。酒井は全日本と比べると物足りない走り、総合2位とはいえ、4区終了時で後続との差が縮まったのを見て、5区では一気に順位変動があるかもしれない、準エースの1人とはいえ、ルーキーの芽吹を起用している駒澤はシード争いに巻き込まれる可能性もあるかもと思って見ていました。もう、これだけ箱根で勝てないとポジティブにレースを見れなくなるんですよね。


そんな中、芽吹が区間4位という走りも素晴らしかったですし、東洋とも7秒差の3位と好位置だったのは復路に向けて久しぶりに期待がもてました。ただ、このまま創価が逃げ切る可能性や東洋や帝京が優勝する可能性の方が高そうかなあとこれまた冷静というか悲観的に見ていました。そして、復路の当日変更を見た時は正直絶望的でしたね。結局4年は小林1人のみで、今年度はもう諦めて来年度に向けての区間配置なのかと思ってしまいました。せっかく青学も東海も後ろにいるのにと…


そんな考えは6区であっさりと裏切られることとなりました。もちろんいい意味で。駅伝で悲しくて呆然となることはあっても、涙目になることは無いですが…6区花崎の区間賞の走りは感動しましたし、泣けました。当日変更の可能性が非常に高いと思っていたのに、区間賞&区間歴代3位の走りは神がかっていました。箱根優勝のMVPは色々な意見があると思いますが、私は花崎ですね。この走りがあってこそ7区以降に希望が繋がりました。


ただ、7区花尾で離され、8区佃も差を詰めながら、ラストで逆に離された時は厳しいかなと思ってしまいました。ともに区間4位はよく粘ってくれと思いますが、創価が強かったですから。そして、9区終了時で3分19秒もの大差がついた時は多くの駒澤ファン同様に諦めていました。せっかく青学も東海も東洋も早稲田も明治も優勝候補と言われた大学全てを上回っているのに、2位なのかと…この13年で訪れた最大のチャンスも勝てないのかなあと。


来年度は確かに経験者が9人残って再び優勝候補と呼ばれるかもしれないけど、勝てるチャンスに優勝しないと、そのチャンスがどんどん遠ざかってしまうことは、他のどの大学よりも駒澤が一番知っているだろうから。この絶好のチャンスを逃して来年度優勝争いに再び絡み、そして優勝出来るのか?12年も達成出来ていないのに??とかなり凹んでいました。


10区で差が詰まっても石川は頑張っているなあ、本当に3年生は強くなったんだなあとやや達観して見ていました。定点で1分57秒差となった時も、もう5kmか10kmあればなあなんて思いながら見ていましたから…そこから震えたのは、わずか3.2km先の定点で1分17秒と40秒縮まった時ですね。後6.5km残っている…同じペースでいけばギリギリ逆転もあり得る?と急に緊張してきました。


その後も差はどんどん詰まっていき、計算上は逆転できると思ってからも、どうしても見た目ではまだ遠いから自信が持てない。そこから目に見えて石川の姿が1号車から大きくなってくると、いける!!と興奮を隠しきれなくなりました。再び手が震え、涙目になることに…というか泣いていました(涙)


逆転した瞬間、そして突き放した時はもう夢心地でしたね。あれっ、これって本当に現実に起きているの?自分の妄想?と思ってほっぺをつねるというベタなことまでしてしまいました(笑)個人的には全日本が3大駅伝で最も人気のある大会となって欲しいと思っているのですが、現状は出雲・全日本を優勝して2冠を達成しても箱根で優勝出来なければ失敗した年度として終わってしまいますから。


だからこそ、再び箱根で勝つ駒澤を見たいと思ってずっと応援してきたので、ようやく実現出来て本当に本当に嬉しかったです。私が「まったり駅伝」を始めてからの初優勝、今まで以上に駅伝に興味を持つようになったのに、箱根優勝は逆に遠ざかっていきました。大して興味がなかったときには箱根4連覇とかしていたのに。


HPやブログを見てもらうと分かるかと思いますが、個人的には箱根出場を争う大学はどこも興味を持っていて、他大学でも自己ベストラッシュとかあると、各選手の持ちタイムを更新していくのも楽しいんですよね。駒澤の出場しない記録会や大会の結果も楽しみにHPやTwitterを見て情報収集しています。ただ、出雲、全日本、箱根の4日間だけは全力で駒澤をひたすら応援しているという状況です。


もちろん、来年度も箱根優勝してくれたら最高ですが、ずっと箱根で勝てていなかった状況がようやく解消されたのが嬉しい。○○年ぶりの優勝を狙うという数字だけがどんどん大きくなっていく状況。正直「平成の常勝軍団」というフレーズも逆に嫌になっていました。私も近年はまず使うことが無いです。駒澤が黄金期を築いた後に東洋、そして青学が常勝軍団となったのに。昔は強かったのに…と過去にすがっているかのように思えてしまったから。今年度はついに強かった駒澤ではなく、強い駒澤が戻ってきてくれたと言っていいんじゃないかなあ。


というわけで、前回の箱根優勝から13年ぶりの優勝までを振り返ってみました。勝てるチャンスが何度かありながらも逃し続けてきましたが、むしろあまり期待していなかった今年に優勝…箱根は本当にわからないものです。そして、最後まで何があるかわからないということを、これほどまでに感じた箱根もありませんでした。2冠達成しましたが、単独トップに立ったのは全日本8区のラスト1.2kmと箱根10区のラスト2kmだけでしたからね。


箱根で連覇した大学が再び連覇するケースは非常に少なくなっています。駒澤も東洋も青学もこの20年で連覇を含む4度以上の箱根優勝を果たしていますが、2度の連覇はいずれも果たせていません。4年で選手が完全に入れ替わる大学スポーツにおいて、いかに黄金期を複数回築くのが難しいかということです。次に2度目の連覇を果たす大学が駒澤であることを期待しながら、駒澤特集は終わりとなります。特に2021年は非常に長くなってしまいましたが、これまでの思いをどうしてもブログにしたいと思っていたので、その機会が巡ってきて良かったです~

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